2017年7月に屋外展示の「マリンガーデン」をリニューアルオープンしたサンシャイン水族館。都市型水族館として39年の歴史を誇る「老舗」の進化を見てきました。
午前10時で大行列
夏休み明けの日曜日だから、そんな混んでないでしょう、と高をくくっていたのですが、なめてました。
開園1時間の午前10時でエレベーター待ち、チケットカウンター待ちの大行列。大都会東京の人気観光スポット・サンシャイン60にある水族館の集客力でしょうか。それとも、サンシャイン水族館そのものが大人気なのでしょうか。
もうすぐ開園40周年
サンシャイン水族館の前身・サンシャイン国際水族館がオープンしたのは1978年。2018年で開館40周辺を迎える老舗です。
1980年代にはラッコのブームを起こしたことでも知られているそうです。どうでもいいことですが、筆者はラッコになんとなくセゾン系の雰囲気を感じていました(個人の感想です)。サンシャインにはセゾン系の企業が多数入居していたので、それとラッコが結びついた印象かもしれません。
ちなみに、西武鉄道はかつては株式会社サンシャインシティの主要株主だったそうですが、持ち株はすべて三菱地所に売ってしまい、いまは資本関係はないそうです。
本題に戻ると、サンシャイン博物館の人気者だったラッコですが、繁殖がうまくいかず、2016年2月末をもって展示が終了してしまいました。サンシャイン水族館は大きな看板のひとつを1年前に失ってしまったわけです。
人気者をぎゅっと詰め込んで
しかし、1年前の出来事など、どこ吹く風。サンシャイン水族館はとても混んでいます。
行列にもまれて内部に入ると、最初はサンゴの海の展示。
水族館の入口展示の定番ですが、やっぱりきれいですね。
さらに進むと、イワシの大回遊やカニ、タコ、マンボウ、クラゲなど、おなじみの生き物を次々と見ることができます。
イワシの大回遊。コブダイが一緒に入って、イワシを狙っています。
タカアシカニ。
タコ。
マンボウ。
クラゲ。
イカ。
身近な魚や、人気の生き物が惜しみなく展開されていくので、飽きがきません。
サンシャインラグーン
そして、「サンシャインラグーン」と呼ばれる大型水槽。
ちょうどえさやりの時間で、ギャラリーがわんさと集まっています。
「サンシャインラグーン」に限らず、多くの水槽が足元まで開いていて、小さな子どもでもじっと見ていられる点が、子連れにはポイント高いです。
展示位置が高い水族館は、子どもを抱っこし続けるの大変ですし。
「沖縄の海」も美しく
2階に上がると、淡水魚のコーナー。アマゾン河を模した水槽もありました。
こちらは、沖縄のマングローブの森を模した水槽。
沖縄の海は白保がイメージです。色とりどりの魚が美しく泳いでいます。
南洋の海の人気者、カクレクマノミも、別の水槽にちゃんといました。
ペンギンが空を飛ぶ
と、屋内展示を紹介しましたが、いまのサンシャイン水族館のメインは、やっぱり屋外展示でしょう。2017年に7月にリニューアルオープンしたばかりの「マリンガーデン」です。
まずは、ペンギンが空を飛んでいるかのような様子を撮影できる「天空のペンギン」。
いっぽう、実際の生態環境に近づけたという「草原のペンギン」。
そして、ペリカンを下から眺められる「天空パス」。
小さいステージながら、アシカのパフォーマンスもあります。短時間のパフォーマンスなので、席取りをせずに立ってみても十分楽しめます。
パフォーマンスが終わったら、アシカも空を進みます。
小さな施設を上手に活かす
全部ぐるりとまわって、1時間半くらいでしょうか。混雑していなければもっと短時間で回れそうですし、逆にカフェなどで休憩を挟みつつのんびりして、パフォーマンスをじっくり楽しむのよさそうです。
サンシャイン水族館のレビューをまとめてみると、さすがに40年近く都市型水族館を運営しているだけあって、小さな施設を上手に使って楽しく見せることに長けている、という印象です。
新たにオープンした屋外展示だけでなく、屋内展示もデザイン性が高く、「ビジュアルに優れた水族館」という印象を強く受けました。
都内の他の水族館に比べても猛烈に混んでいるのが難点ですし、イルカショーなどの大型パフォーマンスがないのは、都市型水族館なので仕方がないでしょう。また、魚の種類を丹念に追うような、学術的な展示もしていません。
しかし、来訪者を楽しませるエンタメ系の都市型水族館としては、非常に完成度が高い施設でした。(鎌倉淳)