都心と臨海副都心を結ぶ「臨海BRT」の開業が延期になりそうです。2019年に開業予定とされてきましたが、小池都知事が記者会見で延期を示唆。2020年のオリンピック後にずれこむ可能性が高くなりました。
新橋と晴海エリアを結ぶ
「臨海BRT」は、新橋と勝ちどき、晴海、豊洲などを結ぶものです。2016年に、都が「都心と臨海副都心とを結ぶBRTに関する事業計画」をまとめています。
それによりますと、移転後の築地市場の跡地を通る都道環状2号線を経由する計画で、2019年の運行開始を目指していました。
2020年の東京オリンピック後は、虎ノ門や有明、国際展示場などを結ぶルートも加わり、湾岸エリアの基軸交通機関の1つになる予定です。
しかし、小池都知事が就任後、築地市場の移転延期を決めたため、跡地を経由する環状2号線の開通が見通せなくなりました。そのため、都は2017年春に予定されていた運行会社の設立を見送っています。
環状2号は2020年暫定供用に
このほど、ようやく築地市場の豊洲移転日が2018年10月11日と決定。築地市場の取り壊し時期が明確になりました。
築地市場の移転後、環状2号線は片側1車線で豊洲方面への暫定供用を開始し、オリンピック後に虎ノ門方面へのトンネルを掘るなど本格整備する方針となっています。
臨海BRTは環状2号線開通を前提にした計画ですので、環状2号線が完成しないのなら、BRTの開業はできません。ただ、これまで、都による開業延期の公式発表はありませんでした。築地市場の移転時期が明確になっていなかったことが、その大きな理由と考えられます。
小池と知事が「大会の後」
それが決着し、小池都知事は2017年12月20日の記者会見で、記者からの質問に対し以下のように述べました。
「BRTについては、大会の後ということもございますが、それらについては、工事の計画などでできるだけ短期間にそれが実行できるように、さまざまな工夫も必要なんだろうと考えております」
議会答弁とは違い、事務方との擦り合わせのない発言とみられますが、BRTの開業がオリンピック大会後にずれ込むことを念頭に計画を立て直していることを示唆しました。
少なくとも、環状2号線の暫定供用時にBRTを運行させる計画はなさそうで、となると、2019年運行開始は難しそうです。
新たなスケジュールを
BRT開業がオリンピック終了後となる場合も、実際にいつ運行を開始するのかは明らかになっていません。
湾岸エリアには新しいマンションが次々と建設されており、人口が激増中です。BRTはその重要な交通機関になる予定であり、開業を見込んで住宅を購入した人もいるでしょう。
開業延期がやむを得ないとしても、新たなスケジュールを早急に開示することが望まれます。