沖縄、奄美へのフェリー全航路まとめ。所要時間と価格、格安利用術を徹底紹介!

鹿児島発着が残る

沖縄・奄美へのフェリー航路は少なくなりましたが、まだ残っています。全てのフェリー航路と所要時間、格安利用術などを比較しながらまとめてみましょう。

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鹿児島発着が残る

沖縄・奄美へのフェリー航路は、現在、鹿児島発着が運航しているのみです。かつては東京や大阪、神戸などからの航路もありましたが、東京航路は2014年に、大阪・神戸航路は2017年に休止(事実上の廃止)されています。

残された鹿児島~奄美~沖縄航路について、表にしてみました。

旅客運賃はオフシーズンの最低運賃、車両運賃は4m~5mの乗用車の最低運賃を示しています。いずれも時期により価格が変わります。

運航本数は1日あたりの標準的なスケジュールを示していて、路線により休航日があったり、時期や曜日により減便や増便がおこなわれることもあります。

沖縄・奄美へのフェリー全リスト
航路 運航会社 所要時間 運航本数 旅客運賃 車両運賃
鹿児島~名瀬 マルエーフェリー
マリックスライン
11時間 1往復 10,690円 55,550円
鹿児島~名瀬 奄美海運 14時間 1往復 10,690円 55,550円
鹿児島~那覇 マルエーフェリー
マリックスライン
25時間 1往復 16,350円 95,850円

※旅客運賃は大人1人の最安クラスの最低価格を表示。クラスや季節により変動する。車両運賃は4m~5mの乗用車。
※運航本数は1日あたりの標準的な数字。路線により休航日あり。

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2社が交互運航

鹿児島~奄美~沖縄航路は、マルエーフェリー(A”LINE)とマリックスラインの2社が交互に運航していて、両社で1日1往復です。途中、名瀬(奄美大島)、亀徳(徳之島)、和泊(沖永良部島)、与論(与論島)、本部(沖縄本島)に寄港して、那覇に至ります。

所要時間は、鹿児島~名瀬が11時間、鹿児島~那覇が25時間です。

マルエーフェリーは「フェリーあけぼの」(2008年)「フェリー波の上」(2012年)の2隻体制で、マリックスラインは「クイーンコーラルクロス」(2021年)、「クイーンコーラルプラス」(2008年)の2隻体制です。

いずれの船も8,000トン級で、2等から特等まで数種類の客室を備えます。最安値の2等は大部屋タイプで、さらに寝台やカプセル、個室とバリエーションが揃います。船内設備として、レストラン、売店、シャワールームなどを備えます。「クイーンコーラルプラス」には浴室があります。

2等旅客運賃は、鹿児島~名瀬が10,690円、鹿児島~那覇が16,350円です。車両運賃は鹿児島~名瀬が55,550円、鹿児島~那覇が95,850円です。往復割引(復路10%)、学生割引(20%)などの割引があります。

鹿児島は鹿児島新港の発着で、鹿児島中央駅から約4km。鹿児島中央駅から天文館などを経由する連絡バスが運行されていて、20分~30分かかります。那覇港は、ゆいレール旭橋駅から800mほどです。

マリックスライン

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奄美海運

鹿児島から、喜界(喜界島)、名瀬(奄美大島)、古仁谷(同)、平土野(徳之島)を経て知名(沖永良部島)に至る航路もあります。マルエーフェリー系列の奄美海運が運航しています。

上記の名瀬・那覇航路が経由しない喜界島のほか、奄美大島南部の古仁谷、徳之島西部の平土野、沖永良部島南部の知名に寄港します。奄美大島や徳之島、沖永良部島は結構広いので、目的地によっては奄美海運の航路を使うといいでしょう。

鹿児島発月~金、知名発火~土の、おおむね週5便程度の運航です。鹿児島~名瀬間の所要時間は14時間で、価格は直行便(名瀬・那覇航路)と同じです。

船舶は「フェリーあまみ」と「フェリーきかい」の2隻体制で、2,500~3,000トンくらすの中型フェリーです。名瀬・那覇航路に比べると小ぶりです。

奄美海運「フェリーあまみ」

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沖縄・奄美へのフェリー利用術

沖縄・奄美へのフェリーは、かつて、琉球海運、有村産業、関西汽船、大島運輸といった会社が、東京、大阪、神戸、博多、鹿児島から運航していました。

しかし、本州・九州での高速道路の発達とLCCの登場で、徐々にその役割を減らし、多くはRORO船(トラックや荷台のみ輸送する船)に転換されています。貨客をあわせて載せるフェリーは、鹿児島航路が残るのみとなりました。それでも毎日運航で鹿児島から那覇まで行けるのは嬉しいことです。

鹿児島~那覇航路は、途中で本部港にも立ち寄ります。本部は沖縄美ら海水族館に近く、本部~那覇のみの乗船も可能です。那覇7時発、19時着で、所要時間は1時間50分。那覇から美ら海水族館への日帰り旅行にも適していて、沖縄旅行のバリエーションとして活用できます。(鎌倉淳)

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