ひたちなか海浜鉄道、延伸事業許可の詳細。2024年春開業めざす

異例の地方私鉄延伸

国土交通省が、ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸事業を許可しました。阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園の西門付近まで約3.1kmを延伸します。開業予定は2024年春です。

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廃線危機を脱し

ひたちなか海浜鉄道湊線は、JR常磐線の勝田駅を起点に、阿字ヶ浦駅まで14.3kmを結ぶ路線です。2008年までは茨城交通の路線でしたが、廃線危機で第三セクター化され、ひたちなか海浜鉄道に移管されました。

移管後、経営努力もあり利用者が増加基調になり、ひたちなか市が国営ひたち海浜公園までの延伸計画を発表。2020年8月11日に、国土交通省に延伸の事業認可を申請していました。これに対し、国交省は2021年1月15日付で、第一種鉄道事業を許可しました。

阿字ヶ浦駅

交通拠点へ

国交省によると、許可したのは阿字ヶ浦駅から国営ひたち海浜公園西口付近までの3.1km。途中駅は、阿字ヶ浦の土地区画整理地区に設けます。当初は公園中央口付近にも駅を設ける予定でしたが、事業費の兼ね合いで見送られました。新線は大部分が高架ですが、中間駅は地上に設置されます。

ひたちなか海浜鉄道延伸
画像:国土交通省

終着駅は、海浜公園西口の翼のゲート付近に設置し、バスターミナルを併設。交通ターミナル機能を整備します。物産品販売や飲食を提供できる観光拠点の整備も見込んでいます。

ひたちなか海浜鉄道終点
画像:国土交通省

周囲にはアウトレットモールやホームセンター、家電専門店などの大規模ショッピングセンターがあります。湊線の延伸は、公園へのアクセスだけでなく、商業施設の利便性向上の役割も果たします。

近年では珍しい地方私鉄の延伸が、本決まりになりました。事業費は約78億円で、事業者が3分の1、自治体が3分の2を負担します。2022年1月に工事施工認可申請、2024年春の開業を目指しますが、スケジュール的にやや厳しく、遅れる可能性もありそうです。

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