JALが春秋航空日本の整備業務を全面受託へ。「提携」はどこまで深まるか

JALが春秋航空日本に対し、安全面で支援することでで合意しました。機材整備業務の包括支援を視野に、提携をおこないます。

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「安全品質向上をサポート」

JALによりますと、この提携は春秋航空日本からの要請に基づくもので、春秋航空日本の安全品質向上を目指しサポートしていくことで合意したとのことです。

現在、春秋航空日本の整備は自社運営が基本ですが、一部業務はJALエンジニアリングが受託しています。今後は、JALがオペレーションに関するノウハウを春秋航空日本に提供するほか、整備業務を包括的に引き受ける方針です。

春秋航空日本

冷めたプレスリリース

JALのプレスリリースでは、春秋航空日本との提携について、春秋側からの要請であることを明らかにしたうえで、「日本のLCCマーケットの発展を目的とし、春秋日本の支援を行ない、LCCの安全品質の向上を図ります。春秋日本の安定的な運航維持を実現することで、中国マーケットからの訪日需要拡大にもつなげます」としています。

業務提携にしては冷めた文面です。この文面を見る限りは、同社が経営戦略として提携を目指した様子はうかがえず、むしろ、「LCCや訪日需要拡大は国策だから協力します」といった消極的姿勢すら感じられます。

要請をした春秋航空側の事情は、整備士不足のようです。日本経済新聞12月1日付によりますと、「今後の路線拡大を見据えると、整備士不足に陥る可能性があるため日航から協力を得ることにした」としています。

パイロットの20%が乗務停止

春秋航空日本は、2017年10月までの半年間で、安全上のトラブルなどを理由に、所属するパイロット全体の20%に当たる10人を、乗務停止にしていたことが報じられたばかりです。

推測ですが、報道のタイミングをみると、今回の提携発表は、報じられている「安全上のトラブル」と無関係ではないのかもしれません。

春秋航空日本は、日本ではJAL、ANAと資本関係がない数少ない航空会社です。今後、JALと春秋航空日本の提携がどこまで深まるかはわかりません。少なくとも敵対関係にならないことは、間違いなさそうです。

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