東京湾アクアラインで休日の通行料金を通常の2倍にするなどした社会実験の効果が明らかになりました。混雑時間帯の交通量は実験開始前と比べて2~3%減少。渋滞も緩和しましたが、依然として交通が集中しており、千葉県などは料金体系のさらなる見直しを検討します。
休日料金を最大2倍に
千葉県が設置している東京湾アクアラインの交通円滑化対策検討会が2026年10月2日に開かれ、2025年4月から実施しているETC時間帯別料金の社会実験について、1年間の効果が報告されました。
東京湾アクアラインでは、休日の交通集中を緩和するため、2023年7月から時間帯別料金の社会実験を実施しています。2025年4月には料金体系を見直し、混雑する時間帯の料金をさらに引き上げるとともに、対象を上下線に拡大しました。

時間帯別料金
現在の料金は、普通車の場合、上り線(木更津→川崎)の13~19時が1,600円です。通常のETC割引料金800円の2倍で、従来の社会実験の1,200円から400円引き上げました。一方、0~4時と20~24時は400円に引き下げています。
下り線(川崎→木更津)も、混雑する5~7時を通常の800円から1,000円に引き上げ、0~4時は400円に引き下げました。いずれも土休日が対象で、料金に差をつけることで通行時間帯の分散を促す仕組みです。

交通量は2~3%減
今回の分析によると、上り線の料金引き上げ時間帯(13~19時)の交通量は、2023年7月の社会実験開始前と比べて、土曜日が2%、日曜日が3%減少しました。2025年3月までの旧料金体系と比較しても同様の傾向です。
一方、料金を400円に引き下げた深夜・夜間の交通量は増加しました。上り線の1日当たりの交通量は社会実験開始前から約3%増えており、全体の利用が増えるなかで、混雑時間帯の交通量を減らす効果があったことになります。
通過のための所要時間時間も短縮しています。木更津JCTから川崎浮島JCTまでの通常所要時間は17分ですが、日曜日の最大通過所要時間は、社会実験開始前の62分から、旧料金体系で57分、現在の料金体系では51分になりました。
ただし、交通量の減少が大きかったのは、料金が切り替わる13時台と19時台でした。14~15時台の交通量はあまり変わっておらず、時間帯によって効果に差が出ています。

下り線は効果限定
一方、2025年4月から時間帯別料金を導入した下り線では、効果が限定的でした。
料金を1,000円に引き上げた5~7時の交通量は、導入前と比べて土曜日が2%増、日曜日が4%減となりました。土曜日の交通量が増えたことで、最大通過時間は導入前の23分から24分に増えていて、効果はほとんどありませんでした。
一方、深夜の料金引き下げ時間帯では交通量が増加しました。

ゴルフの時間は変えられない
下り線の利用者について、携帯電話の位置情報を用いて分析したところ、料金引き上げ時間帯の利用者の約5割が、通行後にゴルフ場に滞在していると推定されました。特に6時台に利用者が集中しています。
ゴルフの場合、プレーの開始時刻が決まっているため、料金が高くなっても通行時間帯を変更しにくいと考えられます。こうした利用目的の違いも、料金変更の効果に影響している可能性があります。

料金体系を再検討
検討会では、時間帯別料金によって一定の渋滞緩和効果が確認されたものの、上り線では13~19時、下り線では5~7時に依然として交通が集中していることが指摘されました。
上り線では、料金が切り替わる13時台と19時台に、前後の安い時間帯を選ぶ動きがあり、多少の分散効果がみられました。一方、14時台と15時台には効果がほとんどみられませんでした。
また、2026年6月のアンケート調査では、現在の社会実験の具体的な内容まで知っている利用者は約35%にとどまりました。料金差によって通行時間帯を変更してもらうには、制度の周知も課題となっています。
こうした結果を踏まえ、検討会は、地域経済への影響を考慮しながら、より効果的な料金体系の検討を続ける方針を確認しました。
東京湾アクアラインでは、2027年3月末まで現在の料金体系で社会実験を継続する予定です。次の料金改定の具体的な内容や実施時期は、まだ決まっていません。(鎌倉淳)






















