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ことでん「デジタル券売機」の仰天。無人駅のきっぷ販売をスマホに置き換えへ

駅の券売機は廃止へ

高松琴平電気鉄道(ことでん)が、駅の券売機を廃止し、スマートフォンできっぷを購入する新たな仕組みを導入します。駅のQRコードをスマホで読み取ると、その駅からのきっぷを購入できる方式です。いわば、券売機を利用者のスマホに置き換える施策です。券売機の更新費用が課題となる地方鉄道で、今後、同様の方式が広がる可能性もありそうです。

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「ことでんデジタル券売機」

高松琴平電気鉄道とレシップは、ウェブアプリ型モバイルチケットシステム「QUICK TRIP Ticket」を活用した「ことでんデジタル券売機」を、2026年9月1日から導入します。

無人駅の物理券売機を廃止し、専用アプリ不要のデジタルチケットへ移行する取り組みで、全国で初めての試みです。

名称は「デジタル券売機」ですが、新しい機械を駅に設置するわけではありません。

駅に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取ると、ブラウザ上にきっぷの購入画面が表示されます。そこで目的地や人数を選び、その場で決済します。

購入後は、スマートフォンに表示されたチケット画面を乗務員や駅係員に提示します。紙のきっぷと同様の「見せ券方式」です。

ことでんデジタル券売機
画像:高松琴平電気鉄道プレスリリース

 

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「その駅発」のきっぷだけ買える

このシステムの特徴の一つが、ウェブで販売しながら、従来の券売機に近い買い方を採用していることです。

各駅には専用のQRコードが設置され、そのコードを経由してアクセスした場合に、その駅からのきっぷを購入できます。

たとえば瓦町駅のQRコードからアクセスすれば、瓦町駅発のきっぷを購入できる仕組みです。

どこからでも購入できる一般的なオンライン販売とは異なり、駅ごとのQRコードをサイトへの入口にすることで、乗車駅の誤購入や不正利用を防ぎます。

紙のきっぷを券売機で買う流れを、ウェブ上に置き換えた形といえます。

ことでんデジタル券売機
画像:高松琴平電気鉄道プレスリリース

 
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券売機を「更新しない」という選択

今回の取り組みで注目されるのは、デジタルチケットを導入することに加え、物理的な券売機そのものを減らす点です。

地方鉄道では、自動券売機の老朽化にともなう更新や維持管理が負担になっています。

ことでんでは、一部の主要駅を除いて自動券売機を廃止します。新しい券売機に更新するのではなく、駅にQRコードを設置し、きっぷの販売機能をウェブ上に移します。

ことでんとレシップは、この仕組みによって運用コストを削減し、地域交通を維持する持続可能な仕組みとして定着させることを目指しています。

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専用アプリは不要

利用に専用アプリは必要ありません。

駅に着いてQRコードを読み取れば、その場でブラウザから購入できます。事前にアプリをインストールする必要がないため、日常利用者だけでなく、旅行者にも利用しやすい仕組みです。

日本語のほか、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語にも対応します。

また、ログイン状態を維持できるため、日常的に利用する人は2回目以降、再ログインせずに利用できます。

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スマホがなくても乗車可能

スマートフォンを持っていない利用者に対しては、従来の乗車方法を残します。

これまで通り、運賃を駅係員や乗務員に支払うか、集札箱に入れて利用できます。乗降や運賃の支払いに手助けが必要な利用者についても、駅係員や乗務員が対応します。

すべての利用者をデジタルチケットに移行させるわけではなく、スマートフォンを利用できる人にはデジタル券売機を使ってもらい、それ以外の人には従来方式を残す形です。

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新たな選択肢

「ことでんデジタル券売機」は、仕組み自体は比較的シンプルです。

駅にQRコードを設置し、利用者が自分のスマートフォンで目的地を選んで購入し、乗務員や駅係員には画面を提示します。

これにより、利用者の少ない駅に物理的な券売機を置き続ける必要がなくなります。一方で、「駅できっぷを買い、乗車時に見せる」という利用方法は大きく変わりません。

老朽化した券売機の更新時期を迎える鉄道会社にとっては、新しい券売機を導入する以外の選択肢になり得ます。

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利用者は面倒?

利用者にとっては、券売機できっぷを買うよりは、面倒な印象があります。

ただ、ことでんでは交通系ICカードでの乗車が可能なので、券売機利用者は多くはありません。そのため、今回の施策は、少ない利用者のために券売機を維持するのをやめて、形式的な代替措置を講じるという意味合いも強いとみられます。

現金による支払い方法も残しますので、デジタル券売機が面倒な人は、現金払いを選択するでしょう。となると、デジタル券売機を利用するのは、カードを忘れた地元客か、外国人旅行者などに限られる印象もあります。

多言語対応ができるので、むしろ主要なターゲットは外国人なのかもしれません。

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地方鉄道に広がるか

実際の使い勝手や運用上の課題は、導入後に見えてくるでしょう。ことでんで安定した運用ができ、コスト削減の効果も確認されれば、同様の仕組みを検討する地方鉄道が出てくる可能性があります。

券売機の機能を利用者のスマートフォンに移すという今回の方式は、地方鉄道におけるきっぷ販売の新たなモデルとして注目されそうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。