ピーチが新千歳空港を拠点化、道内・海外路線を開設へ。ソウル、台北などへの直行便が誕生か?

格安航空会社LCCのピーチ・アビエーションが、新千歳空港を拠点化する方針を固めたようです。拠点化により、道内路線や、海外路線の開設を視野に入れます。日本経済新聞が報じました。

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国内4カ所目の拠点

日本経済新聞2016年10月8日付によりますと、ピーチは2018年にも札幌の新千歳空港を拠点化する方針を固めたとのことです。拠点化により、機材を夜間駐機させることができるようになり、新千歳発着の航空路線を開設しやすくなります。

ピーチは関西空港を最初の拠点としてスタートし、その後、那覇空港も拠点化しています。2017年夏には仙台空港も拠点化する予定で、新千歳空港が拠点化されれば4カ所目となります。

ピーチは現在、新千歳空港路線として関西線と、成田線がありますが、いずれも関空拠点から機材を回しての運航です。ピーチは2020年度までに機材数を現状の17機から40機程度に増やす計画を立てており、新たな拠点開拓を急いでいました。

ピーチA320
画像:ピーチアビエーション

道内路線も視野

日経によると、拠点化に合わせて、「新千歳からもアジア各地への就航を検討するとみられる」とする一方で、「道内の都市間を結ぶ可能性もある」としており、新千歳空港と道内・海外を結ぶ路線開設を視野に入れているようです。

新千歳からの道内路線は、JALが女満別線、ANAが稚内、中標津、釧路、函館線を運航していますが、いずれも割引運賃は少なく、運賃は高止まりしています。そのため、価格的にはLCCの参入余地はありそうです。

たとえば、道内の基幹路線である新千歳~釧路線では、普通運賃が24,600円に対し、ANA旅割が11,000~13,000円程度、特割が15,000~17,000円程度です。これに対し、ピーチが8,000円程度の平均価格を打ち出せれば十分勝機はあるでしょう。

実現すれば、道内の高速バスやJR特急にも大きな影響を及ぼす可能性があります。札幌~釧路などに就航したら、特急「スーパーおおぞら」の利用者が減少するのは確実で、根室線の将来が心配になります。

本命はアジア直行便か

ただ、道内各路線の輸送量はそれほど多くないため、LCCの生命線である高搭乗率を維持し、採算を取れるかは微妙です。ピーチは最近、国内の新路線開設に消極的ですし、需要の細い道内路線にあえて打って出ることには、やや疑問が残ります。

むしろ本命なのは、アジアへの海外路線でしょう。アジア圏の観光客に北海道旅行の需要は高まっていますが、新千歳空港からの海外直行便は豊富とはいえません。ピーチが新千歳発着のソウル線、台北線などを開設する可能性は高そうで、本命はこうしたアジア直行便でしょう。(鎌倉淳)

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