JR四国は、2030年度までの「5カ年推進計画2026~2030」を策定しました。鉄道とバスなどの連携や駅周辺整備を進める一方、利用の少ない線区についても、2次交通を含めた交通体系のあり方を議論。2030年度に方向性を取りまとめます。
国の行政指導を受けて策定
JR四国は2026年8月31日、「5カ年推進計画2026~2030」を公表しました。対象はJR四国管内の全線区で、計画期間は2026~2030年度の5年間です。
JR四国は2021~2025年度にも5カ年推進計画を実施してきました。今回の計画はその後継にあたり、2026年3月の国土交通省による経営改善に関する行政指導に基づいて策定したものです。3月に発表済みの「中期経営計画2030」とは別の事業計画です。
計画では、「利便性向上」「利用促進」「持続可能性向上」「その他」の4分野に分け、線区別、県別に取り組みを進めます。
具体的には、パターンダイヤの導入・拡充、駅への路線バスやデマンドタクシーの乗り入れ、鉄道とバスの共通時刻表、異なる交通機関を利用できる企画乗車券などを盛り込みました。チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」の機能拡充も進めます。

鉄道とバスの連携を深める
計画では、鉄道とバスなどを組み合わせる「公共交通ネットワークの四国モデル」をさらに進めます。
徳島県では、県南部で鉄道とバスによる共同経営を継続し、徳島バス南部とのモーダルミックスを進めます。香川県では、東かがわ市のモーダルミックス推進事業に加え、丸亀~琴平間でモーダルミックスの実証実験を実施します。
愛媛県では予土線でモーダルミックスの実証実験を進め、高知県でも鉄道とバスなどの連携を検討します。鉄道だけで地域交通を考えるのではなく、路線バスやデマンド交通などを組み合わせ、地域ごとに公共交通ネットワークを構築していく考え方です。
1,000人未満は5区間
今回の計画では、2025年度の線区別平均通過人員も公表しました。
1日1,000人を下回ったのは5区間です。予讃線向井原~伊予大洲間が319人、土讃線須崎~窪川間が761人、牟岐線阿南~牟岐間が395人、牟岐~阿波海南間が183人、予土線北宇和島~若井間が107人です。
国土交通省は2026年3月の行政指導で、とくに平均通過人員が1日1,000人を下回り、大量輸送機関としての鉄道の特性を発揮することが難しくなっている線区について、地域の関係者と事業性向上策などを徹底的に議論するよう求めています。
ただし、今回の5カ年推進計画は、これら5区間だけを対象としたものではありません。JR四国の全線区を対象に、地域の関係者と連携して利用促進や利便性向上に取り組みながら、将来の公共交通ネットワークについて検討します。

3600系導入、8000系更新も
利用者に直接関係する設備面の取り組みも盛り込みました。
徳島県内では、6月に高徳線、牟岐線、徳島線で営業運転を開始した新型ローカル気動車「3600系」について、高徳線、鳴門線、牟岐線、徳島線への導入を計画に盛り込みました。
香川県、愛媛県では、特急「しおかぜ」「いしづち」などに使用する8000系特急電車のリニューアルを2027年度まで進めます。
駅周辺では、徳島駅付近の高架化に向けた検討や、鳴門、端岡、坂出、松山、伊野各駅周辺のまちづくりの検討・推進などを盛り込みました。
2030年度に「交通体系」の方向性
JR四国は、計画に基づく取り組みを毎年度検証し、必要に応じて内容を改善します。
計画最終年度の2030年度には総括的な検証を実施し、「2次交通も含めたあるべき交通体系の方向性」を取りまとめる予定です。




















