安比高原スキー場、ザイラーゴンドラが全日運休に。「パウダーエリア」は拡大

運営方針が変わってきた

安比高原スキー場(岩手県)のザイラーゴンドラが、2018-2019年シーズンは全日運休となります。ザイラーゲレンデのスキーセンターも営業を休止。一方、ツリーランエリアは、拡大します。

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日本屈指の長距離ゴンドラ

安比高原スキー場は、総面積282ヘクタール、総距離43kmのコースを擁する巨大スノーリゾートです。この広大なゲレンデを、安比ゴンドラ(2,820m)とザイラーゴンドラ(3,494m)の2基を軸にカバーしていました。

安比高原スキー場ゲレンデマップ
画像:安比高原スキー場ウェブサイト

しかし、2017-2018年シーズンから、ザイラーゴンドラが土日祝のみ運行(平日運休)に変更。先行きが心配されていましたが、12月1日にオープンする2018-2019年シーズンは、ザイラーゴンドラがシーズンを通じて全日運休すると告知されました。

ザイラーゴンドラは1991年に設置され、当時の国内の8人乗りゴンドラとしては最長でした。3,494mという長さは、現在でも日本屈指の長距離ゴンドラです。しかし、設置後27年を経ていることもあり、今後、再開の見通しがあるのか、このまま廃止になるのか、気になるところです。

安比高原ザイラーゴンドラ

ザイラー下部は閉鎖

ザイラーゲレンデでは、ザイラー第1リフトも今シーズンの運行リフトに含まれておらず、ベースとなるザイラースキーセンターの営業も行われません。

このため、ザイラーゲレンデ下部のコースはシーズンを通じて閉鎖されるようで、コースマップから省かれています。ザイラークワッドは運行継続されるので、ザイラー上部はこれまで通り滑走可能です。

ザイラーロングコースの滑走距離は、以前は「4,000m」と表記されていましたが、今シーズンは「3,000m」になっています。

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安比ゴンドラはこれまで通り

セントラルゲレンデの安比ゴンドラは、これまで通り毎日運行します。セントラル第4・第6リフトは土休日のみの運行となります。ザイラー連絡リフトも常時運行されません。

2018-2019年シーズンの安比高原は、常時運行8基、土休日運行2基の計10基のゴンドラ・リフトとなります。2006年の資料を見ると、安比高原には18基のゴンドラ・リフトがありましたので、当時と比べれば隔世の感を覚えずにはいられません。

実際問題として、安比高原のリゾートホテルに泊まった場合、安比ゴンドラを中心に滑るでしょうし、ザイラークワッドも機動力がありますので、ザイラーゴンドラがなくても大きな不便はなさそうですが。

2018-2019年シーズンに営業する安比高原スキー場のリフトは下図の通りです。

安比高原リフト図
安比高原の2019年営業予定リフト・ゴンドラ。画像:安比高原スキー場ウェブサイト

「西森アタック」開放

安比高原スキー場の新しい話題としては、ツリーランゾーンが大幅に拡大されます。西森ゲレンデとザイラーゲレンデ周辺に3つのツリーランゾーンを新設。トータル約60ヘクタールに拡大します。

特に、西森ゲレンデの「西森アタック」の開放は魅力的で、大きなトピックと言えそうです。

安比高原スキー場ツリーランエリア
画像:安比高原スキー場ウェブサイト

ツリーランゾーンでは、エントリーを済ませたうえで、指定されたゲートから入場します。上級者限定で、林の中を滑ってパウダーを味わいます。

また、セカンドゲレンデの一部を非圧雪とし、パウダーと圧雪バーンの両方を楽しめるコースとします。

ナイター営業は、これまでセントラル第3クワッドまで営業していましたが、今シーズンはセントラルクワッドのみに縮小となります。

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運営者の交代映す

安比高原スキー場は、よく圧雪整備された広大なゲレンデという印象があったのですが、最近の傾向としては、全体的に非圧雪コースを増やし、パウダースノーを楽しめるスキー場に変化しつつあるようです。パウダーを求める訪日外国人スキーヤー、スノーボーダーに対応するためでしょうか。

安比高原スキー場はかつてはリクルート系列、2003年以降は加森観光系列でしたが、2016年にアジアゲートホールディングスがスキー場運営会社の持ち株を取得しました。

訪日客の増加に加え、運営者が変わったことで、スキー場の運営方針も大きく変わってきたようです。(鎌倉淳)

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