航空会社の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が7月以降にまた値上がりします。JALの欧米往復は13万円となり、史上最高値を更新します。ただ、直近の燃油価格はピークアウトしており、燃油サーチャージにも値下がりの兆しがあります。
7-8月分を発表
国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)について、JALは、2026年7~8月発券分で基準金額を引き上げることを発表しました。
燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。
JALによりますと、基準となるシンガポールケロシンは、2026年4月から5月の市況価格の平均が1バレルあたり178.21米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル158.85円でした。これを乗じた1バレルあたりの基準金額は28,308円となりました。
6月までの発券分を算出した2月から3月の水準は、市況価格146.99米ドル、為替156.99円で、基準金額は23,076円でしたので、市況価格は21%値上がりし、為替は1%ほど値上がりしています。

15~20%の値上げ
結果として、燃油相場の基準金額が23,000円台から28,000円台に跳ね上がりました。そのため、JALでは2026年7月1日発券分からの燃油サーチャージ価格を値上げします。
7-8月発券分のひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが65,000円、ハワイ・インドなどが40,400円、タイ・シンガポールなどが35,000円となります。
これは片道の金額なので、往復の場合、北米・欧州・オセアニアなどは130,000円、ハワイ・インドなどは80,800円、タイ・シンガポールなどは70,000円です。方面によって多少異なりますが、6月までの発券分に比べて、おおむね15~20%程度の値上げとなります。
燃油サーチャージの推移
過去1年の燃油サーチャージの推移は下表の通りです。(配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| 路線 | 25年 8-9月 |
25年 10-11月 |
25-26年 12-1月 |
26年 2-3月 |
26年 4月 |
26年 5-6月 |
26年 7-8月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北米・欧州・中東・オセアニア | 21,000 | 25,000 | 25,000 | 29,000 | 29,000 | 56,000 | 65,000 |
| ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ | 13,500 | 16,000 | 16,000 | 18,500 | 17,800 | 34,700 | 40,400 |
| タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイなど | 10,500 | 13,000 | 13,000 | 15,500 | 15,500 | 29,600 | 35,000 |
| グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴルなど | 6,500 | 8,200 | 8,200 | 9,500 | 9,500 | 19,500 | 22,500 |
| 東アジア(韓国、モンゴルを除く) | 5,000 | 6,200 | 6,200 | 7,400 | 7,400 | 14,200 | 16,900 |
| 韓国、極東ロシア、沖縄・台湾線 | 2,000 | 2,500 | 2500 | 3,000 | 3,000 | 6,500 | 7,400 |
※片道あたり、発券日基準。
適用条件表の「ゾーンT」に
燃油サーチャージの適用条件は、これまで基準価格23,000円台(ゾーンR)までしか設定されていませんでしたが、新たに29,000円台(ゾーンW)までを設定します。6月までは「ゾーンQ」の金額が適用されていましたが、7月からは「ゾーンT」となります。
最新の北米・欧米向け適用条件表は以下の通りです。(配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| ゾーン | 基準価格 | サーチャージ額 |
|---|---|---|
| A | 6,000円~7,000円 | 4,500円 |
| B | 7,000円~8,000円 | 8,900円 |
| C | 8,000円~9,000円 | 13,400円 |
| D | 9,000円~10,000円 | 16,000円 |
| E | 10,000円~11,000円 | 18,500円 |
| F | 11,000円~12,000円 | 21,000円 |
| G | 12,000円~13,000円 | 25,000円 |
| H | 13,000円~14,000円 | 29,000円 |
| I | 14,000円~15,000円 | 33,000円 |
| J | 15,000円~16,000円 | 35,000円 |
| K | 16,000円~17,000円 | 38,000円 |
| L | 17,000円~18,000円 | 41,000円 |
| M | 18,000円~19,000円 | 44,000円 |
| N | 19,000円~20,000円 | 47,000円 |
| O | 20,000円~21,000円 | 50,000円 |
| P | 21,000円~22,000円 | 53,000円 |
| Q | 22,000円~23,000円 | 56,000円 |
| R | 23,000円~24,000円 | 59,000円 |
| S | 24,000円~25,000円 | 62,000円 |
| T | 25,000円~26,000円 | 65,000円 |
| U | 26,000円~27,000円 | 68,000円 |
| V | 27,000円~28,000円 | 71,000円 |
| W | 28,000円~29,000円 | 74,000円 |
今回、計算上の基準金額が28,000円台なので、本来なら「ゾーンW」が適用されます。しかし、政府による緊急的激変緩和措置の補助があり、基準金額を25,000円台とみなし、「ゾーンT」を適用します。
今後の見通しは?
アメリカとイランの休戦を受けて、燃油価格はピークアウトしています。基準となるシンガポールケロシンの、直近5週間の市況価格は以下の通りです。
~6/5 146.25ドル
~5/29 141.64ドル
~5/22 159.85ドル
~5/15 162.55ドル
~5/8 162.89ドル
5週間の平均は155ドル程度で、今回の市況価格平均の178.21ドルより、13%程度、値下がりしています。いっぽう、直近の為替は、1ドル160円台になっています。
このままの状況で推移すれば、次回の9-10月発券分の基準価格は24,000円台になります。その場合、適用条件表の「ゾーンS」に該当し、7月以降の「ゾーンT」より1段階下がります。政府の激変緩和措置でさらに3段階下がるならば、「ゾーンP」となり、現在の「ゾーンQ」より一段階下がります。その場合、欧米片道は53,000円になるでしょう。往復なら10.6万円です。
イラン情勢の先行きは見通せません。アメリカ・イスラエルとイランの戦争が終わったとしても、燃油価格が落ち着くには時間がかかりそうです。
ただ、燃油価格はピークアウトの様相も呈していて、9月以降のサーチャージが、7-8月より高くなる可能性は小さそうで、6月までと同水準にとどまりそうです。すなわち、旅行の予定が先ならば、海外航空券を買い急ぐ必要はなさそうです。(鎌倉淳)























