東急電鉄がクレジットカードやQRコードをタッチして改札を通過できるサービスを開始します。最初は田園都市線と世田谷線からです。
VisaやJCBで乗車できる
東急電鉄は、クレジットカードのタッチ決済を活用した乗車サービスの実証実験を、2023年8月30日に開始すると発表しました。対象路線は田園都市線と世田谷線で、VisaやMaster、JCB、AMEX、Diners、Discoverのブランドに対応します。
具体的には、田園都市線や世田谷線の1日乗車券を、「Q SKIP」というデジタルチケットサービスの販売サイトで事前に購入します。購入後、「利用開始」ボタンを選択し、「タッチ機能に対応したクレジットカード」または「QRコードを表示したスマートフォン」を自動改札機にかざして利用します。
クレジットカードの場合は下図のように通過します。
QRコードの場合は、下図のように通過します。
こうした手順で、紙のきっぷを発券することなく、クレジットカードやスマートフォン（QRコード）がチケットになるということです。
タッチ機能とQRコードに対応した改札機は、当面、各改札に1台整備します。
1日乗車券が対象
クレカのタッチやQRコードは1日乗車券のみで利用できます。取り扱う1日乗車券は以下の3種類です。
◆田園都市線・世田谷線 ワンデーパス
田園都市線と世田谷線が１日乗り放題の乗車券。680円。
◆田園都市線・世田谷線・東急バス ワンデーパス
田園都市線と世田谷線・東急バスが1日乗り放題の乗車券。1,000円。
◆世田谷線散策きっぷ
世田谷線が1日乗り放題の乗車券。380円。
これらのうち、世田谷線散策きっぷは、既存の紙のきっぷと同内容、同価格です。田園都市線が利用できる2種類のフリーきっぷは、今回の実証実験にあわせて設定されます。
渋谷～長津田のIC運賃が片道347円ですので、長津田～中央林間の各駅から渋谷を単純往復する場合、「田園都市線・世田谷線ワンデーパス」（680円）が安くなります。
東急全線に拡大へ
同様のタッチ決済・QRコード乗車サービスは全国の鉄道路線に広まり始めていますが、首都圏の大手私鉄では東急電鉄が初めてです。
東急では、田園都市線と世田谷線でスタートし、東急全線にサービスを拡大していく予定です。2023年度の冬以降には「東急ワンデーパス」をはじめとする企画乗車券の取扱いを開始し、2024年度には有料座席指定サービス「Q SEAT」の座席指定券も購入できるようになります。
いまのところ実証実験ですが、将来的には、PASMOを補完する使い勝手のサービスになるかもしれません。（鎌倉淳）
