「フルムーン夫婦グリーンパス」が例年通り発売へ。いまこそ優雅な旅はいかが?

44歳の夫婦なら利用可

2020-2021年シーズンの「フルムーン夫婦グリーンパス」が例年通り9月1日に発売開始されます。新型コロナ感染症が広まっていますが、グリーン車ならゆったり旅ができるかも。夫婦合わせて88歳以上が対象なので、同い歳の夫婦なら44歳から利用可です。

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夫婦あわせて88歳以上

JRの「フルムーン夫婦グリーンパス」は、JR全線のグリーン車が乗り放題というフリーきっぷです。購入できるのは、年齢があわせて88歳以上の夫婦。2人1組で利用することが条件です。「夫婦」に明確な定義はありません。

利用できない列車、設備も一部あります。東海道・山陽・九州新幹線「のぞみ」「みずほ」は利用できませんし(自由席も利用不可)、グランクラス、プレミアムグリーン、36 ぷらす3グリーン車、DXグリーン、特急グリーン個室、A寝台個室、B寝台個室に乗る場合は別途料金券が必要です。

それ以外のJR全線が、新幹線や特急も含めて、グリーン車で期間中乗り降り自由です。もちろん普通車にも乗れますし、BRT、JR西日本宮島フェリーも利用可能です。

かつては開放型B寝台も利用できましたが、現在は、開放型B寝台を連結する列車が消滅してしまったので、寝台列車は利用できません。「サンライズ出雲・瀬戸」は個室寝台のみですので、「フルムーン」の乗り放題の対象外で、利用には別途、特急券と寝台券が必要になります。

踊り子グリーン

2020-2021年フルムーンパスの概要

2020-2021年シーズンのフルムーン夫婦グリーンパスの概要は以下の通りです。

◆発売期間
2020年9月1日~2021年5月31日

◆利用期間
2020年10月1日~2021年6月30日
※ただし、2020年12月28日~2021年1月6日、3月21日~4月5日、4月27日~5月6日の期間は、有効期間内であっても利用不可。

◆利用資格
「フルムーン夫婦グリーンパス」を利用できるのは、夫婦2人が同一の旅程でかつ年齢の合算が88歳を超える場合。なお、夫婦どちらかの年齢が70歳を超える場合は「シルバー用」が割引価格で購入できます。

◆価格
「フルムーン夫婦グリーンパス」の価格は以下の通りです。( )内はシルバー用の価格です。
5日間用 84,330円(79,330円)
7日間用 104,650円(99,650円)
12日間用 130,320円(125,320円)

◆発売箇所
全国のJRの主な駅と主な旅行会社の支店・営業所。

「フルムーン夫婦グリーンパス」の購入時に証明書などの提示は不要です。ただし、列車乗車時は、年齢を証明できる公的証明書(健康保険証等)を所持する必要があります。また、「シルバー用」については、購入時にも、前記の書類の提示が必要です。

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利用のハードルは高いけれど

「フルムーン夫婦グリーンパス」は、「青春18きっぷ」と並ぶ、国鉄時代から続く企画きっぷです。「青春18きっぷ」は、いまも人気の高いきっぷで老若男女に愛されていますが、それに比べると「フルムーン」は話題に上ることが少ないです。販売枚数も青春18きっぷの数%にすぎません。

その理由は、「2人利用限定、相手は配偶者」のみ、という基本設定のハードルの高さにあるのでしょう。JRは「夫婦」の定義を明確にしておらず、購入時に夫婦の証明も求めていませんが、一人で自由きままな旅ができる青春18きっぷに比べると、「二人旅」というだけで気軽には利用できません。

北海道・九州往復で

とはいえ、5日間84,330円は破格。1人あたり42,165円ですから、東京~博多を「のぞみ」普通車で往復する(往復割引で43,960円)よりも安いのです。東京~新函館北斗を「はやぶさ」普通車で往復する(同44,440円)よりも安いです。

単純に、東京から九州や北海道まで2人で列車で往復すれば、「元を取る」なんて細かいことを考えなくても、普通車よりも安く行けるきっぷなのです。

夫婦あわせて88歳という年齢制限もハードルですが、日本人の平均年齢が47歳ですので、人口の半分程度はクリアしています。「フルムーンなんてまだ先」と考えていても、実は対象年齢になっているかもしれません。

新型コロナウイルス感染症が収束しないなか、鉄道旅行者も少なくなっているようです。ただ、グリーン車は比較的ゆったりしているので、安心感はあるでしょう。コロナの状況を見ながら、旅の計画を立ててみるのもよさそうです。

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