宮蘭フェリー(宮蘭航路)が開設1周年記念として、旅客運賃や乗用車運賃を40%も割引くキャンペーンを実施します。ゴールデンウィークと夏休み期間を含む長期間のディスカウントです。
開設4カ月でスケジュール変更
宮蘭フェリーは、2018年6月22日に開設された新しい航路です。しかし、乗船率は振るわず、運航するシルバーフェリー(川崎近海汽船)では2018年10月6日より運航スケジュールを変更。南下便は八戸寄港とし、週1日の運休日を設けました。
現在の時刻表は以下の通りです。
■宮蘭フェリー時刻表
室蘭20:50→03:30八戸04:00→07:55宮古
宮古09:25→19:25室蘭
この時刻変更により、室蘭~八戸の航送需要も取り込んでいますが、依然として乗船率は低迷しているようです。
三陸復興キャンペーン
そこで、シルバーフェリーでは、「三陸復興キャンペーン」として、宮蘭航路開設1周年記念割引を実施。シルバーフェリーの宮古~室蘭間について、乗用車や旅客料金を40%割引することを決めました。
適用区間は宮古~室蘭と、八戸~室蘭。割引対象は乗用車、旅客、バイク、自転車。適用期間は、2019年4月26日~9月30日。ただし、就航船の定期検査期間にあたる、5月6日室蘭発便から同17日宮古発便までは除きます。
宮古~室蘭間の2等運賃は6,000円ですので、キャンペーン期間中は3,600円で利用できることになります。乗用車料金は、全長4~5mの中型車の場合、宮古~室蘭の通常料金は26,000円(運転手1人の2等室料金含む)ですので、期間中は15,600円となります。
八苫フェリーより安く
宮蘭フェリーの運行距離は約330kmです。この距離で運賃3,600円は破格といっていいでしょう。八戸~苫小牧フェリーが5,000円ですので、それよりも安くなります。航路の利用率が低迷するなか、まずは乗ってもらって認知を広げたいという思惑が船会社にあるようです。
空前の10連休となるゴールデンウィークや、観光需要のピークとなる夏休みに割引をぶつけてきた点でもインパクトがあります。宮蘭フェリーは、週1回の運休日を設けていますが、ゴールデンウィーク中は全日運航します。
アクセスは改善
宮蘭フェリーを利用する際のネックは、宮古港へのアクセスでしょう。これについてはだいぶ改善し、三陸沿岸道路が仙台港北ICから伸びており、完成に近づきつつあります。2019年3月末で、仙台港北IC~宮古南ICの未開業区間は3箇所のみとなります。
三陸道は鳴瀬奥松島以北は料金不要なので、割引中の宮蘭フェリーを使えば、格安で仙台~室蘭間をクルマで移動できそうです。
鉄道に関しても、JRから移管された三陸鉄道リアス線の磯鶏駅が、2019年3月24日に営業開始。宮古フェリーターミナルから1.4kmの距離にあり、鉄道と徒歩での乗船が可能になります。
今年の夏は、破格値の宮蘭フェリーを活用して、北海道に行くのも良さそうです。(鎌倉淳)