北方領土ツアーは定着するか。10月に国後島、択捉島への試験事業を実施へ

定期化は不透明

北方領土の国後島、択捉島への日本人向け観光ツアーの試験事業が実施されます。将来は定期的な実施も視野に入れているようです。

広告

共同経済活動で

ロシア連邦観光局は、国後、択捉両島を訪れる日本人向け観光ツアーを試験的に実施すると発表しました。

これは、2019年8月8日にモスクワで開かれた、北方四島の共同経済活動に関する日露の専門家会合で合意したものです。

UrduPoint News / Sputnikによりますと、ロシアと日本の観光当局の代表者と旅行会社の責任者が、ツアー内容や、輸送、その他組織上の問題について議論し、2019年10月に試験的なツアーを開催することで合意したとのことです。

また、ロシア側は南クリル諸島(北方四島)への観光客を2023年までに最大20万人に増やすことを目標に掲げており、試験ツアーが成功した場合、定期的なツアーを開始する計画もあるとしています。

国後島

新たな枠組みが必要に

北海道新聞8月16日付によりますと、「観光客が参加する試験ツアーは、元島民らを対象とした既存のビザなし渡航制度を活用し、1回限りの特例措置として実施する」とのことです。ツアーの定期化については、「実施には経済関係者の四島往来を可能にする新たな渡航枠組みが必要で、実現性は不透明」としています。

10月の試験事業については参加者の資格が限られそうですが、定期化で誰でも参加できるようになれば、ツアーは人気となりそうです。しかし、そのためには現状のビザなし渡航にかわる、新たな渡航枠組みが必要で、実現への大きなハードルになるとの見方です。

北海道の根室港から、国後島の古釜布港まで約40km。小型船で4時間程度です。近くて遠い島への旅が定着するのか、大いに注目です。(鎌倉淳)

広告
前の記事高速バス→田園都市線の「用賀PA乗り継ぎ乗車券」が廃止
次の記事「台湾鉄道博物館」計画が始動。日本統治時代の鉄道工場を保存、583系も展示へ