JR東日本「鉄道開業150年ツアー」の研究。9日間で30列車を満喫!

ちょっと修行のような

JR東日本が、鉄道開業150年を記念したツアーを発表しました。東日本エリア30の列車に9日間かけて乗るという商品です。

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東日本エリア30の列車に乗車

JR東日本が発表したのは、「鉄道開業150年・新幹線YEAR2022・東日本エリア30の列車に乗車 周遊9日間」という旅行商品。JR東日本びゅうツーリズム&セールスが企画、実施します。

「新幹線・特急列車・のってたのしい列車など合計30の列車を8泊9日で乗り継いで巡る、鉄道満喫の旅行商品」という趣旨ですが、そのスケジュールがなかなかのものです。ざっとみてみましょう。

■「東日本エリア30の列車に乗車 周遊9日間」日程概要

6/18 (土) 新宿駅07:50頃→特急「新宿さざなみ」→館山駅→内房線→安房鴨川駅→特急「わかしお」→東京駅→特急「ひたち」→仙台駅→ホテルメトロポリタン仙台イースト20:45頃

6/19 (日) ホテル8:40頃→仙台駅→仙山線快速→山形駅→山形新幹線「つばさ」→郡山駅→磐越西線→会津若松駅→SL「ばんえつ物語」→新津駅→信越本線→新潟駅→JR東日本ホテルメッツ新潟19:30頃

6/20 (月) ホテル10:00頃→新潟駅→特急「いなほ」→酒田駅(駅周辺散策100分)→羽越本線→秋田駅→ホテルメトロポリタン秋田17:45頃

6/21 (火) ホテル7:50頃→秋田駅→リゾート「しらかみ」→新青森駅→東北新幹線「はやぶさ」→八戸駅→JR東日本ホテルメッツ八戸14:30頃

6/22 (水) ホテル9:00頃→八戸駅→八戸線→久慈駅→三陸鉄道→宮古駅→山田線→盛岡駅→ホテルメトロポリタン盛岡18:45頃

6/23 (木) ホテル9:15頃→盛岡駅→秋田新幹線「こまち」→大曲駅→奥羽本線→新庄駅→陸羽東線→鳴子温泉駅→鳴子観光ホテル14:30頃

6/24 (金) ホテル9:30頃→鳴子温泉駅→陸羽東線→小牛田駅→石巻線→石巻駅→仙石東北ライン→仙台駅→東北新幹線「やまびこ」→大宮駅→上越新幹線「とき」→越後湯沢駅→湯沢グランドホテル18:15〜19:00着

6/25 (土) ホテル8:45頃→越後湯沢駅→ほくほく線「超快速スノーラビット」→直江津駅→えちごトキめき鉄道→上越妙高駅→北陸新幹線「はくたか」→長野駅→「ナイトビュー姨捨」→姨捨駅→「ナイトビュー姨捨」→長野駅→ホテルメトロポリタン長野21:25頃

6/26 (日) ホテル(乗車まで自由散策)→長野駅→北陸新幹線「あさま」→佐久平駅→「HIGH RAIL 1375」→小淵沢駅→特急「あずさ」→新宿駅19:10頃

〇出発日:2022年6月18日(土)
〇旅行代金:新宿駅発着1室1名利用 300,000 円、1室2名利用 260,000 円
〇募集定員:20名(最少催行人員15名)
〇企画実施:JR東日本びゅうツーリズム&セールス

SLばんえつものがたり

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乗車列車をまとめてみると

乗車列車をまとめてみると、以下のようになります。(列車名がないものは普通列車)

・東北新幹線「はやぶさ」
・東北新幹線「やまびこ」
・山形新幹線「つばさ」
・秋田新幹線「こまち」
・上越新幹線「とき」
・北陸新幹線「はくたか」
・北陸新幹線「あさま」
・特急「新宿さざなみ」
・特急「わかしお」
・特急「ひたち」
・特急「いなほ」
・特急「あずさ」
・SL「ばんえつ物語」
・快速「リゾートしらかみ」
・超快速「スノーラビット」
・「ナイトビュー姨捨」
・「HIGH RAIL 1375」
・内房線
・仙山線快速
・磐越西線
・信越本線
・羽越本線
・八戸線
・三陸鉄道
・山田線
・奥羽本線
・陸羽東線
・石巻線
・仙石東北ライン
・えちごトキめき鉄道

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蒸気機関車から新幹線まで

新幹線は5方面の列車をすべて網羅し、在来線特急でも「ひたち」「あずさ」というJR東日本を代表する両列車を押さえています。一方、定期列車では人気が高そうな「サフィール踊り子」はありませんし、主力特急では「成田エクスプレス」も外れています。

のってたのしい列車はSL「ばんえつ物語」、快速「リゾートしらかみ」、「ナイトビュー姨捨」、「HIGH RAIL 1375」くらいでしょうか。リゾート列車が豊富なJR東日本を乗り回るにしては、ちょっと物足りないラインナップにも思えます。

30列車のうち13列車が、とくに列車名のない「普通・快速列車」です。これらは自由席利用で、着席保証はありません。

「鉄道150年」というテーマに即せば、蒸気機関車から新幹線まで揃えて歴史をたどれ、ディーゼルハイブリッド車両という最新技術も味わえます。蓄電池車両は見当たりません。

トレイビュールームにも

全体に、きっぷを買えばいつでも乗車できる列車です。「このツアーでなければ乗れない」という目玉列車は見当たりません。

とはいえ、参加すれば、JR東日本をとことん満喫できる9日間になるのは間違いないでしょう。宿泊のJR 東日本ホテルズ(仙台・新潟・秋田・八戸・長野)ではトレインビュールームにも泊まれるそうです。

価格は1人1室利用で30万円。1日あたり3万3,000円余。お得とはいえませんが、高くもなく、妥当な金額でしょう。9日間列車に乗りづめの、ちょっと修行のようなツアーですが、乗り続けることで「鉄道150年」を体感できそうです。(鎌倉淳)

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