仙台市営東西線は「日本最後の地下鉄」になるか。新路線の今後の建設予定はどこにもなし

仙台市営地下鉄東西線の開業目標日が2015年12月6日に決まりました。仙台市が発表したものです。

東西線は、仙台市南西部の八木山動物公園駅(太白区)からJR仙台駅を経て市東部の荒井駅(若林区)までを結ぶ、全長13.9kmの地下鉄です。仙台市では南北線に続く2本目の市営地下鉄で、完成によりJR仙台駅を中心に、東西南北に十字に延びる交通軸が整うことになります。集電方式は南北線とは違いリニアモーター式で、いわゆるミニ地下鉄です。総事業費は2,298億円です。

この仙台市営地下鉄が完成した後、日本国内で、具体化している「地下鉄」の新路線計画はどこにもありません。事業化されているものとしては福岡市営地下鉄七隈線の博多駅延伸がありますが、新路線ではありません。

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新路線の構想は各地にあるが

「地下鉄」の新路線構想自体は、各地にあります。大阪市のなにわ筋線や名古屋市の東部線、川崎市営地下鉄など、計画だけなら各地に多数ありますが、いずれも事業化されていませんし、実現可能性も高いとはいえません。

実現可能性が高そうな地下鉄道路線としては、都心直結線やJR羽田新線が挙げられます。ただ、都心直結線は高速走行を目的とした郊外鉄道が大深度地下を走行する計画ですし、羽田新線の地下部分も湾岸部が主体になりそうで、都市内のいわゆる「地下鉄」とは趣が異なります。したがって、「地下鉄」の新路線としては、仙台市営地下鉄東西線が日本最後になってしまうかもしれません。

仙台地下鉄東西線

地下鉄建設の時代の終わり

上記のように、地下を走る鉄道路線の建設計画は残されていますが、それらも次第に減少していくでしょう。1927年に銀座線の浅草~上野間が開業してから来年で88年になりますが、日本における「地下鉄建設の時代」は終わりに近づいたといえるのかもしれません。

地下鉄が国内で建設されなくなると、建設技術の停滞をもたらす可能性が懸念されます。かといって、ムダな地下鉄を作るわけにもいきませんので、日本の建設会社には、海外でその技術を発展させてほしいものです。

図解・地下鉄の科学―トンネル構造から車両のしくみまで

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