ホーム 鉄道 私鉄

広島電鉄が「路面電車改造計画」。電停統合、平和大通りの新線構想も

中期経営計画で掲げる

広島電鉄が、路面電車の「改造計画」を明らかにしました。広島市中心部の電停統合のほか、平和大通りの新線構想などを検討し、定時性、速達性、利便性の向上を目指します。2026年度から始まる中期経営計画に盛り込みました。

広告

新経営計画を公表

広島電鉄は、2026年5月14日に、新たな経営計画として『広電グループ経営総合3ヵ年計画2028』を公表しました。新経営計画では、電車事業を「まちの骨格を支えるモビリティ」と位置づけ「価値の最大化」を目指すと宣言しました。

その実現のため、筆頭に掲げたのが、路面電車の「電停の統廃合」です。「電停の集約や見直しを通じて、安全性・速達性の向上、バリアフリー化の推進、利用者の時間価値の向上を図る」としています。

広島電鉄

広告

速達性向上をめざす

広電の市内線は、戦後復興期に形成された路線網をベースとしており、中心市街地では100~200メートル程度の間隔で電停が設置されている区間もあります。停車ごとに乗降に時間がかかるため、速達性を低下させる大きな要因になっていました。

電停を統合すれば停車回数が減り、所要時間が短縮するので、表定速度の向上が見込めます。

広電では2025年8月、JR広島駅ビル2階へ直接乗り入れる「駅前大橋ルート」を開業しました。これにより、広島駅から市中心部への速達性が向上しています。電停を整理することで、さらなる速達性向上をめざすということです。

広告

対象となる電停は?

整理対象となる電停は明示されていませんが、銀山町から紙屋町周辺にかけてなど、短い間隔で電停が連続する区間が念頭にあるとみられます。

また、電停統合の目的に「安全性」「バリアフリー化」も掲げていることから、道路幅の制約から安全地帯の整備やバリアフリー化が難しい、小網町から観音町にかけての電停も対象に含まれそうです。

広島電鉄路面電車地図
画像:広島電鉄
広告

平和大通りルートも盛り込む

このほか、中期計画では「平和大通りルートの実現」も盛り込みました。袋町付近の白神社前から、平和大通りを西進し、西観音町を経て広電西広島方面に至る新路線です。

広電平和大通りルート
画像:GoogleMap

紙屋町~西広島間で、道路の狭小区間を回避し、交差点での右左折を減少できるルートです。実現すれば、市中心部から西広島・宮島線方面の所要時間を数分短縮できます。

「平和大通りルート」は、広島市内の路面電車の機能向上策として、駅前大橋ルートなどとともに、古くから検討されてきたものです。駅前大橋ルートが開業したことを受けて、次に整備する路線として、広電として本腰を入れることを明らかにした形です。

広告

電車優先信号の拡充も

このほか、新経営計画では、電車優先信号の拡充も打ち出しました。これも速達性向上策の一環で、「道路環境の改善による利便性向上を推進し、定時性・速達性を実現する」としています。

新経営計画は、いわば、広島電鉄の新たな「路面電車改造計画」です。駅前大橋線開業で大きく姿を変えた広島の路面電車ですが、今後も変化が続きそうです。(鎌倉淳)

広告