後志自動車道の小樽~余市間が、2018年12月8日に開通します。札幌市内からニセコ方面へのアクセスが改善しそう。さらに倶知安への延伸事業も進められています。
札幌~余市が19分短縮
NEXCO東日本は、後志自動車道(北海道横断自動車道)の小樽ジャンクション(JCT)~余市インターチェンジ(IC)間を、2018年12月8日に開通させると発表しました。
小樽JCT~余市IC間の距離は23.3km、途中に小樽西ICが設けられます。片側1車線の暫定供用です。開通により、札幌~余市間の所要時間は、現在の1時間14分から19分短縮されて、55分になります。札幌~倶知安間は、約1時間50分になります。
小樽JCTはいわゆるハーフジャンクションで、小樽ICから余市方面へ抜けることはできません。
余市~倶知安間も整備
後志自動車道は北海道横断自動車道の一部で、小樽~倶知安間62.4kmで整備がすすめられています。今回開通する小樽~余市間はNEXCO東日本が整備し、未開業として残る余市~倶知安間39.1kmについては、倶知安余市道路として北海道開発局が整備を進めています。
倶知安余市道路は、余市~共和間27.6kmが2016年度着工済み、共和~倶知安間が2018年11月23日に着工します。
札幌~倶知安間は、現在2時間10分かかりますが、余市~共和間が開通すれば1時間40分に、余市~倶知安間が全通すれば1時間30分に短縮されます。
新千歳空港~倶知安間は、現在2時間40分かかりますが、余市~共和間が開通すれば2時間10分に、余市~倶知安間が全通すれば2時間に短縮されます。
新千歳空港からニセコに向かう場合、現在は、支笏湖から国道276号線経由が一般的ですが、後志自動車道の共和開通後には高速道路利用も増えそうです。
ニセコエリアに高速交通網
北海道の場合、都市部を除けば一般道でもそれなりの速度で走れますから、高速道路ができても大きな時間短縮効果はありません。しかし、峠をトンネルで抜けることができますので、冬季には高速道路は威力を発揮します。
そうした視点で見ると、新千歳空港からのアクセス改善効果が発揮されるのは、倶知安余市道路が全通してからでしょう。新千歳空港から峠を一つも超えずに倶知安に到達できますので、冬季の運転はラクになります。
倶知安余市道路の開通予定は着工から10年後が想定されています。そのため、共和までが2025年度頃、倶知安までが2027年度頃になるとみられます。
倶知安へは北海道新幹線の建設も進められています。開業予定は2030年度末です。2020年代後半から2030年頃にかけて、ニセコ・倶知安エリアの高速交通体系が一気に整うことになりそうです。(鎌倉淳)