「バリ得」は、山陽・九州新幹線の、おもに「こだま」が利用できる片道タイプの格安チケットです。日本旅行がインターネット専用で販売している旅行商品で、JR駅窓口では購入できません。
日本旅行のパッケージツアー
「バリ得」は山陽・九州新幹線で片道利用ができる格安チケットです。関西~山陽・四国・九州と、山陽~九州のエリア間で設定があります。
【設定区間】
・新大阪、新神戸⇔岡山~新下関
・新大阪~姫路⇔小倉~鹿児島中央
・新大阪、新神戸⇔高松
・新大阪~姫路⇔松山、高知
・岡山~厚狭⇔小倉、博多
・岡山~新下関⇔新鳥栖~鹿児島中央
(※チケット受取駅に制限があります)
「バリ得」は、インターネット専用販売で、クレジット支払い限定です。発売は出発前日までで、「こだま」「つばめ」と一部「ひかり」のみ利用可です。
このように制限は多いですが、おおむね通常運賃・料金に対して30~40%引きの価格設定となっていて、格安で旅行できます。
バリ得の価格
「バリ得」の新大阪発着の価格は以下の通りです。
発着地 | バリ得 | JR定価 | 割引率 |
---|---|---|---|
岡山 | 4,200 | 6,140 | 32% |
新倉敷 | 5,600 | 7,670 | 27% |
福山 | 6,000 | 8,000 | 25% |
新尾道 | 6,400 | 8,440 | 24% |
三原 | 6,700 | 8,770 | 24% |
東広島 | 8,500 | 10,200 | 17% |
広島 | 8,300 | 10,420 | 20% |
新岩国 | 9,000 | 11,080 | 19% |
徳山 | 10,200 | 12,300 | 17% |
新山口 | 10,700 | 12,850 | 17% |
厚狭 | 11,700 | 13,850 | 16% |
新下関 | 12,000 | 14,070 | 15% |
小倉 | 9,900 | 14,400 | 31% |
博多 | 10,600 | 15,280 | 31% |
新鳥栖 | 11,200 | 16,430 | 32% |
久留米 | 11,400 | 16,450 | 31% |
筑後船小屋 | 11,600 | 16,900 | 31% |
新大牟田 | 12,500 | 17,730 | 29% |
新玉名 | 12,500 | 17,750 | 30% |
熊本 | 13,500 | 18,880 | 28% |
新八代 | 13,800 | 19,240 | 28% |
新水俣 | 15,000 | 20,390 | 26% |
出水 | 15,800 | 21,020 | 25% |
川内 | 16,100 | 21,240 | 24% |
鹿児島中央 | 17,100 | 22,310 | 23% |
高松 | 7,000 | 7,890 | 11% |
松山 | 11,000 | 13,270 | 17% |
高知 | 10,400 | 12,500 | 17% |
※通常期は4/28~5/8を除く日。これらの日には繁忙期価格で設定あり。
※2024年6月30日までの価格。7月1日以降は未定。
他の割引きっぷと比較すると…
最初に注意点として、きっぷが受け取れる駅には制限があります。購入時にはご注意下さい。
席数などは限定されたプランですが、新大阪発着で計算すると、山陽・四国エリアへは約20%程度、九州エリアへは約30%の割引となっています。
最近は値上がり傾向にあり、2年前に比べると、10%程度、割引率が縮小しています。
他の割引きっぷと比較すると、たとえば新大阪~岡山間の4,200円は「行こっか!こだま」の4,970円より安いですが、新大阪~広島間の8,300円は「行こっか!こだま」の8,200円より高いです。
また、JRの正規割引きっぷである「こだま指定席きっぷ」(2人以上で販売)と比較すると新大阪~岡山間は4,600円なので、「バリ得」の4,200円が安いです。しかし、新大阪~広島は7,810円なので、「バリ得」の8,300円が高くなります。
新大阪~博多間の「バリ得」は10,600円。「行こっか!こだま」の11,560円や「スーパー早特きっぷ」13,100円よりも安いです。
新大阪~熊本間の価格は13,500円。「スーパー早特21」の14,340円より安いです。
所要時間は?
「バリ得」は、基本的には「こだま」「つばめ」利用限定で、一部の「ひかり」が利用できます。そのため所要時間は長くなります。
一方、「スーパー早特」は「のぞみ」「みずほ」「さくら」を利用できます。したがって、基本的に「こだま」利用の「バリ得」とは、所要時間は全く違います。
新大阪~博多間の場合、「のぞみ」なら約2時間30分のところ、「こだま」なら約4時間40分。新大阪~熊本の場合、「みずほ」なら約3時間のところ、「こだま」「つばめ」の乗り継ぎなら約6時間20分かかります。新大阪~鹿児島なら約7時間30分です。
これだけ時間差がありますので、値段差と勘案しながら選ぶといいでしょう。
ひかりなら早い
狙い目は、深夜・早朝に走っている一部「ひかり」です。バリ得は原則として「こだま」「つばめ」の利用ですが、一部「ひかり」も利用できます。たとえば、新大阪~博多間なら以下の「ひかり」を利用できます。
【バリ得で利用できる「ひかり」】
新大阪06:06→ひかり591→09:19博多(3時間13分)
新大阪07:34→ひかり531→10:11博多(2時間37分)
博多20:52→ひかり592→23:32進大阪(2時間40分)
これらの「ひかり」を使えば、新大阪~博多間が3時間前後で利用できます。
買い方、使い方
「バリ得」は、日本旅行のインターネット専用商品です。乗車日の前日までに、同社のウェブサイトで購入し、当日までにエリア内のJR駅券売機でチケット(乗車票)を受け取って改札口を通ります。
チケットは列車の指定座席のみ有効で、乗り遅れたら無効となり、後続列車の自由席には乗車できません。途中下車や途中乗車もできません。
セブンイレブンで商品と引き替えられる「ポチッとギフト」が付いています。150円~200円程度のドリンクや菓子と引き替えられます。
そのほか注意点は、キャンセル料がJRの正規販売のきっぷに比べると高いことです。10日前から20%で発生し、7日前に30%、前日に40%、当日出発前に50%となります。
山陽新幹線の格安旅行に
山陽新幹線では、「行こっか!こだま」という格安チケットも、この4月から発売されています。「行こっか!こだま」はEX予約サービスで利用できるチケットレス商品です。
いっぽう、「バリ得」は、乗車票を受け取って利用します。どちらも日本旅行の旅行商品です。
価格帯は似ていますが、区間によって多少の値段差があります。設定区間は「バリ得」のほうが豊富です。
インターネットで前日まで購入でき、当日、駅の券売機で受け取れますので、JRのきっぷをネットで購入するのと、手間はほとんどかわりません。1人で利用できる点も便利です。
ただ、山陽新幹線では「こだま」の運転本数が少ないのが難点です。とくに、新大阪~岡山間は列車本数が少ないので、都合のいい時間帯で列車があるとは限りません。また、山陽区間だけならともかく、山陽・九州新幹線をまたがって乗車すると、時間がかかりすぎます。
それでも、山陽新幹線の頼もしい格安チケットであることに違いなく、うまく活用していきたいところです。(鎌倉淳)
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