星野リゾートは、アルツ磐梯と猫魔スキー場をつなぐ連結リフトを建設します。2023-24シーズンに運行を開始する予定で、両スキー場はどう変わるのでしょうか。
星野リゾートが運営
アルツ磐梯は、福島県磐梯町にあるスキー場で、猫魔ヶ岳の南麓にあります。猫魔スキー場は福島県北塩原村にあるスキー場で、猫魔ヶ岳の北麓にあります。両者はかつては別資本でしたが、現在はいずれも星野リゾート傘下の磐梯リゾート開発株式会社が運営しています。
要は、星野リゾートが猫魔ヶ岳の南北にゲレンデを有しているわけです。同社は2008-09シーズンより、「連結プロジェクト」と銘打ち、両スキー場の共通リフト券の発行やシャトルバス運行を行っていました。近年は雪上徒歩ルートまで開設しています。
そしてついに、両ゲレンデ間に連結リフトを建設し、2023-24シーズンの運行開始を目指すと発表しました。
東北有数の規模に
連結リフトの詳細は発表されていませんが、アルツ磐梯のブラックバレーエクスプレス降り場付近から、猫魔のエキサイトキャットチェアリフトの降り場付近をつなぐペアリフトになるとみられます。距離にして400~500m程度のリフトになるでしょう。
猫魔側は上級コースのみの接続となるので利用できる層は限られそうですが、両スキー場が一体となることで、リフト合計13基、33コースを備えるビッグゲレンデが誕生することになります。
総面積は両ゲレンデあわせて189ヘクタールとなります。安比高原(282ha)や蔵王(305ha)には及ばないものの、東北有数の規模のスキー場となります。
猫魔の弱点克服
両スキー場とも、近年はリフトを削減して、実質的な滑走面積は縮小傾向にあります。そのため、連結リフトができたとしても、実態としてどこまで「広さ」を感じられるかは、なんともいえません。
ただ、道路アクセスに難のある猫魔が、アクセスしやすいアルツ磐梯に接続することは、猫魔の活性化としてみれば大きな意味を持ちそうです。
休止中リフトの再開を
アルツ磐梯は高速インターからも近く、ゲレンデサイドにホテルも備えたリゾートスキー場です。
猫魔は北斜面なので雪質には定評がありますが、高速インターチェンジから遠いことと、宿泊施設が近くにないことが弱点でしたので、アルツ磐梯に接続することで、こうした弱点が克服されるわけです。
全体としてみれば、利便性の高いアルツ磐梯が猫魔を吸収する形での一体化が進みそうです。見方を換えれば、アルツ磐梯に「猫魔エリア」が加わることによる、実質的なゲレンデ拡張です。
利用者としても、アクセスしやすいアルツ磐梯から猫魔に滑り込めるのであれば便利です。願わくば、連結リフト開設を機に、休止中リフトやゴンドラの再開も期待したいところです。(鎌倉淳)