JR各社から2018-2019年末年始の特急列車利用状況が発表されました。今年は日並びが良く長期で休みやすく、全国的に特急列車は好調な利用者数を記録しました。詳細をランキング形式で見ていきましょう。一部快速列車も記載しました。
在来線特急利用者数ランキング2018年新春版
1.あずさ、かいじ(八王子~相模湖)27.7万人(101%)
2.サンダーバード(京都~敦賀)24.9万人(101%)
3.ひたち、ときわ(我孫子~土浦)23.9万人(102%)
4.かもめ、みどり(鳥栖~肥前山口)23.6万人(99%)
5.ソニック(小倉~行橋)16.6万人(100%)
6.成田エクスプレス(千葉~空港第二ビル?)16.0万人(105%)
7.マリンライナー*(児島~坂出)15.4万人(109%)
8.しおかぜ、南風、うずしお(児島~宇多津)12.6万人(106%)
9.カムイ、ライラック、オホーツク、宗谷(札幌~岩見沢)11.1万人(97%)
10.しらさぎ(米原~敦賀)10.3万人(107%)
11.ひたち、ときわ(水戸~高萩)10.2万人(102%)
12.はるか(日根野~関西空港)9.3万人(110%)
13.北斗、すずらん(東室蘭~苫小牧)9.0万人(108%)
14.踊り子(横浜~熱海?)8.3万人(101%)
15.しおかぜ(児島~宇多津)7.9万人(103%)
16.しおかぜ、いしづち(多度津~伊予三島)7.8万人(102%)
17.しなの(名古屋~多治見)7.2万人(103%)
18.くろしお(和歌山~簑島)7.1万人(104%)
19.きのさき、まいづる(二条~亀岡)6.7万人(104%)
20.ひだ(美濃太田~下呂)5.6万人(96%)
21.やくも(岡山~新見)5.5万人(101%)
22.ひたち(高萩~いわき)5.3万人(104%)
23.こうのとり(大阪~三田)5.1万人(96%)
24.南風(岡山~児島)5.0万人(106%)
25.おおぞら、とかち(南千歳~トマム)4.7万人(99%)
26.南風(児島~宇多津)4.4万人(105%)
27.いなほ(新潟~村上?)4.3万人(106%)
28.わかしお(蘇我~大網?)4.2万人(95%)
29.南風、しまんと(多度津~阿波池田)4.0万人(104%)
30.しらさぎ(名古屋~大垣)3.3万人(104%)
31.はくと(姫路~上郡)3.0万人(102%)
32.しおさい(千葉~佐倉?)2.9万人(96%)
33.宇和海(松山~宇和島)2.9万人(99%)
34.草津、水上(高崎~渋川)2.8万人(103%)
35.はくと(智頭~鳥取)2.7万人(103%)
36.日光、きぬがわ(大宮~栗橋)1.9万人(105%)
37.うずしお(高松~徳島)1.8万人(99%)
39.はまかぜ(姫路~寺前)1.5万人(90%)
40.南風、しまんと・あしずり(高知~窪川)1.3万人(103%)
41.南紀(松阪~紀伊長島)1.2万人(97%)
42.ふじがわ(富士~富士宮)1.1万人(105%)
43.ふじさん(御殿場~山北)0.9万人(101%)
44.いなば(岡山~上郡)0.9万人(107%)
45.いなば(智頭~鳥取)0.9万人(108%)
46.つがる(弘前~青森)0.8万人(110%)
47.おき(新山口~益田)0.8万人(100%)
48.さざなみ(蘇我~五井?)0.7万人(94%)
49.いなほ(酒田~秋田)0.6万人(96%)
50.サンライズ出雲・瀬戸(静岡~浜松)0.6万人(104%)
51.サンライズ出雲(岡山~新見)0.3万人(91%)
52.伊那路(豊川~本長篠)0.2万人(99%)
53.うずしお(児島~宇多津)0.2万人(104%)
54.はまかぜ(岩美~鳥取)61人(51%)
*マリンライナーは快速列車。
中央線特急が首位固め
