アメリカとイスラエルがイランへの攻撃に踏み切りました。関係諸国の空域が閉鎖されたことで、民間機の飛行ができなくなり、海外旅行への影響が大きくなりそうです。紛争が長引けば、日本~ヨーロッパ間の航空券価格も高止まりしそうです。
米軍が大規模攻撃
2026年2月28日から3月1日にかけて、アメリカとイスラエル軍はイラン国内の軍事拠点等に対し、大規模な攻撃に踏み切りました。
イランは報復として、サウジアラビア、バーレーン、カタール、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)といった、米軍基地のある国にミサイル攻撃をしています。
これにより、当面、日本から中東方面へ旅行することは難しくなりました。イランやイスラエルといった紛争当事国はもちろん、UAE(ドバイ)やカタール(ドーハ)のような、これまで比較的安全とみられていた国や都市も紛争に巻き込まれる可能性があり、観光旅行ができる状況ではなくなりました。

湾岸系航空会社が運航停止
軍事攻撃により、イランはもちろん、イスラエル、イラク、ヨルダン、UAE、カタール、バーレーンといった中東の主要国の空域の一部または全部が相次いで閉鎖されました。
中東はアジアとヨーロッパを結ぶ航空ネットワークのハブとなっているため、この地域の空域閉鎖は、たんに中東への旅行だけでなく、海外旅行に広く影響を及ぼし始めています。
最も大きな影響を受けているのが、ドバイを拠点とするエミレーツ航空や、ドーハを拠点とするカタール航空などの、いわゆる湾岸系のメガキャリアです。
エミレーツ航空がドバイ発着、カタール航空がドーハ発着便の運航を停止している模様です。
これらの航空会社は日本からヨーロッパへの乗り継ぎにもよく使われています。日欧の航空会社がロシア上空を経由できないため、湾岸系の航空会社の利便性が高まっていたのですが、そのルートも封鎖された形です。

日欧直行便には影響なし
ロシア・ウクライナ戦争以降、日本と欧州を結ぶ航空路線は「北極回り(ポーラールート)」または「南回り(中東・中央アジア経由)」のいずれかを選択しています。
今回の中東空域の閉鎖により問題となるのは「南回り」です。ただ、現在の日欧の航空会社が南回りで日欧間を飛行する場合、中国、カザフスタン、アゼルバイジャン、アルメニアまたはジョージア、トルコと抜けるルートになっています。
このルートは現時点で飛行可能なので、日欧間の直行便には影響はでていないようです。ただし、JALのヨーロッパから日本への便は、ふだんは偏西風を利用しやすい南回りで飛行しますが、攻撃開始後はグリーンランドを経由する北回りルートに変更しています。

航空券価格は上昇も
今後、軍事攻撃が短期で終了し、民間航空機の運航が再開されれば、影響はそれほど大きくならないかもしれません。ただ、産油国を巻き込んだ戦争により、原油価格が高騰し、燃油サーチャージの引き上げが予想されます。
また、日欧間の旅行で湾岸乗り継ぎルートが敬遠されやすくなるため、日欧直行便の航空券相場は高止まりする可能性があるでしょう。
紛争が長引いた場合の影響は甚大で、原油価格の高騰に供給座席数の減少が重なって、日欧間の航空券相場がより上昇する可能性もありそうです。(鎌倉淳)






















