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羽田空港、手荷物預け「30分前」に厳格化。新幹線との競争に影響も

実質所要時間が増加

羽田空港発の国内線で、2026年9月1日から受託手荷物の預け入れ締切が厳格化されます。JALやANAなど7社は、原則として手荷物の預け入れ締切時刻を出発30分前までとします。定時運航を重視した見直しですが、飛行機の「実質的な所要時間」が長くなり、新幹線との競争にも影響を与えそうです。

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JAL、ANAなど7社が足並み

JAL、ANA、日本トランスオーシャン航空、AIRDO、スカイマーク、ソラシドエア、スターフライヤーの7社は、羽田空港を出発する国内線で、9月1日から手荷物預け締切時刻を見直します。

スカイマークを除く各社は締切時刻を出発30分前に統一するとともに、締切時刻を過ぎた場合は受け付けない運用を徹底します。スカイマークのみ、出発20分前を維持します。

これまでは、JAL系は30分前を目安としていた一方、ANA系とスカイマークは20分前を締切時刻としていました。今後は、スカイマーク以外が30分前、スカイマークが20分前の締め切りとなります。

JAL羽田空港

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搭乗締切時刻の順守も呼びかけ

7社はあわせて、搭乗締切時刻の順守も呼びかけています。

空港では、チェックイン、手荷物預け、保安検査場通過、搭乗のそれぞれに締切時刻が設定されています。今後は、いずれも締切時刻を過ぎると、原則として手続きを受けられません。

羽田空港国内線の場合、保安検査場の通過は出発時刻の20分前まで、搭乗口の通過は10分前です。これらの締切時刻に変更はありませんが、今後、運用を厳格化するので、締め切り時刻を過ぎた場合は、原則として手続きができなくなります。つまり搭乗ができなくなります。

なお、航空券に表示される出発時刻は、ドアが閉まり航空機がスポットを離れて動き始める時刻を指します。このため、出発時刻までに搭乗口へ着けば間に合うわけではなく、搭乗締切時刻(10分前)を過ぎると原則として搭乗できません。

羽田空港JAL締め切り
画像:JALプレスリリース

 

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定時運航を確保

航空各社は、今回の見直しについて、国土交通省航空局の事務連絡や定期航空協会の業界ガイドラインを踏まえたものとしています。

背景として、近年、飛行機の定時運航率が低下しており、とくに羽田発着便で遅延が増えているという事情があります。

旅客の保安検査場や搭乗口への到着遅れが遅延の原因になるケースもあり、航空各社は業界全体で締切時刻の運用の厳格化に踏み切ったわけです。

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保安検査場混雑はどうするのか

ただ、保安検査場についていえば、検査場そのものの混雑で時間内に通過できないという場合もあります。締め切りを厳格化すれば、余裕をもって空港に着いたのに乗り遅れてしまうケースも出てくるでしょう。

保安検査場の混雑は、本来、旅客の責任ではありません。にもかかわらず、混雑が原因で締切に間に合わなかった場合に、本当に旅客の搭乗を拒否できるのかといえば、疑問もあります。

そうした場合の扱いをどうするのか、必ずしも明確ではありません。ただ、現実に保安検査場が大混雑した場合、締切時刻までに通過できない旅客が多数発生するでしょうから、その場合は出発を遅らせることになってしまうとみられます。

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搭乗口まで遠い問題

また、羽田空港についていえば、保安検査場から一部の搭乗口までが遠いという問題もあります。

おりしも、JALは第1ターミナルの北側サテライト(26~29番ゲート)の運用を2026年9月1日に開始します。最寄りの保安検査場からは約1000mの距離があり、通常の速度で歩いても15分程度かかります。

羽田空港北側サテライト
画像:JAL

 

また、ANAの第2ターミナルの47~49番ゲートも、保安検査場から700m程度の距離があり、通常の速度で歩いても10分程度かかります。

ANA羽田空港サテライト
画像:ANAプレスリリース

保安検査場を20分前までに通過しても、一部の搭乗口に10分前までに到着するには、時間的に厳しい締め切り設定となっているわけです。

不慣れな客もいるでしょうし、トイレに立ち寄ることもあるでしょう。このような搭乗口で、搭乗締切を厳格に適用できるのかといえば、やはり難しい部分はあるでしょう。

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航空会社のジレンマ

手荷物預けの締め切り時刻繰り上げは、荷物を持って飛行機を利用する際の「実質的な所要時間」が長くなることを意味します。

とくに、新幹線と競合する区間では、「10分の所要時間増」が与える影響が小さいとはいえず、一定の客離れを覚悟しなければなりません。

いっぽうで、定時運航率が低く、遅延が多いと、それ自体が飛行機の信頼性を損ない、客離れの原因となります。

航空会社としては、締切時刻を厳格化すれば実質的な所要時間が延びて、利用者が離れる可能性があります。一方で、締切を緩めれば遅延が増え、やはり利用者離れにつながりかねません。合理的な時間設定を模索する航空会社のジレンマが浮かび上がります。

羽田空港手荷物預け締め切り時刻
画像:航空7社共同リリース

 
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本気で定時運航率の向上を目指すなら

サテライト搭乗口への接続により、羽田空港の搭乗口への平均距離は長くなっています。それを前提に、本気で定時運航率の向上を目指すなら、保安検査場締切時刻も前倒しすべきでしょう。

しかし、それは手荷物を持たない客の実質所要時間も増えることを意味し、飛行機の競争力低下につながります。そのため、保安検査場締切時刻は維持したままで、まずは受託手荷物のみ厳格化した、というように感じられます。

また、大手航空会社では、羽田空港の受託手荷物の預け入れが機械化されていて、旅客自身の操作で預けるようになっています。慣れていない客は操作に時間がかかってしまうため、保安検査場の締め切りとの間に時間を取ったという側面もあるのかもしれません。

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利用者自身の選択

手荷物預けの締切が前倒しされることで、手荷物を預ける利用者に求められる空港到着時刻は早くなります。

締め切りが20分前なら、30分前に空港に着いていれば間に合いますが、締め切りが30分前なら、40分前になります。出発40分前というのは、結構早めに感じられる人も多いでしょう。

その結果、「新幹線のほうが早い」と感じる区間が増えるかもしれません。とくに、利用者が多い羽田~伊丹線では、小さくない影響があるようにも思えます。

手荷物預けや搭乗手続きの締切が厳格化される以上、利用者はこれまで以上に時間に余裕を持って空港へ向かうほかありません。

一方で、新幹線との競合区間では、実質的な所要時間差が縮まるので、利用者自身にとって合理的な移動手段を選ぶとよさそうです。(鎌倉淳)

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