東京の「フリーきっぷ」おすすめは?【2024年版】JR、東京メトロ、都営地下鉄を上手に乗り放題!

一日乗車券の種類を総まとめ

JR、東京メトロ、都営地下鉄など、東京都心部の鉄道やバスに乗れるフリーきっぷはいくつかあります。どう使い分けたら便利でお得に利用できるのか。2024年の最新情報でご紹介します。

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東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券

価格:おとな900円、こども450円

東京都心のフリーきっぷ選びで中心的存在となるのが、「東京メトロ・都営地下鉄共通一日乗車券」(以下、地下鉄共通一日乗車券)。都内の地下鉄路線に全部乗れるフリーきっぷです。

東京メトロと都営地下鉄が1日乗り放題です。都営地下鉄発売の場合は「都営地下鉄・東京メトロ共通一日乗車券」となりますが、内容は同じです。

JR線には乗れませんが、メトロと都営の地下鉄に乗れれば、都心部の主要区間を訪れるのに大きな不便はありません。両地下鉄を使えることで、効率的に移動できます。

「メトロと都営の使い分け」は、慣れない人には意外とストレスですが、「地下鉄共通一日乗車券」を買えば、鉄道事業者の違いなど気にせず利用できます。わかりやすく使いやすいフリーきっぷでしょう。

ちなみに、東京メトロの初乗りは180円で6kmまで。都営地下鉄は180円で4kmまでです。初乗り区間だけなら、5回乗れば確実に元がとれる計算です。メトロ、都営の区分なく、1日5回以上、地下鉄移動をする計画なら、共通一日乗車券がおすすめです。

東京サブウェイチケット
画像:東京メトロ
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Tokyo Subway Ticket

価格:24時間券 おとな800円、こども400円
   48時間券 おとな1,200円、こども600円
   72時間券 おとな1,500円、こども750円

「Tokyo Subway Ticket」も東京メトロ・都営地下鉄の全線に乗れるフリーきっぷです。ただし、1都7県(東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬・山梨)以外から東京に来る利用者限定発売です。関東と山梨在住の方は購入できません。

利用開始時刻から24時間、48時間、72時間、東京メトロ線全線と都営地下鉄線全線が乗り放題になります。「1日券」ではなく「時間券」なので、午後に購入しても翌日の午前中まで使えるといった、使いやすさも特徴です。

購入方法はいくつかありますが、1都7県以外ではコンビニで発売していますので、それがもっとも簡単です(都内で引き替え)。その他、東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」でも購入可能です。旅行会社でツアーと同時購入するなどの方法もあります。

「地下鉄共通一日乗車券」が一日900円ですので、比較すると24時間券で100円安くなっています。24時間券なら5回、48時間券なら7回、72時間券なら9回、地下鉄に乗車すれば元が取れるきっぷです。

とてもお得で使いやすいチケットですので、関東圏非在住者にはおすすめのフリーきっぷです。

Tokyo subway ticket
画像:東京メトロ
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東京メトロ24時間券

価格:おとな600円、こども300円

東京メトロ全線が24時間乗り放題になるきっぷです。銀座、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原といった主要繁華街のほか、霞ヶ関や六本木、表参道、浅草など、JR線では行けないエリアも網羅しています。ただし、メトロの路線網は放射的なので、区間によっては効率的に移動できないこともあります。

東京メトロの初乗り運賃は180円なので、4回乗り降りすれば元が取れる計算です。低価格で都内の主要エリアを移動するにはうってつけです。

東京メトロ24時間券マップ
画像:東京メトロ
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都区内パス

価格:おとな760円、こども380円

「都区内パス」は、東京23区内のJR線が乗り放題になるフリーきっぷです。東京駅を中心に蒲田、西大井、西荻窪、浮間舟渡、金町、小岩、葛西臨海公園までがフリーエリアです。

JR線は、有楽町、渋谷、新宿、池袋、上野、秋葉原など、都内の主要繁華街をカバーしていますし、山手線と中央線を基軸に効率的な移動がしやすい路線網が形成されていますので、これらの地区を中心に周遊するなら、「都区内パス」は便利でしょう。

ただ、浅草や霞ヶ関、六本木・麻布、青山・表参道エリアなど、JR線では行きにくいエリアも少なくありません。東京タワーにもスカイツリーにも訪れにくいです。東京ディズニーリゾートのある舞浜も範囲外です。