上記のランキングは、JR各社から広報発表された数字をまとめたものです。JR各社によって、区間選定の基準などがばらばらであることをご承知おきください。
2018-2019年末年始の特急利用者数では、中央線特急「あずさ、かいじ」が27万人超えで、昨年に続き首位。2019年3月ダイヤ改正で、中央線特急は「富士回遊」などを加えてさらに充実するため、来年はもっと数字が伸びるかもしれません。
「サンダーバード」「ひたち、ときわ」も堅調
2位の北陸線特急「サンダーバード」、3位の常磐線特急「ひたち、ときわ」も前年比101~102%と堅調でした。
一方、4位「かもめ、みどり」、5位「ソニック」という九州特急は、前年比99~100%と、やや伸び悩みました。1月3日の熊本県の地震の影響が多少あったのかもしれません。
「NEX」ベスト5入りが視野
近年、躍進が著しい空港特急では、「成田エクスプレス」が前年比105%と好調で、16万人台に乗せました。「ソニック」16.6万人の背中が見えています。今年度と同様の伸び率が続くなら、来年にも「ソニック」を抜いてベスト5入りを果たす可能性があります。
「はるか」は絶好調で、前年比110%の9.3万人。10位「しらさぎ」の10.3万人が見えてきました。上位の快速「マリンライナー」と、ダブルカウントになっている「ひたち、ときわ」の水戸~高萩間を除けば、実質的に「はるか」は在来線特急としてベスト10入りしているといえます。
ただし、空港特急は、年末年始など繁忙期に混雑しやすいという特性がありますので、平日のランキングを取ればまた別になるであろうことは、ご留意ください。
房総、東海、北近畿で伸び悩み
そのほか、数字のよかった区間を拾っていくと、「北斗、すずらん」「つがる」「いなほ」「南風」といったところでしょうか。
伸び悩んだのは「カムイ、ライラック、オホーツク、宗谷」「わかしお」「しおさい」「さざなみ」「ひだ」「南紀」「こうのとり」「はまかぜ」あたりです。房総、東海、北近畿エリアで不調な列車がやや目立ちました。
路線系統別ランキング
さて、上位列車の最混雑区間だけをまとめて、路線系統別にグループ化してみると、以下のようになります。
1. 湖西・北陸線(サンダーバード、しらさぎ)*35.2万人
2. 瀬戸大橋線(しおかぜ、南風、うずしお、マリンライナー)28.0万人
3. 中央東線(あずさ、かいじ)27.7万人
4. 常磐線(ひたち、ときわ)23.9万人
5. 長崎線(かもめ、みどり)23.6万人
6. 総武線(成田エクスプレス、しおさい)18.9万人
7. 日豊線(ソニック)16.6万人
8. 阪和・紀勢・関西空港線(はるか、くろしお)**16.4万人
9. 山陰・福知山線(きのさき、まいづる、はしだて、こうのとり)11.8万人
10. 函館線(カムイ、ライラック、オホーツク、宗谷)11.1万人
11. 室蘭線(北斗、すずらん)9.0万人
12. 東海道線(踊り子)8.3万人
13. 中央西線(しなの)7.2万人
14. 高山線(ひだ)5.6万人
15. 伯備線(やくも)5.5万人
*京都~敦賀間と、米原~敦賀間の合計
**日根野~関西空港間と、和歌山~簑島間の合計
湖西・北陸線系統が大きく抜けていて、次いで瀬戸大橋線、中央東線が拮抗しています。瀬戸大橋線は、快速「マリンライナー」をあわせた数字なので、特急だけの他線と同じには考えない方が良さそうですが、大きな輸送量になっていることは間違いありません。
その後、常磐線と長崎線系統が追いかけます。北陸線、瀬戸大橋線、中央東線、常磐線、長崎線の5路線が、年末年始の在来線特急利用者数の「5強」ということになります。
ついで、総武線、日豊線、阪和・紀勢・関西空港線系統が10万人台後半で、ここまでが「8強」。山陰線・福知山線と函館線系統が10万人台前半で、「ベスト10」入りを果たしたというところでしょうか。(鎌倉淳)