バンコク・フワランポーン駅の終幕近づく。12/22で大半の列車発着終了へ

跡地は商業施設に

バンコク中央駅として知られてきたフワランポーン駅の終幕が近づいてきました。タイ国鉄のダイヤ改正により、12月22日を以てほとんどの列車の発着が終了します。

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バンスー中央駅発着に

タイ国鉄は、2021年12月23日にダイヤ改定を実施すると発表しました。この改定で、バンコク・フワランポーン駅発着のほとんどの列車が、新ターミナルのバンスー中央駅発着となります。

タイ国鉄のウェブサイトの告知によりますと、フワランポーン駅発着の列車は1日118便から22便に減少。長距離列車は全てバンスー中央駅発着となり、フワランポーン駅発着は近郊列車などごく一部だけとなります。

フワランポーン駅の跡地は再開発される予定です。現在の駅舎は商業施設を併設した鉄道博物館として保存されます。

フワランポーン駅

バンコクの玄関口

20世紀のバックパッカーにとって、バンコク・フワランポーン駅は特別な存在だったでしょう。ドン・ムアン空港からローカルトレインに乗って到着する終着駅がフワランポーン駅。自由旅行者にとって、バンコクの玄関口でした。

駅周辺の中華街には安宿が軒を連ね、楽宮旅社やジュライホテルといった、日本人のたまり場ホテルもありました。フワランポーン駅からはタイ各地へ移動することができ、バックパッカーにとっては、重要な旅の拠点でした。

1916年に現在地に開業した歴史ある駅です。頭端式の長いプラットフォームにはロマンが漂い、客車列車が発着する姿には旅心を揺さぶられたものです。

バンコク市内に軌道系交通機関が整備されるにつれ、フワランポーン駅の存在感は昔に比べれば低下していきました。それでも、タイ各地への出発地という位置づけに変わりはありませんでした。

しかし、その歴史にも終止符が打たれ、今後、フワランポーン駅の機能はバンスー中央駅に移ることになります。壮麗な駅舎が鉄道博物館として残ることは、せめてもの救いでしょうか。(鎌倉淳)

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