『黒部宇奈月キャニオンルート』に決定。無料見学会は旅行商品に

「一般開放」の表記は控えめに

2024年6月に旅行商品化される関西電力の黒部ルートの名称が「黒部宇奈月キャニオンルート」に決まりました。

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黒部ルート

黒部峡谷鉄道の終点・欅平駅から黒部ダムにかけては、黒部川第四発電所の建設などに伴い整備された約18kmの工事用ルートが存在します。これを「黒部ルート」と呼びます。

黒部ルートは、現在も発電所の保守や工事に使われていて、関係者以外は、原則として立ち入ることができません。

黒部峡谷鉄道の「上部軌道」と呼ばれる区間のほか、インクラインや電気バスといったさまざまな乗り物が使われているのが大きな特徴です。富山県と関西電力は、現在、限定された形での無料の公募見学会を行っていて、こうした乗り物に乗り、地底に作られた発電施設や、高熱隧道などを見学できます。

富山県などは、これを2024年に「一般開放」という名目で旅行商品化する準備を進めています。実現すれば、黒部峡谷と立山黒部アルペンルートを結ぶ新観光ルートとなります。開通を前に、富山県は、この区間の旅行商品名を「黒部宇奈月キャニオンルート」にすると発表しました。

黒部宇奈月キャニオンルート
画像:富山県
黒部宇奈月キャニオンルート
画像:富山県
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「宇奈月黒部」から一転

ルートの名称は、2021年に公募が実施され、自由記入のほか「宇奈月黒部キャニオンルート」「黒部宇奈月ヒストリアルルート」の二つが選択肢に入っていました。

有識者などによる選定委員会で「宇奈月黒部キャニオンルート」に決まりかけましたが、当時の黒部市長などから地名の順序に異論が出て、再検討をしていました。

最終的に、「北陸新幹線の駅名で慣れ親まれている」などとして「黒部宇奈月キャニオンルート」に決定しました。

黒部宇奈月キャニオンルート
画像:富山県
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「一般開放」という呼び方は?

今回の発表で気付いた点として、「一般開放」という呼び方を前面に出さなくなった、ということでしょうか。

黒部ルートの「一般開放・旅行商品化」とは、これまで「無料見学会」の体裁で開放していた黒部ルートを、旅行会社が主催するパッケージツアーに組み込んで有料販売するものです。上部軌道を鉄道事業として旅客化するものではないので、旅客が切符を買って自由に列車に乗れるようにはなりません。

つまり、「一般開放」という言葉から、普通の人が感じるであろう形態とは異なります。これまで「一般開放」という言葉を使い続けてきたのは、観光化に向けて政治的なキャッチフレーズとして必要だったからでしょう。

しかし、キャッチフレーズが必要な段階は過ぎました。今後、新たな観光ルートをPRする段階に入り、誤解を招きやすい「一般開放」という言葉を控えめにする方向に転じたのかもしれません。

なお、2022年度の無料見学会は、10月と11月の日程でまだ応募できます。今年は多くの日程で10倍程度の倍率となっていて狭き門ですが、無料のうちに行きたい方はお早めに。(鎌倉淳)

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