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富岡製糸場の世界遺産登録決定で、上信電鉄はどう変わる? 日本初の「地方私鉄沿線遺産」に注目!

富岡製糸場の世界遺産登録が確実になりました。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモスが、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を勧告したためです。イコモスの勧告が覆ることはほとんどないので、6月に開かれるユネスコ世界遺産委員会で、富岡製糸場の世界遺産登録が正式決定される見通しです。国内で18番目の世界遺産が誕生します。

富岡製糸場は、日本で初めての「近代世界遺産」です。これまでの世界遺産は近世以前のものばかりでしたが、初めて明治以降の建造物が中心となった遺産が誕生しました。これは世界的な傾向で、最近の世界遺産は、欧米を中心に近代遺産が増えています。

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鉄道で訪れやすい世界遺産

旅行者的な視点で見ると、富岡製糸場は上信電鉄上州富岡駅から徒歩10分で、鉄道で訪れやすい点に特徴があります。ご存じの方も多いと思いますが、上信電鉄は群馬県の地方私鉄です。日本の世界遺産で、主要遺産が地方私鉄の駅から徒歩圏内というのは、富岡製糸場が初めてです。近くにJRの駅はなく、鉄道利用の旅行者はすべて上信電鉄を利用しなければなりません。

地方私鉄の経営はどこも厳しく、上信電鉄も例外ではありません。近年の乗車密度は2,000人/km台にとどまっていて、起点となる高崎駅の1日あたりの乗車人員は、2,161人(2012年度)にすぎません。こうした地方私鉄沿線に世界遺産が誕生したとき、どのくらいの効果があるのでしょうか。

前例がないので予測しづらいのですが、たとえば、白神山地近くを走る五能線の「リゾートしらかみ」は年間10万人が利用しています。「リゾートしらかみ」と上信電鉄はまったく条件が違うので単純比較はできませんが、上信電鉄の立地条件が五能線よりはるかに恵まれていることを考えると、少なくとも同程度の利用者増は見込めるのではないか、と思われます。仮に年間10万人の利用者増ならば、1日あたり273人。上信電鉄の利用者数は1割増えることになります。

上信電鉄7000形
写真:富岡市

地元は受け入れ体制を強化

群馬経済研究所では、世界遺産登録で富岡製糸場の観光客数が2012年度比で42万2,000人増加し、年間71万2,000人になると予測しています。増加分42万人のうち、3割が鉄道で訪れると仮定すれば約12万人増となり、上記の試算と同じ程度の利用者増を見込めるでしょう。

地元では、観光客の増加を見据えて受け入れ体制を強化してきています。2013年12月には、地元自治体などの出資で上信電鉄にオリジナル新型車両7000形(写真)を投入。上信電鉄では32年ぶりの新型車両導入となりました。地方私鉄の車両は大手私鉄からの譲渡が主流なので、日本全体で見ても新製車両の導入は最近では珍しいです。

また、やはり自治体の予算で上州富岡駅の駅舎も建て替え、世界遺産を訪れる観光客に対応するものとしました。この新駅舎は、2014年3月17日に落成しています。

世界遺産登録がローカル私鉄をどう変えるのか。日本初の「地方私鉄沿線遺産」の鉄道波及効果にも注目したいところです。

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