「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」の第19弾が放送されました。太川陽介率いるバスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが、房総半島と三浦半島で競う企画です。勝敗を分析してみました。
以下はネタバレ100%です。また、記事公開後に加筆・修正することがあります。あらかじめご了承ください。（文中敬称略）
木更津～九十九里
「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」は、ローカル路線バスを乗り継ぐチームと、ローカル鉄道を乗り継ぐチームが対決するテレビ番組です。
2024年4月10日に放送された第19弾では、「ルイルイ」こと太川陽介率いるバスチームと、「鬼軍曹」こと村井美樹率いる鉄道チームが、千葉県木更津市の金田さざなみ公園から、千葉県九十九里町の九十九里ビーチタワーまで乗り継ぎ対決しました。
途中のチェックポイントは、はちみつ工房（君津市）、THE FISH（富津市）、三崎港朝市（三浦市）、安房小湊・吉夢（鴨川市）、てっぱつ屋（勝浦市）の5箇所です。
バスチームのメンバーは、太川陽介、北乃きい、信子（ぱーてぃーちゃん）。鉄道チームのメンバーは、村井美樹、真飛聖、馬場ももこです。
バスチームが使っていいのはローカル路線バスのみ。鉄道チームが使っていいのはローカル鉄道のみです。ただし、両者とも10,000円までタクシーが利用できます。さらに、チェックポイントに先着するとボーナスがもらえるというルールも設定されています。ボーナスは原則1000円、1箇所のみ2000円となるしくみで、クジにより第4チェックポイントが2000円と決まりました。
ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅 春の房総半島SP
【出演】太川陽介、北乃きい、信子（ぱーてぃーちゃん）、村井美樹、真飛聖、馬場ももこ
【放送日】2024年4月10日(水) 18時25分～21時54分（テレビ東京系列、見逃し配信あり）
バスチームの実際ルート
まずは、ルイルイ率いるバスチームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。☆は獲得したチェックポイント、★は獲得できなかったチェックポイントです。
▽1日目
キサラピア10:13→10:36木更津駅11:35→12:08中島→徒歩2km→12:38はちみつ工房（☆1,000円）→徒歩2km→14:24上根本自治館前14:28→15:03長狭中前/長狭学園正門前15:38→16:21東京湾フェリー金谷港→16:25ザ・フィッシュ（☆1,000円）→金谷港17:20→東京湾フェリー（往復4,800円）→18:00東京湾フェリー久里浜港18:10→18:20京急久里浜駅18:30→18:42YRP野比駅18:49→19:11林19:28→19:57三崎港（☆1,000円）
▽2日目
三崎港05:40→05:55三崎口駅06:26→06:38林06:57→07:21YRP野比駅07:35→07:46京急久里浜駅07:55→08:05東京湾フェリー久里浜港08:20→09:00東京湾フェリー金谷港10:15→ 11:16（遅延11:32）鴨川シーワールド→徒歩0.7km→亀田総合病院→タクシー約6.5km、2,900円＋徒歩0.3km→安房小湊駅→徒歩1.5km→吉夢（★）→タクシー5,300円＋徒歩0.4km、計13km→勝浦駅13:15→13:46佐野宮下→てっぱつや（★）→佐野宮下16:01→16:20大多喜車庫17:20→18:00茂原駅南口／東口18:20→18:48白子車庫19:10→19:20白里海岸→徒歩3km→19:35九十九里ビーチタワー
第5チェックポイント（てっぱつや）から先は、VTRではっきり時刻が表示されていませんが、時刻表をたどると白里海岸に19時20分着。ゴールの九十九里ビーチタワーには19時35分頃に到着したようです。
鉄道チームの実際ルート
つぎに、鬼軍曹率いる鉄道チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogle Mapにより測定しています。
▽1日目
金田さざなみ公園→徒歩3.5km→10:34袖ヶ浦駅10:54→11:09君津駅→徒歩8.3km→13:08はちみつ工房（★）14:14→徒歩8.3km→君津駅15:44→16:22浜金谷駅→徒歩0.5km→16:30ザ・フィッシュ（★）→徒歩0.5km→浜金谷駅18:25→18:54君津駅19:26→20:55東京駅→品川駅21:29→22:43三崎口駅→徒歩5.7km→00:29三崎港（★）
▽2日目
