東海道・山陽新幹線「のぞみ」の指定席料金と自由席料金の差額はいくらでしょうか。年末年始に全車指定席化されるのを機に、意外と大きな価格差について、わかりやすく解説しましょう。
座席指定の「基本料金」は530円
新幹線・特急などJR列車の自由席と指定席の差額は530円が基本です。したがって、新幹線の「座席指定料金」の基本料金は530円ということになります。
ただ、連休などの繁忙期は200円増しの730円になり、年末年始などの最繁忙期は400円増しの930円となります。一方、閑散期には200円引きの330円になります。
つまり、指定席の価格は変動制です。一方、自由席は通年同額です。したがって、指定席と自由席の差額も、シーズンにより異なります。
「のぞみ」には加算料金
ややこしいことに、「のぞみ」の場合は、指定席に限り、さらに加算料金が設定されています。上記の「530円」の座席指定基本料金とシーズン加算(または減算)に加え、「のぞみ加算料金」があるのです。
この加算料金は、東京~名古屋で210円、東京~新大阪で320円、東京~博多で1060円などとなっています。加算料金は自由席にはかかりませんので、「のぞみ」の指定席と自由席の差額は、さらに広がります。
「のぞみ号」主要区間における、自由席と指定席の価格差は以下の通りです。
区間 | 自由席 | 指定席 通常期 |
価格差 通常期 |
価格差 最繁忙期 |
---|---|---|---|---|
東京~名古屋 | 10,560円 | 11,300円 | 740円 | 1,140円 |
東京~京都 | 13,320円 | 14,170円 | 850円 | 1,250円 |
東京~新大阪 | 13,870円 | 14,720円 | 850円 | 1,250円 |
東京~新神戸 | 14,420円 | 15,490円 | 1,070円 | 1,470円 |
東京~岡山 | 16,600円 | 17,770円 | 1,170円 | 1,570円 |
東京~広島 | 18,380円 | 19,760円 | 1,380円 | 1,780円 |
東京~新山口 | 20,470円 | 22,060円 | 1,590円 | 1,990円 |
東京~小倉 | 21,560円 | 23,150円 | 1,590円 | 1,990円 |
東京~博多 | 22,220円 | 23,810円 | 1,590円 | 1,990円 |
新大阪~岡山 | 5,610円 | 6,460円 | 850円 | 1,250円 |
新大阪~広島 | 9,890円 | 10,950円 | 1,060円 | 1,460円 |
新大阪~新山口 | 12,320円 | 13,590円 | 1,270円 | 1,670円 |
新大阪~小倉 | 13,870円 | 15,140円 | 1,270円 | 1,670円 |
新大阪~博多 | 14,750円 | 16,020円 | 1,270円 | 1,670円 |
最大1,990円
利用者の多い東京~京都・新大阪間を例に取ると、通常期の自由席と指定席の価格差は850円です。
閑散期の場合は、通常期から200円引き、繁忙期は200円増し、最繁忙期は400円増しとなります。したがって、年末年始のような最繁忙期の「のぞみ号」では、東京~京都・新大阪間で1,250円も座席指定料金がかかることになります。
「のぞみ号」の加算料金は山陽新幹線区間で大きく、通常期の新大阪~小倉・博多の価格差は1,270円です。東京~小倉・博多となると、指定席と自由席の価格差は、通常期で1,580円、最繁忙期で1,990円にも達します。
一家四人なら座席指定だけで7,000円
東海道新幹線では、2023年12月28日~2024年1月4日の年末年始に「のぞみ」を全車指定席で運行します。自由席は存在しませんから、「価格差」以前の話として、指定席でしか乗車できません。
したがって、年末年始に「のぞみ」で旅行する場合、自由席が連結されていた場合に比べ、東京~新大阪間で最大1,250円高くなる、というわけです。子ども(小学生)の場合は、半額(端数切り捨て)で620円高くなります。
大人2人、子ども2人の4人で旅行する場合、座席指定の価格が、東京~新大阪間で最大片道3,740円、往復7,480円かかる、というわけです。
年末年始のシーズン別特急料金
では、その「最繁忙期」が適用されるの期間はいつかというと、この年末年始では、12月29・30日、1月3・4日の4日間です。「のぞみ」が全車指定席で運行されるのは12月28日~1月4日ですので、全車指定席運行期間が、全て最繁忙期ではありません。
「のぞみ」が全車指定席となる、2023-2024年末年始期間のシーズン別特急料金は、以下の通りです。
12月28日 繁忙期
12月29~30日 最繁忙期
12月31日 繁忙期
1月1日 通常期
1月2日 繁忙期
1月3~4日 最繁忙期
「ひかり」「こだま」は加算なし、自由席あり
東海道・山陽新幹線の「ひかり」「さくら」「こだま」には加算料金はありませんので、区間にかかわらず、指定席と自由席の価格差は、通常期で530円、最繁忙期でも930円です。
「みずほ」には、指定席に「のぞみ」と同額の加算料金が設定されます。
また、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」以外の列車(みずほ、ひかり、さくら、こだま)には、年末年始でも自由席が連結されます。年末年始の旅行を節約したい方は、こうした列車の自由席を狙うのもいいでしょう。(鎌倉淳)