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「ローカル路線バス乗り継ぎの旅第20弾 洞爺湖温泉~知床羅臼」の正解ルートを考える。「史上最速」でゴールできた理由とは?

テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第20弾が放送されました。これは、太川陽介と蛭子能収がローカル路線バスを乗り継ぐテレビ番組です。今回のマドンナは森尾由美でした。

第20弾の目標は、北海道の洞爺湖温泉から知床半島の羅臼まで、路線バスを乗り継いで3泊4日で到達する、というものです。例によって、このルートを検証してみましょう。

なお、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解のうえ、お読みください。

※以下、掲載時刻は確認しましたが、間違いや勘違いがあるかもしれません。その場合はご容赦ください。

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実際に旅したルート

まず、第20弾で実際に3人が旅したルートは以下のようになりました。時刻表上の定刻を示しています。実際の旅では、バスの早着があり定刻通りではありませんでした。そのため、時刻表上では不可能な乗り継ぎが、現実では可能になった部分もあります。

▽1日目
洞爺湖温泉07:03→09:06母恋09:31→09:39地球岬団地10:49→10:54母恋11:01→11:17東町ターミナル11:47→12:44登別温泉13:51→15:18苫小牧駅前16:40→19:30浦河ターミナル

▽2日目
浦河5丁目07:33→07:59様似駅10:15→11:09えりも岬14:54→15:50広尾16:22→18:45帯広駅19:50→22:40陸別

▽3日目
陸別05:52→07:30北見09:30→12:28釧路駅前13:30→16:13根室駅前16:10→16:54納沙布岬18:50→19:34根室駅前

▽4日目
根室駅前06:54→08:31中標津ターミナル09:40→11:10羅臼営業所

ローカル路線バス乗継の旅第20弾

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第20弾  北海道 洞爺湖温泉~知床半島 羅臼
太川陽介/蛭子能収/森尾由美

チェックポイント制を導入

今回の旅の特徴はチェックポイント制としたことです。洞爺湖から知床半島をたんに目指すのではなく、地球岬、襟裳岬、納沙布岬を経由して知床へ向かう、というルールでした。チェックポイントを設定するということは、ルートの概略をあらかじめ示すことを意味しますので、一行が「正解ルート」を探すことの難易度は下がります。

そのためか、今回は目的地羅臼に4日目午前中到着となり、史上最速の早さでのゴールとなりました。番組内でもバスの選択に迷う場面は少なく、一行はスムーズに進んでいきます。浦河付近でのホテル探しを除けば徒歩もなく、全区間「バス乗り継ぎ」で完結。まさにルイルイ完全勝利、といった内容でした。今回の旅で大変だったのは、2時間も3時間も連続して乗り続けることによる「腰の痛み」だったようです。

では、他にルートは全くなかったのでしょうか。また、ルートが他になかったにしても、なぜこんな早着になってしまったのでしょうか。検証してみましょう。

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地球岬へのバス路線

番組で一行は、まず洞爺湖から地球岬を目指します。洞爺湖から室蘭へのバスを探すのは簡単で、迷うとしたら室蘭市内で地球岬へのバスでしょうか。ただ、道南バスの室蘭市内のバス路線図を見てみると、「母恋で降りる」という情報を得れば地球岬へ行くことは難しくありません。

地球岬バス路線図道南バスホームページより

一行は効率的な選択をし、順調に地球岬に着きます。そして、東町バスターミナルへ戻り登別方面へ向かうというのも容易な選択にみえました。

浦河で泊まらず様似まで行っていたら?

番組で最初のポイントは、浦河到着後のことでしょう。一行はその日のうちに様似まで行けると知りながら、浦河に泊まることにしました。仮に様似まで行っていたらどうだったでしょうか。以下のようになります。

浦河5丁目20:19→20:45様似駅

翌朝は様似駅6:25発の広尾方面行きバスがありますが、これはえりも岬を経由しません。えりも岬経由便は様似駅10:15発までなく、浦河に泊まった場合と同じことになります。

ただ、様似駅6:25発のバスでも、以下のように乗り継げば、より早く広尾に着くことができます。

▽2日目
06:25→07:18庶野07:25→07:43えりも岬11:09→12:09広尾

いったん十勝側まで出て、庶野という停留所で折り返しえりも岬行きバスを拾うのです。やや難易度が高いですが、最近のルイルイのスキルなら見つけることは可能だったでしょう。このルートを選択した場合、以下のようにつながります。

▽2日目
広尾12:17→14:40帯広駅15:05→17:55陸別18:10→19:44北見

ご覧のように、2日目に北見まで届きます。ただ、その先、3日目の北見発釧路行きのバスは09:30発が始発なので、北見から先は「実際ルート」と同じになります。要するに、浦河に泊まろうが様似に泊まろうが、最終的には同じ結果であった、ということです。

帯広から他のルートはなかったのか?

