エスコンフィールドの利用者増を追い風に、JR北海道の千歳線が好調です。2025年度も輸送密度が増加し、札幌圏の黒字化にも貢献しました。一方で、快速「エアポート」の混雑は激化し、輸送力増強が新たな課題となっています。
札幌圏が黒字に
JR北海道によると、2025年度の千歳線(白石~苫小牧)の輸送密度は48,052人キロとなり、前年の47,377人キロから675人キロ増加しました。収益も改善し、札幌圏の営業損益が全体として黒字となりました。
千歳線の好調の要因について、同社は、2025年4月の運賃改定に加え、新千歳空港駅の利用増加や北海道ボールパークFビレッジ(エスコンフィールドHOKKAIDO)へのアクセス需要が年間を通じて堅調だったことを挙げています。

北広島駅の利用者が増加
Fビレッジ最寄りの北広島駅では、開業した2023年以降、試合開催日を中心に、利用が大きく伸びています。2022年度に1日約6,600人だった駅利用者数は、2023年度に約9,000人に跳ね上がり、2024年度は9,500人を突破しました。
2025年度の駅利用者数は未発表ですが、Fビレッジの2025年の利用者数は、対前年比約12%増となっているため、北広島駅の利用者数も1万人前後に達した可能性があります。
Fビレッジでは、プロ野球だけでなく、コンサートや各種イベントも開催されるようになり、年間を通じて安定した利用が生まれています。
2025年は、ファイターズ主催試合で223万人を動員したのに対し、イベント・通常営業で236万人を集客しており、野球以外の来訪者のほうが多くなっています。これにより、通年で千歳線の利用者が増えているようです。
快速エアポートの利用も好調
いうまでもありませんが、新千歳空港利用者の増加も、千歳線の利用者増につながっています。JR北海道によれば、札幌~新千歳空港間を結ぶ快速「エアポート」の利用者は、対前年度比6%増となりました。
JR北海道は近年、快速「エアポート」を増発し、2024年ダイヤ改正で日中毎時6本体制としました。しかし、空港利用者の増加に加え、Fビレッジへの利用も重なり、ピーク時間帯の混雑は激化しています。輸送力に再び余裕がなくなりつつあるといっていいでしょう。
千歳線の容量問題
千歳線が、いまやJR北海道で最大のドル箱路線になったのは確かです。現状をみれば、快速「エアポート」のさらなる増発や、長編成化が必要になっています。そこで課題となっているのが、新千歳空港駅の容量です。
新千歳空港支線は単線で、空港駅のホームも6両編成までしか対応しておらず、増発や長編成化には限界があります。
このため北海道は国に対し、千歳線の輸送力強化への支援を要望しています。2026年3月には、鈴木直道北海道知事が、JR千歳線の輸送力強化に向けた抜本的な改修と財政支援を求める要望書を、国土交通省に提出しました。
新駅も開業予定
2028年度にはFビレッジ最寄りとなる新駅の開業も予定されています。現在は北広島駅からシャトルバスや徒歩でアクセスする必要がありますが、新駅の開業によって駅直結となり、鉄道の利便性が上がります。そのため、新駅開業後は、鉄道利用者がさらに増える可能性があります。
インバウンドのさらなる増加も見込まれており、輸送力増強は喫緊の課題になっています。(鎌倉淳)





















