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「はやてより遅いはやぶさ」に乗って感じた不合理感。特例で「はやぶさ料金」の値下げを。

2013年3月のダイヤ改正で、東北新幹線「はやぶさ」号のなかで「はやて」より遅い列車が設定されたことが話題になりました。新聞でも報じられましたから、ご存じの方も多いと思います。

最速の「はやて」より遅い「はやぶさ」は、定期列車で上下各4本あります。そのもっとも遅い「はやぶさ14号」に乗ってきました。新青森発東京行きで、所要時間は3時間33分です。新青森~盛岡間が各駅停車で、それが鈍足の原因になっています。

はやぶさ

じつは、筆者は、乗るまでこの「はやぶさ」が、もっとも遅いことは知りませんでした。北海道からの取材旅行の帰りに、時間帯が合うのでたまたま乗っただけです。乗ってみて、七戸十和田に停車してから初めて「各駅停車」なことに気づいたのですが、なぜ、各駅停車なのに「はやぶさ」なのかがさっぱりわかりませんでした。

新青森~東京間を乗る場合、「はやぶさ」は「はやて」より500円高い料金設定になっています。筆者はこれを速度への対価と思っていましたので、遅いのに料金が高い列車名になっている理由がわからなかったのです。

後で調べてみて、結局、「はやぶさ」と「はやて」の違いは、盛岡~宇都宮間で時速300キロ運転をするかしないか、の点にあることを初めて知りました。しかし、新青森からの乗客にとっては、いくら盛岡から300キロ運転をしても、盛岡まで各駅停車では意味がありません。「はやぶさ14号」の約1時間後を走る「はやて44号」は、車両も「はやぶさ」と同じE5系で、所要時間は「はやぶさ14号」より9分速く、価格は500円安いのです。

では、なぜ「はやぶさ14号」は、各駅停車なのに「はやぶさ」なのでしょうか。言い換えれば、東北新幹線の優等列車がE5系の車両で運転される場合において、「はやて」とされるか「はやぶさ」とされるかの決定要因は何か、ということです。

その理由は時刻表にもJR東日本のウェブサイトにも書いてありませんが、推測するに、併結される秋田新幹線「こまち」がE3系かE6系かによって決まるようです。E3系は300キロ運転ができないため併結相手がE5系であっても「はやて」になるのですが、E6系は300キロ運転できるので併結相手は「はやぶさ」になるようです。この場合は、秋田新幹線側は「スーパーこまち」となります。

ですから、今後E6系が増備されれば、「はやて」は減り「はやぶさ」が増えていくでしょう。そうなれば、「はやてより遅いはやぶさ」の逆転現象は次第になくなっていくと思われます。

ただ、新青森~盛岡間が各駅停車の「はやぶさ」は今後もなくならない可能性が高いです。であるなら、「速度の対価」としての割増料金の不合理性は、今後もなくなりません。

たかが500円といえ、同一車両で運転し追加料金を取った上で所要時間が遅いという点において、旅客の視点で合理性を見いだすことは不可能です。

新幹線の割増料金は、東海道新幹線の「のぞみ」が最初です。「のぞみ」は昔も今も「ひかり」に対する時間的優位性は維持していて、停車駅も厳選されています。ですから、「ひかり」より料金が高いことに関しての合理性を維持しています。それに対して、「はやぶさ」は、登場2年強にして価格の合理性を失ってしまったことになります。

知らずに乗車してがっかりした利用者は、筆者だけではないでしょう。「追加料金払って速い列車を選んだはずなのに、各駅停車だったときのがっかり感」は小さくありません。がっかりした利用者は、今後は「はやぶさ」への敬愛やその速度に対する信頼を失います。要するに、「はやぶさ」は早くもそのブランド価値を一部失ってしまったといえます。

今後、JR東日本が「遅いはやぶさ」の価格をどうするのかはわかりません。しかし、現時点で合理性を欠く追加料金は、即刻廃止すべきでしょう。少なくとも「遅いはやぶさ」に新青森から乗車する場合は、「はやぶさ」料金分を特例で割引する必要があります。それが、利用者を納得させ、「はやぶさ」の価値を守るせめてもの方法ではないでしょうか。

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