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UAEに「ルーブル美術館」が開館。「ルーブル・アブダビ」のすごいこと!

オルセーも、ヴェルサイユも、ポンピドゥー・センターも

アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで、「ルーブル・アブダビ」が2017年11月11日にオープンします。本家・フランスのルーブル博物館として初めての海外展開で、中東の新名所として注目を浴びそうです。

2017年11月11日オープン

UAEはアラビア半島にある小さな国で、産油国として知られています。近年は観光業の育成に力を入れていて、そのための新名所として計画されたのが「ルーブル・アブダビ」。アブダビの沖500mに浮かぶサディヤット島に建設されます。

2007年にフランスとUAEの政府間合意で建設が決定し、当初は2012年の開館を予定していました。しかし、世界金融危機などの影響で資金不足や工事の遅延が発生。開館時期は延期に次ぐ延期となりました。それがようやく完成し、開館日が2017年11月11日と発表されています。

ルーブル・アブダビの設計を担ったのは、著名なフランス人建築家ジャン・ヌベル氏。オアシスに茂るヤシと、その木漏れ日である「光の雨」がモチーフで、幾何学模様のドーム屋根が特徴です。

ルーブル・アブダビ
画像:ルーブル・アブダビウェブサイトhttp://www.louvreabudhabi.ae

ダビンチやモネも

本家であるパリのルーブル美術館が運営指導を行い、美術作品も貸与し、特別展も行われます。

作品貸し出しはルーブル美術館からだけでなく、フランス美術館局の関連機関であるフランスの各国立美術館も協力します。オルセー美術館、ポンピドゥー・センター、ヴェルサイユ宮殿、ギメ美術館、ケ・ブランラリー美術館、フランス国立図書館、ロダン美術館などです。

当初は、これら美術館の美術作品300点を展示する予定です。レオナルド・ダビンチ作「ミラノの貴婦人の肖像」や、クロード・モネ作「サン・ラザール駅」、アンリ・マティス作「マグノリアのある静物」、ベルサイユ宮殿にある皇帝ナポレオン1世の肖像画などが、展示予定に含まれています。

要は、フランスの一流博物館の展示物が順繰りにUAEに運ばれるわけです。となると、ルーブル・アブダビは、たんに「ルーブル」の冠をかぶせただけの美術館ではなく、「すごい!」と思わせる展示内容を擁するユニバーサル施設になることでしょう。

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1000億円規模のライセンス料

フランスとアブダビの契約は30年間。アブダビ側は、ルーブルのブランド名使用のために5億2500万ドル、さらに展示品の借用料や運営指導料などで7億4700万ドルを支払ったそうです。

日本円に換算すれば総額1,000億円をゆうに超える金額で、フランスの立場としてはこれ以上ないライセンスビジネスです。さすが観光大国・フランスだけあって、観光資源そのものを輸出してカネに替えるのですから、すごい国です。

アブダビ側とすれば、建設費を含め2,000億円規模の投資になりそうです。「産油国のカネの使い方は……」と僻んでしまいそうですが、何しろ「ルーブル博物館」ですから集客力は抜群で、経済効果は高いと判断したのでしょう。

グッゲンハイムに大英博物館も

ちなみに、ルーブル・アブダビが建設されるサディヤット島には、ニューヨークのグッゲンハイム美術館による「グッゲンハイム・アブダビ」、大英博物館と提携する「ザイード国立博物館」、さらには、日本の国立競技場設計で有名になったザハ・ハディド氏設計の「パフォーマンスアートセンター」(オペラ劇場など)、安藤忠雄氏設計による海洋博物館も作られます。

あわせて5つもの芸術関係施設が建設され、いずれも何らかのビッグネームが関わっているわけです。全部完成したら、「一生に一度は行きたい」といわれるような、世界的な芸術エリアになるかもしれません。

ちなみに、アブダビへは、エミレーツ航空の乗り継ぎ地として名高いドバイから、約140km。バスで2時間程度です。乗り継ぎを1日遅らせて、アブダビへ足を伸ばしてみるのもいいのではないでしょうか。(鎌倉淳)