サウジアラビアが観光ビザ解禁を正式発表しました。日本を含む49カ国にオンラインでのビザ申請を受け付けます。女性はアバヤの着用を求められません。
マルチビザが12,600円
サウジアラビア政府は2019年9月27日、外国人向けの観光ビザの発給を開始すると発表しました。サウジアラビアの観光ビザ発給は史上初です。ビザはオンラインで申請でき、9月28日より受付を開始します。
オンライン申請は以下のサイトで、すでに受付を開始しています。
https://visa.visitsaudi.com/
ビザは1年間有効のマルチプルビザで、発行手数料は基本料金300リヤルに健康保険料140リヤルを加えた440リヤル(約12,600円)です。1回につき最大90日間滞在できます。
対象49カ国全リスト
ビザが発給される対象国籍は以下の通りです。
【北米】
アメリカ、カナダ
【アジア】
カザフスタン、韓国、シンガポール、中国(香港、マカオ、台湾含む)、日本、ブルネイ、マレーシア
【ヨーロッパ】
アイスランド、アイルランド、アンドラ、イギリス、イタリア、ウクライナ、オランダ、エストニア、オーストリア、キプロス、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、スロバキア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、ベルギー、フランス、ブルガリア、ポーランド、ポルトガル、マルタ、モナコ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルグ、ルーマニア、ロシア
【オセアニア】
オーストラリア、ニュージーランド
49カ国のリストを見ると、欧米先進国とアジア、オセアニアの主要国が対象になっていることがわかります。中南米やアフリカからは一カ国も入っていません。
中東諸国も対象外ですが、イスラム教徒には巡礼ビザがありますので、観光ビザの枠組みとは別と考えた方がよさそうです。
アバヤの着用も無用
これまで、サウジアラビアのビザは、外国人労働者と商用で訪れるビジネスマン、聖地メッカとメディナを訪れるイスラム巡礼者にのみ許可されていました。それが、異教徒の外国人観光客の訪問を解禁するわけで、同国としては画期的な話でしょう。
また、旅行者に限っては、女性の厳格な服装規定を緩和し、アバヤ(イスラム伝統服)の着用を求めません。女性が同伴者なしで旅行することもできます。
サウジアラビアが、異教徒観光客の受け入れに大きく舵を切ったことで、これからサウジアラビア観光ブームが巻き起こることは間違いありません。ただ、制度はいつ変わるかわかりませんので、気になる方は早めに行った方がいいでしょう。
サウジアラビアの観光ガイドブックは少なく、日本語では「地球の歩き方 ドバイとアラビア半島の国々」の一部に記述がある程度です。英語ガイドブックもあまり見当たりません。