「サンキュー♥ちばフリーパス」の2022年版の発売が開始されました。今年は都区内発着の「フリー乗車券」も設定されています。
「パス」「乗車券」が同時発売
「サンキュー♥ちばフリーパス」は、千葉県内の主要交通機関が乗り放題になるフリーきっぷです。例年9月から11月に発売されていて、2022年も9月1日~11月30日の利用期間で発売が開始されました。
都区内からの往復乗車券がついた「サンキュー♥ちばフリー乗車券」も同日程で発売開始となりました。「乗車券」は新型コロナ前の2019年以来、3年ぶりの発売です。
「サンキュー♥ちばフリーパス/乗車券」は、当日でも購入可能で、有効期間は利用開始日から連続する2日間です。
フリーエリア
2022年版の「サンキュー♥ちばフリーパス/乗車券」の鉄道路線のフリーエリアは、2021年版と同じです。利用できる鉄道路線は、千葉県内のJR線と、小湊鐵道、いすみ鉄道、銚子電鉄、流鉄の私鉄4社です。
利用できるバスは、小湊鐵道、九十九里鉄道、千葉交通、ジェイアールバス関東、日東交通、京成タクシー成田の6社の指定路線です。
東京湾フェリー(金谷~久里浜)も、引き続きフリーエリア対象となりました。フェリーが乗り放題となるフリーきっぷは珍しいです。
フリーエリア内では、JR線の普通列車(快速含む)の普通車自由席、各鉄道・バス会社線の指定路線、東京湾フェリーが乗り降り自由となります。フリーエリア内で特急列車を利用する場合、特急券や「えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)」などの料金券タイプの特別企画乗車券との併用が可能です。
価格は据え置き
「サンキュー♥ちばフリーパス」の価格は大人3,970円、小人1,980円で、据え置きです。JR東日本の千葉県内の主な駅の指定席券売機で購入できます。駅窓口での発売はありません。
「サンキュー♥ちばフリー乗車券」の価格は大人4,790円、小人2,390円で、2019年と同額です。
「サンキュー♥ちばフリーパス/乗車券」の概要は以下の通りです。
「サンキュー♥ちばフリーパス/乗車券」2022年版
・価格(パス) おとな3,970円、こども1,980円
・価格(乗車券) おとな4,790円、こども2,390円
・発売期間:2022年9月1日~2022年11月29日
・利用期間:2022年9月1日~2022年11月30日
・有効期間:連続する2日間
・発売箇所(パス):JR東日本の千葉県内の主な駅と久里浜駅の指定席券売機
・発売箇所(乗車券):JR東日本の首都圏の主な駅(千葉県と古河駅以外の茨城県除く)の指定席券売機
差額は820円
「パス」は千葉県内、「乗車券」は千葉県と茨城県以外の首都圏で発売、というのが原則です。
ただし、「パス」は久里浜駅でも購入できますので、横須賀線で久里浜駅にアプローチした後、東京湾フェリーで旅を開始することができます。久里浜駅では「乗車券」は発売しません。
「乗車券」と「パス」の差額は大人820円ですので、都区内方面で千葉県内まで片道410円以上かかるエリアからなら、「乗車券」を購入したほうがお得です。新宿なら市川~新宿間が400円ですので、もう少し遠い区間なら「乗車券」がお得です。
ただ、「乗車券」なら、市川や舞浜といったフリーエリア入口の駅で降車して「パス」を買わなくていいので、その手間を考慮すれば、少々高くても「乗車券」がいい、という判断になるでしょう。
利用日当日の購入も可能です。利用人数の制限はなく、一人から購入できます。
房総半島横断も
「サンキュー♥ちばフリーパス」の魅力は、千葉県の私鉄が乗り放題になることです。モデルルートとして真っ先にあがるのは、小湊鐵道といすみ鉄道を乗り継ぐ房総半島横断でしょう。
小湊鐵道の五井~上総中野間の運賃は1,440円で、いすみ鉄道の上総中野~大原間の運賃は730円。あわせて、フリーパス価格の半額に相当する金額です。房総半島を鉄道で横断するのに、フリーパスの利用価値は高いです。
銚子電鉄の片道運賃が350円、流鉄が200円ですので、これらの私鉄を往復し、房総半島を横断すれば、それだけで3,270円。きっぷの8割の値段に相当します。私鉄を乗り歩くだけでほとんど元が取れてしまうわけです。
東京湾一周も
東京湾フェリー(片道運賃800円)もフリーエリアに含まれるので、房総半島からフェリーで三浦半島に渡り、京浜急行やJR横須賀線で東京に向かうルートにも使えます。東京湾をぐるりと周遊する形で、かつての「東京湾フリーきっぷ」のような旅ができます。
このルートをたどるには、市川駅か久里浜駅で「パス」を買うといいでしょう。コロナ禍の影響で、久里浜駅発売は過去2年封印されてきましたので、今年は久里浜スタートも悪くなさそうです。
注意点として、「乗車券」を利用した場合、都区内各駅からフリーエリアへの往復に使えるのは、京葉線、総武線、常磐線のみとなっていることです。横須賀線は含まれていません。
したがって、東京を起点とした場合、「乗車券」で久里浜に行って東京湾フェリーに乗ることはできません。都区内~久里浜間運賃が別途必要となります。東京湾フェリーから旅を始めるなら「パス」を選びましょう。(鎌倉淳)