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台湾人、タイ人は北海道、欧米人は広島が好き。訪日客データ分析

ヘビーリピーターはアメリカ人

台湾人やタイ人は旅行者は北海道が好きで、欧米人は広島を訪問する人が多い。こんな傾向が明らかになりました。訪日客のデータを分析したものです。

台湾人だけ北海道2位

これは国土交通省が公表した「訪日外国人流動データ」(FF-Data)でわかったものです。興味深い分析データがいくつかありますので、ご紹介してみます。データは2016年です。

まずは、国籍別の都道府県年間入り込み客数ランキングを見てみましょう。

国籍別 都道府県年間入込客数ランキング
国籍別 都道府県年間入込客数ランキング(FF-Dataの概要と利用例より)

全体的な傾向として、国際線の発着便数が多い東京都、大阪府と、日本を代表する観光地である京都府のいずれかが上位を占めています。

そのなかで、台湾人だけは2位に北海道が入っています。台湾人は北海道が大好きなようで、近年はエアラインの北海道~台湾線が充実してきたこともあり、北海道に直行する観光客が増えたのでしょう。3位は沖縄県ですが、これは距離的な近さゆえとみられます。

タイ人も3位が北海道です。富士山のある山梨県、静岡県が8位、9位に入っているのも特徴的です。タイ人にとっっては北海道と富士山が、日本観光の定番となっている様子がうかがえます。

美瑛

韓国人は大阪、福岡が上位

韓国人は、1位が大阪府、3位が福岡県というのが特徴的です。LCCの路線が豊富で、つながりも深い大阪と、距離的に近い福岡が上位に入ったのでしょう。沖縄県への訪問客も多く、ビーチリゾートもお好きなようです。

いっぽうで、成田空港やディズニーランドのある千葉県がベスト10に入っていません。

広島への興味の違い

イギリス人は4位に広島県が入っています。広島県はアメリカ人で7位、オーストラリア人で6位と、欧米からの旅行者には人気のある訪問先です。

一方、アジア各国の旅行者には、広島県はベスト10にも入っていません。被爆地・広島への興味が、アジア人と欧米人では異なるのでしょう。

オーストラリア人には長野県、北海道と、大型スキー場が集積する両道県で人気となりました。これはよく知られていることです。

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3人に1人が台湾人

エリア別の国籍別旅行者の割合もわかります。運輸局ブロック別の国籍別入り込み客シェアとしてデータがまとめられていて、四半期別に分けられています。

国籍別入込客シェア
国籍別入込客シェア(FF-Dataの概要と利用例より)

たとえば北海道では、台湾人のシェアが通年29~39%と高く安定しています。北海道では、外国人観光客の3人に1人が台湾人といえます。韓国人は夏季に多く、中国人は冬季に多くなっています。

ニセコにはオーストラリア人が集まることで知られていますが、北海道全体でみると、オセアニア系は冬季に多いものの、割合としてはそれほど高くありません。

オセアニア系の割合が高いのは、冬季の北陸信越です。実に20%を占めていて、オーストラリア人のスキー客が多数訪れていることを示しています。

中国地方だけで

ほとんどのエリアで、韓国・台湾・香港・中国の4カ国・地域からの旅行者が過半数を占めますが、中国地方だけは、欧米とオセアニアからの訪問客で過半数を占める時期があります。これも広島人気でしょうか。

九州、沖縄は韓国人と台湾人が非常に多くなっています。地理的に近く、航空路線が豊富にあって、気軽に訪れることができるからでしょう。

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都道府県間の流動量

都道府県間の流動量を示すデータもあります。最も多いのが千葉県と東京都の流動で、じつに年間1000万人もの訪日客が両都県をまたいで移動しています。成田空港と東京ディズニーリゾートの存在が大きいとみられます。

都道府県間年間流動量ランキング
都道府県間年間流動量ランキング(FF-Dataの概要と利用例)

上位は首都圏、近畿圏の流動が多いですが、8位に福岡県と大分県が入りました。福岡から別府や湯布院などの温泉地を訪れる訪日客が多いのでしょうか。

外国人観光客が集まる京都府と一緒に訪れる都道府県としては、大阪、東京、奈良、兵庫、愛知、千葉、神奈川、広島、静岡の順です。日本を代表する観光地とセットで訪れる人が多いようです。

一方、北海道と一緒に訪れるのは、東京、千葉、大阪といった国際空港の立地する都府県のみ。沖縄県は他県との流動が少なく、沖縄だけ訪れて帰る外国人が多いようです。

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鉄道利用の多い県、少ない県

地域別の交通機関分担率の分析もあります。各運輸局ブロック内の移動手段の分担率です。

運輸局ブロック別 交通機関分担率
運輸局ブロック別 交通機関分担率(FF-Dataの概要と利用例)

関東と近畿で鉄道が多く、北海道と北陸信越、四国、九州ではバスが多くなっています。このバスには観光バスと路線バスの両方が含まれます。鉄道の不便な場所ではバス利用が多いのでしょう。北陸信越は、首都圏との移動では鉄道が便利ですが、ブロック内移動は鉄道があまり便利でないことを示しています。

沖縄ではレンタカーやタクシー利用が多いですが、公共交通機関が貧弱であることの裏返しかもしれません。ゆいレールしか鉄道がないので、そのシェアが3%なのはしかたありません。

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リピーターは?

最後に国籍別の訪日回数を見てみましょう。

国籍別来訪回数シェア
国籍別来訪回数シェア(FF-Dataの概要と利用例より)

初来日の割合は、香港と台湾が低く19%。シンガポール29%、韓国34%です。タイも低く36%。これらの5カ国・地域では、おおむね3人に2人以上の訪日客がリピーターということになります。

欧米各国は初来日の割合がおおむね4~5割前後。イタリアとスペインがやや高く、6~7割となっています。南欧は日本からやや遠いからでしょうか。

20回以上のヘビーリピーターは、アメリカの11%がトップ。業務渡航なども含むとみられ、両国のつながりの深さを感じさせます。リピーターの多い韓国、台湾、香港、シンガポールはおおむね8~9%。タイは3%と、ヘビーリピーターの割合は高くありません。

一口に外国人観光客と言っても、アジア系と欧米系では嗜好は異なりますし、アジア系でも国籍により違いがあります。そうした違いを理解しながら、おもてなしをしたいところです。(鎌倉淳)