山手線内・電車特定区間の初乗り運賃はおとな150円(3kmまで)なので、初乗りを6回以上乗車すれば元が取れる計算です。初乗り区間は短いので、6kmまで170円と考えれば5回で元が取れます。

「メトロ一日券」よりは高いですが、「地下鉄共通一日乗車券」よりは安い価格設定です。

都区内パス
画像:JR東日本
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東京フリーきっぷ

価格:おとな1600円、こども800円

都区内のJR・地下鉄全線が乗り放題になるきっぷです。さらに、都営バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーにも乗車できます。

JR「都区内パス」と「地下鉄共通一日乗車券」を別々に買うと1,660円ですので、それより60円お得です。

「東京フリーきっぷ」があれば、都心部のJR・地下鉄・バスが全部乗り放題ですので、都内の移動はまったくストレスなく、縦横無尽に動き回れるでしょう。

ただ、初乗りで10回程度は電車に乗らないと元が取れないので、観光などで何度も電車に乗るか、バスを組み合わせて移動するのでなければ、お得に活用するのは難しいきっぷともいえます。

かつては「乗るたびに券売機に並ばなくてもいい」というメリットがありましたが、ICカード乗車券が普及したいまとなっては昔の話です。

ですので、「東京フリーきっぷ」は、「何も考えずに都内の電車・バスに乗りたい」と考える人向けでしょうか。

東京フリーきっぷ
画像:JR東日本
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都営地下鉄ワンデーパス

価格:おとな500円、こども250円

都営地下鉄全線が1日乗り放題になるフリーきっぷです。通年発売ではなく、春夏秋冬の指定期間の、主に土休日のみ販売しています。

1日500円という破格値が特徴です。都営地下鉄の初乗りは180円なので、3回乗れば元が取れます。10km以上の区間なら運賃が280円なので、往復で元が取れてしまいます。

ただ、都営地下鉄は、渋谷、池袋、上野といった一部の主要繁華街に駅がないこともあり、使えるエリアは限られます。たとえば浅草と新宿だけを訪れる、といった場合にはお得で便利なフリーきっぷでしょう。

都営地下鉄路線図
画像:東京都交通局

都バス1日乗車券

価格:おとな500円、こども250円

都バスに1日乗り放題のきっぷです(江東01系統を除く)。通年発売です。

都心部において都バスのネットワークは強力なので、バスだけで都内の主要エリアに到達することができます。JRや地下鉄が走っていない臨海副都心へもアクセスできます。

「バス」と聞くと敬遠する方も多いですが、都バスは運転本数が多いですし、バス停は至る所にあり乗りやすいので、実は便利です。

ただし、鉄道に比べ所要時間はかかりますので、長い距離の移動には向きません。また、都心部に渋滞はつきものですので、とくに平日は時間が読めないこともあります。週末の都心部は比較的渋滞しにくいです。

都バスの一般系統の運賃は210円ですので、3回乗れば元がとれます。

都営バス地下鉄路マップ
画像:東京都交通局
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都営まるごときっぷ

価格:おとな700円、こども350円

都営地下鉄、都バス、都電荒川線、日暮里舎人ライナーに1日乗り放題のきっぷです。通年発売です。

都営地下鉄と都バスがあれば、銀座や新宿から臨海副都心まで、都内の主要エリアを訪れることができます。渋滞のない地下鉄と、きめ細やかなネットワークのバスを組み合わせることで、効率のいい移動ができるでしょう。

都営地下鉄、都バスをそれぞれ2回乗れば元が取れます。価格としてはお手頃です。

東京1DAYきっぷ

価格:おとな910円、こども450円(品川発)

京浜急行が発売。「都営まるごときっぷ」に、京急線各駅から往復乗車券がセットになったものです。品川駅で購入すれば、「品川~泉岳寺の往復」と「都営地下鉄、都バス、都電、日暮里舎人ライナー乗り放題」でおとな910円、こども450円となります。

品川のホテルに宿泊しているなど、品川を拠点に都営交通を利用して都内を回る場合は、こういう選択肢もあります。

画像:京急
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東京探索きっぷ

「東京探索きっぷ」も、私鉄の往復乗車券と「都営まるごときっぷ」がセットになったものです。京王とつくばエクスプレスで発売しています。

たとえば、京王線笹塚駅で購入すれば、「笹塚~新宿の往復」と「都営地下鉄、都バス、都電、日暮里舎人ライナー乗り放題」がおとな930円、こども470円となります。

つくばエクスプレス浅草駅で購入すれば「浅草~新御徒町の往復」と「都営地下鉄、都バス、都電、日暮里舎人ライナー乗り放題」がおとな960円、こども490円となります。

