JR北海道2017年3月ダイヤ改正、宗谷線・石北線の特急時刻表。旭川発着「サロベツ」と「大雪」は、「ライラック」と接続

JR各社から、2017年3月4日ダイヤ改正の概要が発表されました。注目はJR北海道。ディーゼル特急車両の不足から、宗谷線特急「スーパー宗谷」と石北線特急「オホーツク」の一部列車の系統を旭川で分断します。

系統分断により、旭川発着の宗谷線特急が「サロベツ」、石北線特急が「大雪」となります。詳細ダイヤも発表されました。

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特急運転本数に変化なし

宗谷線では、現在、キハ261系特急「スーパー宗谷」2往復と、キハ183系特急「サロベツ」1往復が札幌~稚内間で運転されています。これを、札幌~稚内間の「宗谷」1往復と、旭川~稚内間の「サロベツ」2往復に再編します。車両はどちらもキハ261系で、現在の「スーパー宗谷」車両をそのまま使います。

石北線では、現在、キハ183系特急「オホーツク」が、札幌~網走間で4往復運転されています。これを、札幌~網走間の「オホーツク」2往復と、旭川~網走間の「大雪」2往復に再編します。車両はどちらもキハ183系で、これも現在の「オホーツク」の車両をそのまま使います。

両線とも、特急の運転本数には変化がなく、札幌直通特急が減少することになります。

稚内駅

旭川で「ライラック」に接続

「サロベツ」「大雪」は、旭川で函館線特急「ライラック」に接続します。「ライラック」は札幌~旭川間を結ぶ789系0代の特急で、「スーパー白鳥」に使われていた車両を転用した新列車です。同じ区間を789系1000代で走る特急が「カムイ」とされ、区別されます。

要するに、「スーパーカムイ」が車両によって列車名が分けられ、789系1000代の5両編成が「カムイ」、789系0代の6両編成が「ライラック」となります。

「ライラック」は「カムイ」より1両多くなります。この座席増により、「サロベツ」「大雪」との乗り継ぎ客を捌きます。

ちなみに、「ライラック」はかつて室蘭~旭川間で運転されていたL特急の愛称で、2007年に廃止されました。「ライラック」という列車名は約10年ぶりの復活となります。

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宗谷・石北線特急時刻表

JR北海道の宗谷線・石北線の、2017年3月からの特急時刻表は以下の通りです。「サロベツ」「大雪」の札幌~旭川間は、接続する「ライラック」の時刻です。

宗谷線特急(2017年3月4日改正)
▽下り
宗谷 札幌07:30→12:40稚内
サロベツ1号 札幌12:00→13:25旭川13:35→17:21稚内
サロベツ3号 札幌18:30→19:55旭川20:06→23:47稚内

▽上り
サロベツ2号 稚内06:36→10:19旭川10:30→11:55札幌
サロベツ4号 稚内13:01→16:48旭川17:00→18:25札幌
宗谷 稚内17:46→11:57札幌

石北線特急(2017年3月4日改正)
▽下り
オホーツク1号 札幌06:56→12:18網走
大雪1号 札幌11:00→12:25旭川12:41→16:35網走
大雪3号 札幌15:30→16:55旭川17:05→20:49網走
オホーツク3号 札幌17:30→23:00網走

▽上り
オホーツク2号 網走05:56→11:18札幌
大雪2号 網走08:06→11:50旭川12:00→13:25札幌
大雪4号 網走12:35→16:19旭川16:30→17:55札幌
オホーツク4号 網走17:25→22:53札幌

車両運用に縛られたダイヤ

宗谷線、石北線とも、車両運用が窮屈になるため、これまでと同じ時刻での運転はできなくなっています。それでも、宗谷線は大きな時間帯変更はありません。一方、石北線特急は、上下とも午前中の運転時間帯に長い空白ができます。

下りは札幌発が06時56分発の次が11時発、上り網走発が08時06分発の次が12時35分発となっていて、4時間程度の空白時間帯ができてしまいます。

午前9時前後のいちばん使い勝手のいい時間帯に札幌発の列車を出せないという、苦肉のダイヤになりました。車両を2編成、毎夜札幌に戻そうとすると、こうしたダイヤ以外に組みようがなかったのでしょう。車両運用に縛られたダイヤといえます。

「ライラック」と「サロベツ」「大雪」の旭川での接続時間は10分~16分。全て同一ホームでの乗り継ぎとなります。特急料金は改札を出ない場合は通算されます。この点では、利用者の負担は最小限にとどまったといえそうです。

「L特急」の呼称が消える

前述したように、今回のダイヤ改正で、函館線特急「スーパーカムイ」が「ライラック」「カムイ」に区別されました。「カムイ」から「スーパー」が抜け、「L特急(エル特急)」の呼称も使われなくなります。

同時に室蘭線特急「すずらん」からも「エル特急」の呼称がなくなります。これにより、JR北海道から、エル特急の呼称が消滅します。

すでに、他のJR各社でもエル特急の呼称は使われなくなっており、JR北海道の愛称廃止により、残るのはJR東海に関連する「しらさぎ」「しなの」「ひだ」のみになります。これら3列車の「L特急」の呼称については、いまのところ廃止の発表はありません。(鎌倉淳)

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