「エクスプレス予約」グリーンプログラム廃止。サービスの魅力、さらに乏しく

年会費は据え置き

東海道・山陽・九州新幹線の「エクスプレス予約」で、「グリーンプログラム」が廃止されます。JR東海、JR西日本、JR九州各社のポイントサービスによる還元に移行します。

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10月1日新サービス開始

JR東海、JR西日本、JR九州の3社は、東海道・山陽・九州新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」について、新サービスを10月1日5時30分に開始すると発表しました。

目玉は、JR東海が「EXポイント」というポイントサービスを新設することです。「EXポイント」は、「エクスプレス予約」または「スマートEX」を利用して東海道新幹線をチケットレスで乗車した場合に、東海道新幹線の利用区間に応じてポイントが貯まる制度です。

東京~新大阪間を普通車指定席で利用した場合の付与ポイントは、「エクスプレス予約」が83ポイント、「スマートEX」が41ポイントです。

貯まった「EXポイント」は、「EX旅パック」や「EX旅先予約」といった、EXサービスで販売する旅行商品の購入時に、1ポイント1円で利用できます。

N700Sグリーン車

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東海ステーションポイントもスタート

10月からは、JR東海グループ共通ポイントサービス「TOKAI STATION POINT」もスタートします。「EXポイント」と相互にポイントの交換も可能となります。「TOKAI STATION POINT」は、JR東海の駅売店などで利用できます。

JR西日本では、10月1日より、「スマートEX」で山陽新幹線を指定席で利用した場合に、利用区間に応じて「WESTERポイント」が貯まるようになります。JR九州では、エクスプレス予約での九州新幹線の利用に応じて、「JRキューポ」でポイントが貯まるようになります。

これらの新サービスにより、「EXサービス」を利用した際、東海道新幹線の乗車分は「EXポイント」、山陽新幹線の乗車分は「WESTERポイント」、九州新幹線の乗車分は「JRキューポ」が付与されることになります。

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「グリーンプログラム」は廃止

一方、「エクスプレス予約」会員向けの「グリーンプログラム」サービスは、2023年12月31日乗車分を以て終了します。JR各社では、それぞれのポイントサービスへの還元方法が整ったことを廃止の理由としています。

ポイントを利用した「グリーン特典」の利用期限は2024年6月30日23時30分予約操作分までとなります。

新ポイントサービスとの比較

現在の「グリーンプログラム」は、東京~新大阪間を、エクスプレス予約で6往復(12回乗車)すれば、「のぞみ」号グリーン車を1回利用できる仕組みです。

新制度では、東京~新大阪間をエクスプレス予約で「のぞみ」指定席を利用した場合に貯まるEXポイントは83ポイントです。12回利用で貯まるEXポイントは996ポイントとなります。

前述したように、EXポイントは「1ポイント1円」の還元率で、「EX旅パック」などの旅行商品に利用できます。また「TOKAI STATION POINT」に移行すれば、駅売店での買い物にも利用できます。

要するに、現行制度では、12回の乗車で1回グリーン車に乗れたところ、新制度では、12回の乗車で1,000円程度の買い物を駅売店でできるだけになる、ということです。

TOKAI STATION POINT
画像:JR東海プレスリリース

 
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年会費に見合うサービスなのか

「エクスプレス予約」では、10月の新制度スタートに合わせて、新幹線チケットを値上げし、定価に対する割引率が縮小します。

東京~新大阪間では、これまで正規価格より1,100円安かったところ、新制度では490円安いだけになります。さらにグリーンプログラムの廃止も加わるわけで、サービスとしての魅力はかなり低下しそう。

「エクスプレス予約」は年会費が1,100円かかりますが、価格に関する新発表はなく、据え置くようです。となると、年会費に見合うサービスが受けられるのか、再検討する利用者も多そうです。(鎌倉淳)

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