私鉄+東京メトロパス

私鉄と東京メトロの1日乗車券がセットになったチケットもあります。

たとえば、「小田急東京メトロパス」は、東京メトロ全線と小田急線(新宿~代々木上原)が乗り放題。小田急線各駅からフリーエリアまでの往復乗車券もセットです。下北沢発を例に取ると、おとな780円、こども350円です。

小田急以外にも、東急、東武、西武、京王、つくばエクスプレスなどで発売しています。

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りんかい線1日乗車券

価格:おとな730円、こども370円

JRの「都区内パス」や、「地下鉄一日乗車券」では、臨海副都心がフリーエリアに含まれません。臨海副都心へ行くなら、りんかい線が便利です。その1日乗車券です。

りんかい線の正規運賃は新木場~東京テレポート間が280円、大崎~東京テレポートが340円ですので、一日乗車券は3回乗れば元が取れるきっぷです。ただ、りんかい線は、1日にそう何度も乗り降りしない路線にも思えますので、予定を考えた上で購入するといいでしょう。

臨海副都心へは、都営バスでもアクセスできますので、都バス1日乗車券(500円)や、都営まるごときっぷ(700円)を使う手もあります。

ゆりかもめ一日乗車券

価格:おとな820円、こども410円

ゆりかもめ全線のフリーきっぷです。正規運賃が新橋~台場間、豊洲~台場間がそれぞれ330円ですので、こちらも3回乗れば元が取れるきっぷです。

ゆりかもめには、このほか、「ゆりかもめ24時間券」もあります。効力は「一日乗車券」と同じで、日を跨いで24時間利用できます。価格はおとな900円、こども450円です。

また、「お台場-有明快遊パス」もあります。お台場海浜公園~有明テニスの森駅間がフリーエリアで、おとな500円、こども250円です。

「ゆりかもめ一日乗車券」「ゆりかもめ24時間券」と「お台場-有明快遊パス」のどちらがお得かは、利用開始駅や目的により異なりますが、お台場に宿泊しているのでなければ、「一日乗車券」や「24時間券」のほうが使いやすそうです。

以下は、臨海エリアの路線概要です。訪問先を確認のうえ、交通機関を選ぶといいでしょう。

臨海エリア地図
画像:ゆりかもめ
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まとめてみると

東京のフリーきっぷのうち、どれを選ぶべきか、というのは、当然のことながら東京でどこを訪れるかによって異なります。たとえば、東京メトロ線だけで用が済みそうな目的地なら、「東京メトロ24時間券」(600円)で事足りるのは言うまでもありません。

都営地下鉄も含めて、地下鉄で都内を移動したいなら、「地下鉄共通一日乗車券」(900円)がいいでしょう。

Tokyo Subway Ticket」(800円~1,500円)が買える方は、第一選択肢にするといいでしょう。事前手続きが必要な場合があるので少し面倒ですが、とくに48時間券や72時間券はおトク度が高いです。2~3日東京に滞在するなら、抜群のコストパフォーマンスで、旅行者の強い味方になることでしょう。

何も考えずに、「東京フリーきっぷ」(1,600円)でJRも地下鉄もバスも乗り放題に!という選択もありますが、1回210円の区間を一日8回乗らなければ元が取れないので、おトク度は低いです。それよりは、JRの「都区内パス」と「東京メトロ24時間券」を合わせて買えば1,360円で済みますし、それで間に合うことが多そうです。

東京メトロを中心に、JR線や都営地下鉄にも少し乗るなら、「東京メトロ24時間券」を軸に、JR線や都営線はその都度運賃を支払う、という方法でもいいでしょう。昔と違って、ICカード乗車券を用意しておけば、きっぷを買う手間を気にする必要はありません。

臨海副都心方面へは、お得感のあるフリーきっぷが乏しいですが、「都営まるごときっぷ」なら都バスと都営地下鉄を組み合わせて臨海副都心と都心部を両方移動できます。

東京駅丸ノ内南口~勝どき駅~東京ビッグサイト(都05-2)や、東京八重洲口~月島駅前~東京ビッグサイト(東16)、門前仲町~東京テレポート駅前(海01)のバスが、都営大江戸線と連絡していて便利です。

なお、上記で紹介したフリーきっぷの多くは、ICカード乗車券でも利用可能です。(鎌倉淳)

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