JR北海道の減便対象列車全リスト。2016年3月ダイヤ改正で、8路線の普通列車計79本を削減へ

JR北海道は、2016年3月のダイヤ改正で、8路線の普通列車計79本について、減便・区間減便(一部区間の廃止含む)の検討をしていると公表しました。減便検討の対象列車全リストを掲載します。

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減便で車両更新を抑制

JR北海道は、国鉄時代に導入した車両の老朽化が進むなか、経営難を理由に更新を抑制する方針を示しています。普通列車の減便は、廃車による車両不足に対応するものです。

JR北海道では「ご利用の少ない列車見直しについて、関係する自治体等に順次ご説明を行っているところ」としたうえで、「現時点のご説明状況について当社として公表することとしました」として、以下の列車を減便対象として検討している旨を公表しました。

石北線

減便検討の対象列車全リスト

■函館線(函館~長万部)
2841D  函館 5:54 長万部 9:28 森~長万部間廃止
5881D  大沼 9:21 森 10:11 全区間廃止
1883D  函館 22:03 七飯 22:23 全区間廃止
2842D  長万部10:26 函館 13:19 全区間廃止

■函館線(長万部~小樽)
2933D  長万部 9:08 小樽 12:19 長万部~蘭越間廃止
2943D  長万部 14:29 小樽 18:13 長万部~倶知安間廃止
2949D  長万部 17:43 小樽 20:42 長万部~倶知安間廃止
2924D  熱郛 7:13 長万部 7:48 全区間廃止 後続2926Dの時刻を繰り上げ、長万部着7:58頃
2932D  小樽 8:07 長万部 11:13 蘭越~長万部間廃止

■室蘭線
477D  長万部 6:53 室蘭 8:58 長万部~東室蘭間廃止 先行475Dの時刻を繰り下げ、東室蘭着8:04分頃
479D  長万部 8:58 東室蘭 10:46 全区間廃止
485D  長万部 13:24 東室蘭 14:58 全区間廃止
491D  長万部 17:37 東室蘭 19:12 長万部~豊浦間廃止
470D  東室蘭 5:50 長万部 7:33 豊浦~長万部間廃止
474D  東室蘭 10:09 長万部 11:53 豊浦~長万部間廃止
482D  東室蘭 17:39 長万部 19:29 豊浦~長万部間廃止
4485D  糸井 9:54 苫小牧 10:02 全区間廃止
4487D  糸井 11:57 苫小牧 12:03 全区間廃止
4491D  糸井 17:24 苫小牧 17:31 全区間廃止
4482D  苫小牧 9:16 糸井 9:23 全区間廃止
4484D  苫小牧 11:31 糸井 11:37 全区間廃止
4488D  苫小牧 16:56 糸井 17:03 全区間廃止
1469D  苫小牧 10:28 岩見沢 12:02 全区間廃止

■石勝線
2629D  新夕張 9:05 夕張 9:32 全区間廃止
2637D  新夕張 12:56 タ張 13:23 全区間廃止
2641D  苫小牧 15:55 タ張 17:52 追分~タ張間廃止
2647D  追分 20:50 タ張 21:54 全区間廃止
2628D  夕張 9:41 新タ張 10:05 全区間廃止
2634D  タ張 13:31 追分 14:25 全区間廃止
2640D  タ張 18:15 追分 19:16 全区間廃止
2644D  タ張 22:02 追分 22:53 全区間廃止

■宗谷線
4321D  幌延 6:30 稚内 8:01 全区間廃止 後続4323Dの時刻を繰り上げ、稚内着8:01頃
4329D  名寄 12:35 幌延 15:14 全区間廃止
4333D  幌延 15:49 稚内 16:57 全区間廃止
4337D  名寄 16:41 幌延 19:16 音威子府~幌延間廃止
4326D  稚内 6:04 音威子府 8:20 全区間廃止 先行4324Dを幌延始発から稚内始発に延長、稚内発5:14頃
4328D  音威子府 9:58 名寄 10:58 全区間廃止
4332D  稚内 14:12 幌延 15:12 全区間廃止
4334D  幌延 15:50 名寄 18:24 幌延~音威子府間廃止

■札沼線
5427D  石狩当別 11:15 新十津川 12:37 浦臼~新十津川間廃止
5433D  石狩当別 17:27 新十津川 18:56 浦臼~新十津川間廃止
5435D  石狩当別 19:31 浦臼 20:37 石狩月形~浦臼間廃止
5428D  新十津川 12:59 石狩当別 14:21 新十津川~浦臼間廃止
5434D  新十津川 19:22 石狩当別 20:53 新十津川~浦臼間廃止

■根室線(滝川~釧路)
3425D  滝川 8:05 富良野 9:14 全区間廃止 先行2423Dを芦別行きから富良野行きに延長,富良野着8:34頃
2431D  滝川 13:44 落合 16:23 全区間廃止 2436Dを落合始発から新得始発に延長、新得16:08頃
3430D  帯広 9:09 滝川 12:23 新得~滝川間廃止 快速「狩勝」取りやめ
2548D  浦幌 11:25 帯広 12:35 全区間廃止
2577D  白糠 10:30 釧路 11:14 全区間廃止
2579D  白糠 13:38 釧路 14:16 全区間廃止
2587D  音別 23:15 釧路 0:16 全区間廃止 先行2585Dの時刻を繰り下げ、釧路着23:27頃
2574D  釧路 9:04 白糠 9:41 全区間廃止
2576D  釧路 12:30 白糠 13:21 全区間廃止
2584D  釧路 22:10 音別 23:02 全区間廃止 先行2582Dの時刻を繰り下げ、釧路発21:33頃

