航空会社の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が4月以降も同水準で据え置きとなります。JALが4月分と5月分の価格を明らかにしました。ハワイ方面では値下げします。ただし、イランを巡る軍事紛争が長引けば、燃油価格に影響し、6月以降に値上げの可能性もありそうです。
4-5月分を発表
国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)について、JALは2026年4~5月発券分で基準金額を据え置くことを発表しました。
燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。
JALによりますと、4-5月発券分の基準となるシンガポールケロシンは、2025年12月から2026年1月の市況価格が84.26米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル156.27円でした。これを乗じた1バレルあたりの基準金額は13,166円となりました。

ハワイ方面は値下げ
2-3月発券分は市況価格89.86米ドル、為替153.01円で、基準金額は13,750円でした。この2ヵ月で燃油相場は6%値下がりし、為替は約2%円安に振れ、その積である基準金額は4%程度の値下がりとなりました。
しかし、基準金額が13,000円台であることに変わりはありませんでした。そのため、JALでは2026年4月1日発券分からの燃油サーチャージ価格を、これまでと同じ水準に据え置きます。
ただし、4月以降に、ハワイ・インドなどについては、基準金額そのものを値下げします。そのため、4-5月発券分のひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが29,000円、ハワイ・インドなどが17,800円、タイ・シンガポールなどが15,500円となります。
これは片道の金額なので、往復の場合、北米・欧州・オセアニアなどは58,000円、ハワイ・インドなどは35,600円、タイ・シンガポールなどは31,000円です。
円安の影響で
最近の燃油サーチャージは2025年8-9月分を底として、値上がりの傾向です。燃油価格の値動きは緩やかですが、10月の高市早苗政権発足以来、円安傾向が続いていて、サーチャージもそれを反映ししています。
過去1年の燃油サーチャージの変化は下表の通りです。(配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| 路線 | 25年 4-5月 |
25年 6-7月 |
25年 8-9月 |
25年 10-11月 |
25-26年 12-1月 |
26年 2-3月 |
26年 4-5月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北米・欧州・中東・オセアニア | 33,000 | 29,000 | 21,000 | 25,000 | 25,000 | 29,000 | 29,000 |
| ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ | 21,000 | 18,500 | 13,500 | 16,000 | 16,000 | 18,500 | 17,800 |
| タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイなど | 18,000 | 15,500 | 10,500 | 13,000 | 13,000 | 15,500 | 15,500 |
| グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴルなど | 11,000 | 9,500 | 6,500 | 8,200 | 8,200 | 9,500 | 9,500 |
| 東アジア(韓国、モンゴルを除く) | 8,500 | 7,400 | 5,000 | 6,200 | 6,200 | 7,400 | 7,400 |
| 韓国、極東ロシア、沖縄・台湾線 | 3,500 | 3,000 | 2,000 | 2,500 | 2500 | 3,000 | 3,000 |
※片道あたり、発券日基準。
適用条件「ゾーンH」に
今回の燃油サーチャージ額は、JALが公表している適用価格表の「ゾーンH」に該当します。
| ゾーン | 基準価格 | サーチャージ額 |
|---|---|---|
| A | 6,000円~7,000円 | 4,500円 |
| B | 7,000円~8,000円 | 8,900円 |
| C | 8,000円~9,000円 | 13,400円 |
| D | 9,000円~10,000円 | 16,000円 |
| E | 10,000円~11,000円 | 18,500円 |
| F | 11,000円~12,000円 | 21,000円 |
| G | 12,000円~13,000円 | 25,000円 |
| H | 13,000円~14,000円 | 29,000円 |
| I | 14,000円~15,000円 | 33,000円 |
| J | 15,000円~16,000円 | 35,000円 |
| K | 16,000円~17,000円 | 38,000円 |
| L | 17,000円~18,000円 | 41,000円 |
| M | 18,000円~19,000円 | 44,000円 |
| N | 19,000円~20,000円 | 47,000円 |
| O | 20,000円~21,000円 | 50,000円 |
今後の見通しは?
アメリカ、イスラエルによるイラン攻撃を受けて、燃油価格の高騰が予想されます。攻撃直前でも、基準となるシンガポールケロシンの市況価格は96ドル程度で、今回の市況価格平均の84.26ドルより、14%程度も値上がりしていました。
為替相場は、総選挙後に円高に振れましたが、ふたたび円安傾向に転じ、1ドル155円台後半の値動きになっています。今回の為替平均156.26円と、大きくは違いありません。
このままの状況で推移すれば、燃油価格の上昇の影響で、燃油サーチャージは値上がりしそうです。次回(6-7月発券分)の燃油サーチャージの基準価格は、今回より1ランク上の14,000円台になりそうです。
ただ、イラン情勢の先行きは、現段階でははっきりしません。アメリカ・イスラエルとイランの戦闘が激しくなれば、燃油価格が一段と急騰する可能性もあります。その場合は、燃油サーチャージの基準価格が15,000円以上になり、2段階以上上がる可能性もあるでしょう。(鎌倉淳)





