三崎港→タクシー4.4km、2,000円→引橋付近→徒歩1.5km→三崎口駅06:25→06:37京急久里浜駅→徒歩2km→久里浜港07:20→フェリー2,700円→08:00金谷港→徒歩0.5km→浜金谷駅08:19→08:43館山駅09:36→10:22安房鴨川駅10:35→10:45安房小湊駅→徒歩1.5km→吉夢（☆2,000円）→徒歩1.5km→安房小湊駅12:44→13:02勝浦駅13:15→タクシー10.7km、4,600円→てっぱつや（☆1,000円）14:22→徒歩3.1km→総元駅14:58→15:51大原駅16:32→16:48上総一ノ宮駅16:51→17:12大網駅17:17→17:24東金駅→タクシー3,600円＋徒歩、計9.5km→18:20九十九里ビーチタワー
最終局面では、総元駅14時58分の列車に間に合い、時刻表をたどると東金駅に17時24分に到着します。そこからタクシーの残金を投じて足りない分は歩き、ゴール到着は18時20分ごろだったようです。
海沿いに金谷を目指したら
では、両チームのルートを検証してみましょう。最初はバスチームです。
スタート地点に近いキサラピアのバス停から木更津に至り、中島から第1チェックポイントのはちみつ工房に至ります。第2チェックポイントは内房の金谷にありますが、ここでルイルイは、鴨川方面行きのバスに乗りこみました。
鴨川を経由すれば、金谷方面に乗り継げることは見通せていました。では、ここで、君津に戻り、海沿いに金谷を目指していたらどうなっていたでしょうか。
▽1日目
はちみつ工房→徒歩2km→14:30中島15:30→15:53君津駅南口16:20→16:51大貫駅東口→タクシー11km→上総湊駅17:40→17:57金谷港
バスは大貫駅まで行けますが、ここで途絶えてしまいます。上総湊まで行けばバスがありますので、大貫駅～上総湊駅までの約11kmでタクシーを使うハメに陥ってしまうでしょう。その場合でも、金谷港に着くのは実際ルートより1時間半ほど遅くなってしまいます。
したがって、ルイルイが鴨川ルート（長狭乗り換え）を選択したのは正しかったと言えます。
三崎港のミス
実際ルートに戻ります。バスチームは第2チェックポイントのザ・フィッシュも先取し、東京湾フェリーに乗り込んで、下船後、三崎港まで乗り継ぎます。三崎港にも先着し、ボーナスを3連取。順調に1日目を終えました。
2日目、ルイルイらしからぬミスを見せます。始発バスは5時台にもかかわらず、6時台と思い込み、三崎港のミッションを5時過ぎにスタートしてしまいました。
結果として、三崎港出発が5時40分のバスとなります。三崎口駅での乗り継ぎも悪く、東京湾フェリーは8時20分発の便となりました。さらに、金谷港からのバスが遅延し、鴨川シーワールドでの乗り継ぎに失敗。タクシーを投入して追いすがるも、第4チェックポイントを取り逃してしまいます。
三崎港を始発で出発したら
では、さかのぼって、三崎港を始発のバスで出発していたらどうなっていたでしょうか。
始発バスは、5時20分の三浦海岸駅行きです。三浦海岸駅からタクシーを拾って、東京湾フェリーを目指すと、始発の出港便に間に合います。
▽2日目
三崎港05：20→05:42三浦海岸→タクシー8km、3,000円→東京湾フェリー06:20→07:00金谷港→タクシー5,200円＋徒歩、計16.5km→平塚入口08:22→08:59鴨川シーワールド09:37→09:57小湊駅前→吉夢（☆2000円）11:00→徒歩6.1km→興津郵便局12:23→12:46勝浦駅13:15→13:46佐野宮下→てっぱつや（☆）14:30→タクシー2,000円＋徒歩、計8km→大多喜車庫15:30→16:10茂原駅南口／東口16:20→16:48白子車庫17:35→17:45白里海岸→徒歩3km→18:26九十九里タワー
金谷港から鴨川行きのバスは、実際ルートの10時15分発までありませんが、平塚入口までタクシーで急げば8時22分発のバスに間に合います。すると、小湊には10時頃に到着して、先着ボーナス2,000円を獲得できます。
「おらが丼」を10時台に出す店もありますので、うまく見つけ出せれば、11時に出発し、興津からバスに乗り継いで、白里海岸に17時45分着。Googleマップによれば、九十九里ビーチタワーまで40分なので、18時25分頃にゴールできそうです。ルイルイの足なら、もう少し早く、18時20分頃のゴールが可能かもしれません。
この場合、鉄道チームは第4チェックポイントの2,000円を得られないので、乗り継ぎが実際と同じでも、最後に4km余分に歩かなければなりません。となると、到着は19時30分頃になりますので、バスチームが1時間ほどの差をつけて勝利することができます。
バスの遅延の影響は？
実際ルートに戻ります。バスチームは三崎港を05時40分に出るバスで出発し、久里浜港を8時20分に出港するフェリーに乗り込みました。金谷港には9時00分に到着します。10時15分発の鴨川方面行きバスに乗り継いで、鴨川シーワールドで降車しました。
