東京駅丸の内地下中央口の目の前。JR北海道プラザ東京支店は、首都圏在住の旅好きや鉄道好きの方には有名でしょう。すでに報じられていますが、それが閉店となることが決まりました。直接的な原因は丸の内地下エリアの整備事業によるものですが、経費削減の対象にもなったようです。
店舗周辺の整備工事の影響
JR北海道プラザ東京支店によりますと、「店舗周辺の整備工事の影響もあり、移転を検討しましたが、来客数の減少が見込まれ、収支改善の目処が立たないことから、平成27年4月11日をもって、閉店させていただくこととなりました」ということです。
店舗周辺の整備工事というのは、丸の内地下エリア整備のことを指します。2014年7月に整備計画がまとまり、それによりますと、丸の内駅前広場の地下の一部約4500平方メートルを新規掘削し、既存の改札内・外コンコースも含めた全面的な再配置を行うということです。
下記がその整備工事の対象エリアです。JR北海道プラザ東京支店が整備範囲に含まれていることがわかります(JR北海道プラザは「地下中央口改札」という文字の「札」あたりです)。
移転したら来客数が減る
東京駅丸の内駅舎のリニューアルが終わったので、その周辺も一新しようという整備計画のようで、地下中央口付近がちょっとした商業エリアになります。新たに地下を掘り、「エキチカ」エリアを作ったうえで、既存施設・店舗も再配置するようです。
JR北海道プラザもそのエリア内にあり、「移転を求められたけれど、移転したら来客数が減って今より赤字が増えるので、閉店しました」ということのようです。たしかに、今と同じだけの来客数を確保できそうな場所は、近くになかなか見つからないでしょう。
年間2000万円の経費削減
ちなみに、JR北海道プラザ東京支店を閉鎖することで、年間2000万円程度の経費削減になるそうです。つまり、それだけ赤字が出ていたということで、最近のJR北海道の経費削減の対象として、「移転するなら閉鎖してしまえ」となったとみられます。
ここは北海道旅行のPRも兼ねていた場所ですから、年2000万円程度の赤字だけなら受忍し続けることもできたと思います。しかし、移転となると、そのコストを負担してまで赤字事業を継続するのはどうか、という判断にならざるをえなかったのでしょう。
都心で北海道が感じられる場所
まったくの想像ですが、JR東日本は、安めの賃料でJR北海道に現在のスペースを貸していたのではないでしょうか。しかし、時代が変わってしまい、「エキチカ作るから、別の場所に行ってね」となったのかもしれません。
なんであれ、JR北海道プラザ東京支店は、都心のど真ん中で北海道を感じられる素敵な空間でした。それが失われてしまうのはとても残念です。
さようなら、そしてありがとうございました。