JR西日本が、「サイコロきっぷ」第4弾として「岡山発サイコロきっぷ」を発売します。旅の行き先がサイコロの出目で決まるという企画です。前回、人気がありすぎたからか、今回の「サイコロきっぷ」は実質値上げとなりました。
第4弾は岡山発
「サイコロきっぷ」は、JR西日本のアプリ上でサイコロを振って、出た目によって行き先が決まるというきっぷ。2022年7月に第1弾が発売され、これまで大阪発2回と広島発1回の計3回が発売されました。
その第4弾の発売が決まりました。今回の出発地は岡山で、「岡山発サイコロきっぷ」という名称。2023年5月23日に発売開始となります。
着地(行き先)は小倉、奈良、敦賀、松山の4箇所です。目的地に初めてJR四国エリアが登場しました。出現確率は小倉、奈良が1/3ずつで、敦賀が2/9、松山が1/9です。
平日5,000円、週末8,000円
「岡山発サイコロきっぷ」の価格は月~木出発が5,000円、金~日出発が8,000円。いずれもエントリー料4,500円を含みます。エントリー料4,500円、月~木出発のきっぷが500円、金~日出発が3,500円という内訳です。
エントリーにはWESTERアプリが必要で、エントリーをすると、会員サポートページに「サイコロを振る」バナーが表示されます。バナーをタップすると、サイコロを振ったことになり、行き先が決定します。
エントリー料の払い戻しはできませんので、「サイコロの振り直し」はできず、自分の好まぬ行き先だったとしても受け入れるほかありません。
有効期間2日間
エントリー完了後、きっぷはすぐに購入できます。岡山から目的地への往復には新幹線・特急の指定席が利用できます。ただし、奈良、小倉へ在来線特急を使うことはできません。また、東海道新幹線は利用できません。
チケットレス特急券との併用は原則としてできません。特例として、新大阪~奈良間を運行する臨時特急「まほろば」号の指定席を利用できる「まほろばチケットレス特急券」のみ併用が可能です。
利用期間は5/24~7/13の連続する2日間。「サイコロきっぷ」はWESTERアプリでのみエントリー購入可能で、きっぷ購入後にe5489で列車の予約も済ませます。
きっぷの受け取り前なら列車の変更は28回まで可能です。きっぷの受け取り後の変更はできません。乗り遅れた場合には、指定券に表示された乗車日の当日に、運輸上支障がないと認められる場合に限って、利用できる対象列車の自由席に乗車できます。
有効期間は2日間です。2日間のうちに、岡山から上記の各駅まで往復しなければなりません。途中下車は一切できません。
「岡山発サイコロきっぷ」概要
「岡山発サイコロきっぷ」の概要は以下の通りです。
■「岡山発サイコロきっぷ」概要
○エントリー期間
2023年5月23日~6月30日
※一人1回のみエントリー可能
○発売期間
2023年5月23日~2023年7月12日
※利用開始日の1ヶ月前から当日まで発売
○利用期間
2023年5月24日~2023年7月13日
※7月12日利用開始分まで発売
○価格
月~木出発:5,000円
金~日出発:8,000円
※いずれもエントリー料4,500円を含む。エントリー料を支払ってサイコロを振ったあと、きっぷ(500円または3,500円)を購入するという手順。
割引率は?
各方面の割引率は以下の通りです。
小倉、敦賀の割引率が高く、平日で75~78%割引。奈良と松山はやや割引率が低く、週末は40%台にとどまります。
大幅値上げ
以上が、岡山発サイコロきっぷの概要です。「サイコロ」というネーミングが楽しさを演出しますが、要は4つの候補地が示されている「行き先不明のガチャ」きっぷです。
岡山発は初めての設定ですが、前回の「大阪発サイコロきっぷ」に比べて、週末がらみは3,000円の値上げとなったほか、利用期間が1日短縮されて2日間になっています。
各方面への割引率は、平日60~70%、週末50~60%です。前回はおおむね80%前後の割引率になっていたので、割引率も引き下げています。
値段を上げ、割引率を下げ、利用期間を短くしているわけで、かなりの「インフレ」といえます。
これだけの大幅値上げに踏み切った背景として、前回の「大阪発」の人気がきわめて高かったことが挙げられそうです。
前回は、期間中に指定席券が取りにくくなったこともあり、前倒ししてエントリーを終了しました。そうした反省を踏まえて、今回は販売数を抑制する目的もあり、大幅値上げに踏み切ったとみられます。
魅力は下がったが
ということで、とくに週末については、これまでの「サイコロきっぷ」に比べると魅力は減少しました。
それでも、平日5,000円、週末8,000円で、新幹線・特急を使った往復旅行ができるので、どこが行き先になってもお得なきっぷに違いありません。また、JR四国エリアが目的地に加わったことは、これまでにないポイントでしょう。
早めにエントリーすれば、行き先が決まってから出発まで十分な時間があります。工夫次第で充実した旅ができそうです。(鎌倉淳)