金谷港から鴨川シーワールドへのバスは3月31日で廃止されてしまいましたので、ロケではギリギリ乗車できたことになります。フェリーから乗り継いで利用できるのは10時15分発が最初の便なので、三崎からタクシーを使わない場合、最善の乗り継ぎで鴨川に到達したことになります。
しかし、週末とあって道路が渋滞。鴨川シーワールドで小湊方面行きのバスを乗り逃します。慌ててタクシーを手配して小湊に達し、さらに勝浦までもタクシーを使ったため資金が枯渇。この後はタクシーを使うことができなくなってしまいました。
バスの遅延がなかったら
では、金谷からのバスに遅延がなく、定刻に鴨川シーワールドに到着していたらどうなっていたでしょうか。以下のような乗り継ぎとなります。
▽2日目
金谷港10:15→ 11:16鴨川シーワールド11:27→11:47小湊駅前（★）→吉夢12:30→タクシー5,300円＋徒歩、計13km→勝浦駅13:15→13:46佐野宮下→てっぱつや（★）→タクシー2,900円＋徒歩、計8km→大多喜車庫15:30→16:10茂原駅南口／東口16:20→16:48白子車庫17:35→17:45白里海岸→徒歩3km→18:25九十九里タワー
先ほどの三崎港を始発で出た場合と同様、大多喜車庫15時30分発のバスに乗車でき、九十九里ビーチタワーに18時25分頃に到着します。この場合、鉄道チームは実際ルート通り18時20分頃にゴールしていますので、バスチームは惜敗です。
ただ、バスチームが早歩きすれば勝てていた可能性もありますので、時間帯としては互角でしょう。
定時運行の必勝ルート
バスが定時運行の場合に、必勝ルートがなかったわけではありません。たとえば、以下のような方法もあります。
▽2日目
金谷港10:15→ 11:16鴨川シーワールド11:27→11:47小湊駅前→吉夢（★）12:30→タクシー18km、7,400円→13:00てっぱつや（☆1,000円）13:40→タクシー1,800円＋徒歩、計8km→大多喜車庫15:30→16:10茂原駅南口／東口16:20→16:48白子車庫17:35→17:45白里海岸→徒歩3km→18:25九十九里タワー
第4チェックポイント～第5チェックポイントの間で、タクシーを使うのがポイントです。
実際ルートでは、鴨川～小湊間でタクシーを使っているので、第4～第5CP間をタクシーで走りきるだけの残金は残されていません。しかし、バスが定時運行なら、鴨川～小湊間もバスに乗れるので、タクシー代を温存できます。それを使って、第4チェックポイントから第5チェックポイントまでタクシーで直行します。
すると第5チェックポイントのボーナスを確保できます。これでバスチームの大多喜車庫までのタクシー代を捻出できるだけでなく、鉄道チームのタクシー代を減らすことができます。
バスチームのゴール到着時刻は18時25分ごろで、前出の定刻の勝浦ルートと同じです。しかし、鉄道チームはタクシー代が1,000円減ると、最終局面で歩く距離が長くなり、到着時刻は20～30分遅れます。すると、相対的にゴール時刻はバスチームが早くなり、バスチームが勝利できることになります。
コミュニティバスの活用
さらには、こういうルートもあります。
▽2日目
金谷港10:15→ 11:16鴨川シーワールド11:27→11:47小湊駅前（★）・吉夢12:30→タクシー18km、7,400円→13:00てっぱつや（☆1,000円）13:40→タクシー4km、1,800円＋徒歩5km→増田橋14:50→15:25茂原駅南口／東口15:40→16:08白子車庫16:30→16:40白里海岸→徒歩3km→17:20九十九里センター
大多喜から少し東の増田橋まで歩けば、いすみ市のコミュニティバスがあり、14時50分発のバスに乗車できれば17時20分頃にゴールとなります。鴨川からのバスが遅延せず、ミッションを手早く終わらせ、このルートに気付くことができれば、バスチームが圧勝できていた可能性もあるでしょう。
ただ、その可能性は高くはないので、参考ルート程度です。
コミュニティバスの活用
まとめると、バスチームが鴨川にバスが定刻に到着した場合、勝浦ルートでは勝利できませんが、第4チェックポイントから第5チェックポイントまでタクシーを使えば、互角の勝負に持ち込むことができました。
鴨川到着のバスが遅延してしまうと、鴨川～小湊間でタクシーで使うほかなくなってしまい、第5チェックポイントへタクシーで直行することはできなくなります。
そうすると、鉄道チームが実際ルートをたどった場合、バスチームの挽回方法はなくなります。つまり、鴨川からのバスが遅延してしまった時点で、鉄道チームがミスをしない限り、バスチームの勝利の芽はなくなってしまっていた、ということになります。
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バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第19弾 木更津～九十九里を分析する。【2】