今回の番組で最大のポイントと思えたのは、帯広から釧路方面に向かわずに陸別、北見方面へのルートを選択したことでしょうか。帯広から北見に向かうルートは、納沙布岬とは方向が違うので、一見非効率です。ほかにルートはなかったのでしょうか。

調べてみると、少し前まで、帯広から釧路への都市間バスが運行されていました。しかし、2011年に廃止されています。それより前には帯広-浦幌間のバスもありましたが、これも2007年に廃止されたそうです。結局、帯広から東の郊外に行くバスはないので、ルイルイとしても陸別以外に選択のしようがなかったということでしょう。

帯広に泊まっていたら?

帯広では、19:50発の終バスに乗り、陸別に22:40に着く強行軍を採ります。以前のルイルイや蛭子さんなら、こんな時間のバスには乗らず、「今日は疲れたから帯広で泊まろう」となっていたのではないか、と思います。それをせずに、進めるだけ進んだことに、二人の番組に賭ける意気込みを感じました。

では、もし帯広に泊まっていたらどうだったでしょうか。その場合、以下のようなルートになります。

▽3日目
帯広駅05:50→08:40陸別10:50→12:44北見15:00→17:58釧路駅前

▽4日目
釧路駅前06:05→08:48根室駅前11:00→11:44納沙布岬12:35→13:19根室駅前15:24→17:04中標津ターミナル18:20→19:50羅臼(ただし、羅臼便は土日運休)

ロケが平日なら羅臼までたどり着けますが、土日だった場合は、中標津18:20発羅臼行のバスはありませんので、中標津で終わりです。ロケ日によってはたどり着けなかった、という結末が待っていたことになります。

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不可能な乗り継ぎが実現

最後のポイントは、根室での乗り継ぎです。一行は、時刻表上で以下のような乗り継ぎをしています。

釧路駅前13:30→16:13根室駅前16:10→16:54納沙布岬

ご覧のように、時刻表上では、根室駅前での乗り継ぎは3分差で間に合いません。それを番組では実現しています。どうも釧路からのバスが7~8分早着したようで、この乗り継ぎができたのです。もし、バスの早着がなかったらどうなっていたでしょうか。以下のような乗り継ぎになります。

根室駅前18:00→18:44納沙布岬18:50→19:34根室駅前
(※土日の場合は1時間早発・早着)

納沙布岬では6分しか時間がなく、番組でのミッションである「岬で記念撮影する」時間はなさそうです。かといって、上記のバスは終バス(土日も同)ですので、納沙布岬で6分以上滞在するなら岬に泊まらなければなりません。

納沙布岬で泊まれるかどうかは不安ですから、ルイルイは根室駅で決断を迫られたと思われます。納沙布岬まで進むか、それとも翌日にして根室に泊まるか。この決断は番組の一つのクライマックスになるはずだったと想像します。

本来の「想定ルート」は?

仮に、納沙布岬に行かずに根室に泊まった場合は、以下のような接続になります。

▽4日目
根室駅前06:30→07:14納沙布岬09:55→10:39根室駅前10:59→12:39中標津ターミナル15:55→17:25羅臼

結論だけ書くと、羅臼に4日目に到達できるのですが、夕方ギリギリの時間になります。そのため、番組スタッフの想定ルートとしては、これが本来の「正解」だったのではないか、と思います。

言い換えれば、ルイルイたちは正解ルートよりも早くゴールしたのではないか、ということです。根室で本来不可能な乗り継ぎができてしまったがために、最終日のスケジュールに余裕ができて、史上最速のゴール到達という結末になったのでしょう。

ルートの選択肢は少なかったが

今回は、チェックポイント制というルールにしたため、一行のルート選択の余地は小さかった上に、帯広や北見といったキーとなる都市で間違えそうな選択肢が少なかったといえます。

一方で、北海道はバスの運転本数が少ないため、一本でも乗り遅れると取り返しがつかなくなる場合もあります。今回はルートの選択肢が少なかったぶん、ちょっとしたミスが致命傷になった可能性もあるでしょう。したがって、「簡単なルートだった」といえるかどうかは微妙です。

北海道ならではのバス事情

北海道は高速道路がそれほど発達していないため一般道を走る長距離バスが豊富で、本州なら「高速バス」になりそうな長距離路線バスが、番組のルール上利用OKになっています。そのため今回は、「長距離バス乗り継ぎ旅」の様相を呈していて、本州の回とは少し趣が異なりました。

北海道では、国鉄末期に数多くの鉄道路線が廃止されたため、転換交付金を使った路線バスが現在も広く運行されているという特徴もあります。また、県境がないため、路線バスが県境で途切れることもありません。今回の番組では、こうした北海道ならではのバス事情も垣間見えました。

沖縄ロケにも期待

今回は、徒歩で数キロ歩くと言った場面がなく、その点でも盛り上がりには欠けましたが、そもそもバス旅行なので原点に返ったということでしょう。一方で、上記のような本州と北海道の違いを感じられて興味深い部分もありました。

そうした意味では、沖縄もまた、本州と違う路線バスの特徴がありそうです。沖縄もルールを工夫すればルート設定できそうですし、次回以降では、ぜひ沖縄ロケを期待したいところです。

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