富士登山、通行料2000円はキャンセル不可。悪天候でも払い戻さず?

山小屋予約をして登ろう

富士山の吉田口からの登山に、通行料2,000円がかかるようになります。事前予約の場合、キャンセルは不可で、悪天候時の払い戻しについても記されていません。

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1日4,000人に制限

富士山吉田口は、2024年夏から5合目以上の通行に対し、1人2,000円の通行料を徴収します。対象期間は7月1日~9月10日です。

また、5合目の登山口にゲートを設け、山小屋の予約者を除き、16時から翌朝3時までと、1日に4,000人を超えた場合に入山を規制します。

山小屋の予約をしない登山者を対象に、登山予約をウェブ上で受け付けます。前日までに最大3,000人の予約枠を設定し、当日枠として1,000人を残します。予約枠が余った場合は、当日枠に回されます。

富士山吉田口

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山小屋予約があれば、通行予約は不要

通行予約は任意です。山小屋の宿泊予約があれば、通行予約がなくても登山は可能です。山小屋の宿泊予約をせずに登山をする場合、4,000人の枠を超えると、5合目から山頂方向への通行ができなくなる、という仕組みです。

16時から翌3時までは、山小屋予約がなければ一切通行できません。通行する場合は、山小屋予約時の予約完了メールなどを提示する必要があります。

山梨県は2024年5月13日に通行予約システムの導入を発表。5月20日よりインターネットでの受付を開始します。電話など、ネット以外の予約はできません。

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キャンセル不可、返金なし

注意点として、予約システムで予約をする場合、事前決済が必要です。しかし、1度予約をしてしまうと、自己都合によるキャンセルはできません。つまり返金もされません。返金されるのは、県の都合により通行できなかった場合のみです。

したがって、たとえば、悪天候が予想された場合にも、キャンセルはできません。

さすがに、台風などの場合は「県の都合」になると期待したいですが、明確にアナウンスされているわけではありません。現状の説明だと、台風であってもキャンセル不可・返金なし、と受けとめたほうがいいでしょう。

ましてや、「ちょっと天気が悪そうだな」と思ったくらいではキャンセルも登山日変更も不可で、2,000円は返ってきません。

天候が良い日を選んで登ろう、という登山客には予約しづらいシステムになっているわけです。

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ツアーですら返金するのに

旅行会社のツアーですら前日キャンセルで40%が返金されます。富士山の山小屋でも、前日キャンセルならおおむね20%が返金されます。にもかかわらず、県の予約システムでキャンセル不可、返金せず、というのは、ちょっとした驚きです。

ただ、近年の富士山は山小屋が混雑しており、週末でなくても、山小屋の予約をしないで登ると路頭に迷う可能性があります。山小屋の予約をすれば、通行料を事前に払う必要もなく、通行料のキャンセルは問題になりません(もちろん、山小屋を予約してキャンセルすれば、そのキャンセル料は生じます)。

現実の富士山では、山小屋が満室で予約できないので、無予約で登る人が増えて、混乱が起きている面もあります。したがって、登山に予約制を取り入れる県の姿勢そのものは理解できます。

なんであれ、富士山の吉田口を登るなら、きちんと山小屋の予約を済ませておき、予約ができなければ登らないことをおすすめします。そして、最近は夏休み前に満室になる宿も多いので、予約はお早めに。(鎌倉淳)

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