ヨーロッパ旅行に「ETIAS」が必要に。絶対に知っておくべき5つのポイント

2021年導入

ヨーロッパへの渡航に、「ETIAS」という事前認証が必要になります。2021年1月制度開始予定で、あと2年ありますが、事前に知っておくべきポイントをまとめてみました。

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2021年1月導入

ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国へは、現在、日本人はノービザで渡航でき、パスポートさえ持っていればビザ(査証)などの事前手続きは必要ありません。

しかし、2021年1月1日より、域外からの渡航者に対し、新しい事前審査「ヨーロッパ旅行情報認証システム(European Travel Information and Authorisation System =ETIAS)」が導入され、日本人にも適用されます。

いわゆる事前渡航認証で、アメリカのESTA(Electronic System for Travel Authorization=電子渡航認証)と同じ種類のもの、と考えておけばよいでしょう。2021年以降は、訪欧前にETIASの認証が必要になります。

ETIASの制度開始は、当初2020年とされていましたが、2021年1月に延期されました。その要点を見てみましょう。

ETIAS

ポイント1 英国は不要、仏独伊は必要

ETIASの対象となるのは、日本人などビザ免除国からの旅行者が、シェンゲン協定に加盟する26か国へ入国する場合です。入国審査前にETIAS認証を受けることで、個人情報や犯罪歴などをチェックされます。

対象26カ国は以下の通りです。

アイスランド、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン

西ヨーロッパのほぼ全ての国が対象ですが、イギリスとアイルランドは対象外です。つまり、イギリスへ行くにはビザも事前認証も不要ですが、フランスやドイツ、イタリアに行くにはETIASが必要になる、ということです。

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ポイント2 事前に申請しなければならない

こうした事前渡航認証は、アメリカ(ESTA)やオーストラリア(ETAS)などで導入されています。ヨーロッパで導入されるETIASも、基本的にはESTAやETASと同じしくみです。

ETIASはビザと似ていますが、一般的なビザとは異なります。日本を含め、シェンゲン協定加盟国のビザが免除されている国は、引き続きビザ免除でヨーロッパ各国へ渡航できます。ただし、入国条件として事前にETIASを申請し、許可を得なければならない、ということです。

現地空港到着時には取得できません。というより、ETIASを取得していない場合、対象国を目的地とする飛行機にも乗せてもらえないでしょう。

ポイント3 オンラインでしか手続きできない

ETIASの申請手続きはオンラインのみで行います。そのため、申請にはインターネットに接続可能なパソコンやスマートフォンなどのデバイスが欠かせません。申請に必要なものはIC入りのパスポートとETIASの申請費用を支払うためのクレジットカードです。

申請に必要な情報は以下の通りです。

■申請者情報
1.姓
2.名前
3.生年月日
4.その他の名前
5.出生地
6.性別
7.現在の国籍
8.申請者の親の名前
9.自宅の住所
10.メールアドレス
11.電話番号

■パスポート情報
1.パスポート番号の情報
2.他の国籍や市民権に関する情報
3.永住権の住所

■その他質問
1.最初に入国する国
2.学校または現在の職業情報

■適格性の質問
1.病状または他の感染性または伝染性の寄生虫性疾患に関連する。
2.過去の犯罪の有無
3.戦争地域の国への渡航歴
4.移民または渡航履歴について
5.EU加盟国にへの入国拒否または強制送還歴
6.申請者が未成年者の場合、未成年者の責任者の身元について
7.申請者が申請人本人とは異なる第三者によって提出された場合、その者およびその会社の身元(該当する場合)

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ポイント4 取得には最大2週間かかる

ETIASはヨーロッパに到着する前に申請しなければなりません。審査に時間がかかる場合もあるため、渡航予定が決まり次第、早めに申請したほうがいいでしょう。

公式アナウンスによると、ETIASを取得する場合は、遅くとも出国の96時間から最大2週間前までに申請しなければならない、とされています。

ETIASの申請にはパスポートが必要なので、パスポートを取得していない人がヨーロッパ旅行をする場合、パスポートの取得日数+ETIAS取得日数が必要です。

パスポート取得には6営業日程度かかりますので、土日を含めて8日程度。ETIASの2週間をくわえると計22日。つまり、遅くとも、22日前にはパスポート申請を開始しなければならない計算です。

余裕をみて、旅行出発1カ月前にはパスポートの取得手続きを開始したほうがいいでしょう。

ポイント5 有効期間は3年間

申請にかかる費用は7ユーロで、18歳未満は無料です。

ETIASの有効期限は通常3年間と告知されています。1回の渡航期間は90日間とされています。一度ETIASを申請したら、180日の間に90日以上滞在していない限り、有効期間内は何度でも入国できます。つまり、180日間につき90日間の滞在に限られることになります。

パスポートの有効期限が3年以内の場合は、パスポートの有効期限がETIASの有効期限となります。

これまで自由に訪問できたヨーロッパ各国への旅行に、事前手続きが必要になるのは、率直にいって面倒です。ただ、1度取得してしまえば3年間有効ですし、自宅のパソコン、スマホで手続きできますので、さほどの煩雑さはなさそうです。

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