中部横断自動車道の静岡~山梨区間の開通にあわせて、静岡駅~甲府駅間の高速バスが運転を再開します。所要時間は2時間を切り、JR特急「ふじかわ」との差が広がります。
新ルートで運行
しずてつジャストラインと山梨交通は、2021年8月29日から、高速バス「静岡甲府線」(竜王・甲府~静岡線)の運行を再開すると発表しました。同路線は、土休日のみ運行で、新型コロナウイルス感染症の影響で運休していましたが、同日より再開します。
再開後の「静岡甲府線」は、中部横断道を使った新ルートで運行します(29日午後便から)。同日に、中部横断道の静岡~山梨区間が全通することにあわせたものです。
これにより、静岡駅前~甲府駅の所要時間はこれまでの最短2時間10分から、最短1時間55分となります。15分の時間短縮で、同区間の高速バスが2時間を初めて切ることになります。
2012年の運行開始当時は2時間48分かかっていたので、比べると53分も短縮したことになります。一般道区間が短くなるので、定時性も向上することでしょう。
「静岡甲府線」(竜王・甲府~静岡線)の時刻表は以下の通りです。
「ふじかわ」より安く速く
静岡~甲府間には、JRの特急「ワイドビューふじかわ」も走っています。「ふじかわ」の所要時間は最短2時間14分で、2時間17~18分程度が標準的です。これまでは高速バスと互角でしたが、これからは高速バスより約20分程度、時間がかかることになります。
運賃で比較すると、高速バスは片道2,600円ですが、JR特急は4,170円(自由席)です。高速バスは、JR特急「ふじかわ」より安く速いわけで、価格面でも所要時間でも優位に立ちそうです。
運転本数については、高速バスが土休日に1日2往復に対し、特急「ふじかわ」は毎日7往復あり、JRが有利です。ただ、新型コロナが収束した後は、高速バスの増便も予想されます。
高速道路の開通で、高速バスがJR在来線特急より優位に立つ例は、全国で枚挙に暇がありません。静岡~山梨間でも、同じような状況が起こるのでしょうか。(鎌倉淳)