■根室線(釧路~根室)
8325D  厚床 6:55 根室 7:47 全区間廃止 後続3625D快速「はなさき」の時刻を繰り上げ,根室着8:03頃及び厚床から各駅停車化
5627D  釧路 6:31 厚岸 7:27 全区間廃止
5633D  釧路 12:20 厚岸 13:19 全区間廃止
5643D  釧路 22:06 根室 0:18 厚岸~根室間廃止
5626D  厚岸 8:14 釧路 9:14 全区間廃止
5632D  根室 11:45 釧路 14:22 全区間廃止
5636D  厚岸 16:18 釧路 17:16 全区間廃止
3642D  根室 22:05 釧路 0:15 快速「ノサップ」根室~厚岸間廃止 各駅停車化及び時刻を繰り上げ、釧路着23:05頃

■釧網線
4733D  川湯温泉 13:40 釧路 15:17 全区間廃止
4730D  釧路 11:46 川湯温泉 13:18 全区間廃止
4729D  網走 10:39 緑 11:59 全区間廃止
4731D  網走 13:25 知床斜里 14:12 全区間廃止
4743D  網走 19:48 緑 21:21 知床斜里~緑間廃止
4732D  緑 12:07 網走 13:24 全区間廃止
4734D  知床斜里 15:20 網走 16:07 全区間廃止
4748D  緑 21:29 知床斜里 21:59 全区間廃止

■石北線
4661D  留辺藥 10:38 北見 11:03 全区間廃止
4663D  金華 13:05 網走 14:51 金華~北見間廃止
4656D  網走 8:37 留辺藥 10:18 北見~留辺藥間廃止
4660D  北見 12:09 金華 12:47 全区間廃止
4623D  白滝 9:16 遠軽 9:54 全区間廃止
4625D  白滝 14:33 遠軽 15:10 全区間廃止
4675D  遠軽 17:45 生田原 18:07 全区間廃止
4620D  遠軽 8:23 白滝 9:08 全区間廃止
4624D  遠軽 13:28 白滝 14:16 全区間廃止

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函館~札幌間の普通列車移動に影響

旅行者的に注目点をいくつか挙げてみましょう。なお、時刻は現在のダイヤによるものです。

まず、長万部→倶知安は、6時12分発の後、12時10分発、16時33分発、19時46分発となります。倶知安→長万部は、6時27分発の後、12時20分発となり、その後は変わりありません。

長万部→東室蘭は、長万部6:53発の後、15時22分発まで普通列車がなくなります。東室蘭→長万部は、7:18発の後が13時53分発になります。

これらにより、函館~札幌間を移動できる列車がかなり限られることになります。青春18きっぷの利用期間などは影響が大きそうです。

稚内→旭川は始発列車なら早着に?

石勝線夕張支線は8本が廃止となったものの、千歳方面からの直通列車や接続のいい列車は残されましたので、旅行者への影響は小さいといえそうです。

宗谷線は上り稚内6時04分発が廃止になるものの、幌延始発の先行列車4324Dが時刻繰り上げで稚内発になるので、影響は小さいといえます。4324Dは名寄から快速「なよろ4号」となり旭川へ直通するので、この区間の時刻変更がなければ、稚内始発の普通列車の旭川着が10時28分となり、現在より2時間以上早着できることになります。

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最長鈍行は存続

札沼線は新十津川発着の2往復が廃止となり、新十津川まで運転する列車は、石狩当別7時45分発とその折り返しとなる新十津川9時41分発のみとなります。浦臼~新十津川間は1日1往復のみとなり、全国で唯一「1日1往復しか列車が運転されない区間」が誕生しそうです。

根室線では、滝川発釧路行きの最長鈍行2429Dは存続となりました。上り快速「狩勝」は新得~滝川間が廃止となり、救済はありません。

また、根室~釧路の上り快速「ノサップ」は根室~厚岸間が廃止となり、普通列車に格下げとなります。

区間別にまとめてみると

最後に、区間別に減便される列車本数と、割合をまとめてみましょう。

根室線 釧路~根室 8本 38%
札沼線 石狩当別~新十津川 5本 33%
石勝線 千歳~夕張 8本 32%
釧網線 網走~釧路 8本 30%
室蘭線 長万部~苫小牧 13本 15%
石北線 旭川~網走 9本 15%
函館線 長万部~小樽 5本 14%
宗谷線 旭川~稚内 8本 14%
根室線 滝川~釧路 10本 13%
函館線 函館~長万部 4本 8%
室蘭線 苫小牧~岩見沢 1本 6%

もっとも削減率の高いのは釧路~根室間で、全体の38%もの列車が減便となります。ただ、これは運転本数に対する減便数の割合ですので、区間運転の廃止が多かったりすると、実態以上に削減率が見えてしまう、という一面もあります。旅行者的な感覚では、室蘭線の長万部~東室蘭間の削減が影響が大きいように思えます。

JR北海道では、通学時間帯の列車削減は極力避けたということです。とはいえ、ディーゼルカーで運行する区間では15%の減便となり、乗車人員では3%に影響が出るそうです。これにより、更新する車両を10両削減し、投資を20億円抑制、経費も年1億4000万円程度減らすとのことです。

列車の利用者が絶対的に少ないのならば、廃止もやむをえないと言わざるをえません。ただ、普通列車がどんどん減っていき、北海道の鉄道旅行の魅力が失われてしまわないかが、気がかりです。

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