JRの列車と駅レンタカーをセットにした「レール&レンタカーきっぷ」の発売が終了します。国鉄時代からの割引きっぷが、またひとつ姿を消します。
2026年2月で終了
JRグループは、列車とレンタカーをセットで販売する「レール&レンタカーきっぷ」について、2026年2月28日をもって発売終了すると発表しました。
「レール&レンタカーきっぷ」は、JR各社の乗車券・特急券などと、JR駅レンタカーのレンタカー券を組み合わせた割引きっぷです。「片道」「往復」「連続」乗車券の営業キロが201km以上利用などの条件を満たした場合、運賃が20%、料金が10%割引となります。

駅窓口削減で買いづらく
「レール&レンタカーきっぷ」は、運賃だけでなく、新幹線などの特急料金も割引になるのが特徴です。乗車券の経路も任意に設定できるため、自由度も高くなっています。さらに、ピーク時を除く通年で販売していることから、条件があえば利用価値の高いきっぷとして知られてきました。
ただ、購入には手間がかかり、インターネットで駅レンタカーを予約した後、駅窓口で割引きっぷを購入するという手順が必要でした。ネットや券売機で完結しない仕組みになっていたわけです。
それでも、駅窓口が豊富にある時代は、購入にそれほど不便はありませんでした。しかし、近年は、JR各社で駅窓口削減が進み、「話せる券売機」などでは取り扱っていないことから、徐々に買いにくくなっていました。
売る気がなく
JRグループでは、「レール&レンタカーきっぷ」の廃止の理由として「お客さまのご利用状況」を挙げています。
ただ、JR各社は、窓口削減を進めるいっぽう、「レール&レンタカーきっぷ」については、ネットで購入が完結するしくみを構築しませんでした。
JR各社でインターネット予約サイトが分かれていることもあり、共通のシステムを作ることも難しそうですし、手を掛けて、販売継続をする気がなかったのでしょう。
有り体いえば、JRとして、売る気がなくなっていた、という側面のほうが強そうです。「利用状況」云々は、売る気がない商品は売れない、というだけの話に思えます。
40年近い年月
駅レンタカーでは、レンタカーの基本料金が10%割引となる「駅レンプラン」を公式サイトで販売しています。また、JR各社のウェブサイトで、独自のレンタカー割引も設定しています。今後は、こうした形のネット割引に絞っていく、ということでしょう。
「レール&レンタカーきっぷ」は、「レール&ドライブ」という商品から発展して、国鉄時代末期に誕生した商品です。全国共通の「紙の割引きっぷ」の数少ない生き残りでした。
それが消えるのは残念ですが、1987年の国鉄民営化から40年近い年月を考えれば、姿を消すのもやむを得ないということでしょうか。(鎌倉淳)
























