東武鉄道が新型特急「リバティ」の時刻表と停車駅を発表。2017年4月ダイヤ改正は意欲的な内容に

東武鉄道が、新型特急「リバティ」の運行概要と時刻表を発表しました。運行開始はダイヤ改正が行われる2017年4月21日。「リバティ」により、浅草~会津田島への直通特急が設定されるほか、東武アーバンパークライン(野田線)にも特急列車が乗り入れます。

広告

1日最大9本の大増発

東武鉄道が発表した2017年4月21日ダイヤ改正概要によりますと、「リバティ」運行開始により、日光・鬼怒川方面の特急列車が増発されます。平日は1日5本、土休日は9本の大増発です。

「リバティ」は併結・分割機能を有するため、東武日光・鬼怒川温泉行きの併結特急や、東武日光・会津田島(野岩鉄道経由)行きの併結特急が設定されます。また、東武日光・館林行きの併結特急も設定されます。

東武500系リバティ
画像:東武鉄道

「リバティ会津」は4往復設定

野岩鉄道・会津鉄道に乗り入れる列車は「リバティ会津」と命名され、浅草~会津田島間を結びます。都心から会津まで直通する特急列車は、1日4往復設定されます。

「リバティ会津」は、下今市で東武日光発着の「リバティけごん」と併結・分割を行います。浅草~下今市間は6両編成、下今市~東武日光間・下今市~会津田島間はそれぞれ3両編成での運転です。

「リバティ会津」と「リバティけごん」の停車駅は以下の通りです。

リバティ会津停車駅

このほか、特急列車のダイヤ改正としては、上り「けごん」の始発列車を春日部発から新栃木発に変更し、夕通勤時間帯の日光線方面下り特急列車を杉戸高野台駅に停車させるなどの変更も実施されます。

野岩線方面に直通しない「リバティきぬ」「きぬ(スペ-シア)」の停車駅は以下の通りです。

リバティきぬ・けごん停車駅

「リバティ」を含めた、東武日光・鬼怒川線系統の特急時刻表は以下の通りです。日光・鬼怒川方面への特急列車は、従来の季節(繁忙期・閑散期)による運転日設定を廃止し、新たに平日・土休日別ダイヤを設定します。

東武鉄道日光・鬼怒川線系統特急時刻表

東武特急リバティ・スペ-シア時刻表

「リバティ会津」の運行で、これまでの会津鉄道直通の「快速」がどうなるかが注目ですが、現段階では発表はありません。「リバティ会津」は、浅草~会津田島間を3時間9分~24分(下り)で、3時間30分程度かかる快速と比べて、10~20分ほど短縮しています。

広告

「リバティりょうもう」も登場

伊勢崎線方面特急「りょうもう」については、ダイヤ改正後は全列車が久喜駅に停車します。

また、上述したとおり、新型特急「リバティ」による館林行き特急を新たに設定します。この「リバティりょうもう」は、浅草~東武動物公園間は「リバティけごん」と併結し、東武動物公園で分割します。

そのほか、「りょうもう」の浅草発赤城行き最終列車を1時間繰り下げるなどの変更を行います。

伊勢崎線系統の特急時刻表は以下の通りです。

東武鉄道伊勢崎線系統特急時刻表

東武特急りょうもう時刻表

広告

「アーバンパークライナー」は春日部で分割

東武スカイツリーライン・アーバンパークライン(伊勢崎・野田線)には、主に朝・夕通勤時間帯に、浅草~春日部間で運転する「スカイツリーライナー」と、東武アーバンパークラインの大宮・野田市まで運転する「アーバンパークライナー」が新設されます。停車駅は以下の通りです。

アーバンパークライナー停車駅

「アーバンパークライナー」の平日の1本(3号)は、春日部駅で大宮行きと野田市行きに分割されます。

「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」は、通勤時間帯における着席ニーズに対応する列車です。両列車とも下りは、せんげん台駅に停車します。また、「アーバンパークライナー」は、大宮発運河行きの列車も平日に設定されます。

「スカイツリーライナー」と「アーバンパークライナー」は、あわせて平日8本、土休日7本の運転です。時刻表については、詳細は発表されていません。概要は以下の通りです。

「スカイツリーライナー」「アーバンパークライナー」時刻表

▽上り
・「スカイツリーライナー2号」 (春日部05:36発浅草行き)
・「スカイツリーライナー4号」 (春日部06:08発浅草行き)

▽下り
・「スカイツリーライナー1号」 (浅草17:30発春日部行き)
・「スカイツリーライナー3号」 (浅草18:30発春日部行き)
・「スカイツリーライナー5号」 (浅草19:30発春日部行き)
・「アーバンパークライナー1号」 (浅草20:30発大宮行き)※平日運転
・「スカイツリーライナー7号」 (浅草20:30発春日部行き)※土休日運転
・「アーバンパークライナー3号」 (浅草21:30発、春日部で大宮行き〔22:31着〕・野田市行き〔22:35
着〕に分割)※平日運転
・「スカイツリーライナー9号」 (浅草21:30発春日部行き)※土休日運転
・「アーバンパークライナー2号」 (大宮22:43発運河行き)※平日運転

SL「大樹」は8月運転開始

今回のダイヤ改正では、とうきょうスカイツリー駅を通過している一部特急列車についても、全て同駅に停車する変更が行われます。今後は、「スペ-シア」も含めた全列車がとうきょうスカイツリー駅に停車します。

東武鉄道では、復活運転の準備を進めているSL「大樹」についても、2017年8月10日の運行開始を発表しました。今回の特急新ダイヤも、当然、「大樹」との接続を考慮しています。

まだ特急の時刻表が公表されただけですが、東武鉄道の2017年4月ダイヤ改正は、意欲的といっていいでしょう。リバティの機動力を活かし、観光需要にきめ細かく対応する一方、通勤時間帯の着席需要も掘り起こそうとしています。これからの新しい私鉄特急の姿を象徴するダイヤ改正になりそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事リニア中央新幹線で、飯田線はどう変わるか。地元自治体が高速化と特急「あずさ」乗り入れ要望へ
次の記事エアアジアXが「関空・ハワイ線」をいよいよ開設へ。米航空局が許可。アメリカ本土就航も視野に