格安航空会社LCCのピーチアビエーションが、手荷物料金を改定します。機内持込手荷物の制限が10kgから7kgとなり、実質的に値上げとなりました。また、受託手荷物料金についても改定。一部で値下げがあるものの、全体としては値上げ傾向です。ただ、わかりやすさは向上しそうです。
機内持込手荷物は7kgまで
ピーチの手荷物料金改定は、2018年10月28日の冬ダイヤ搭乗分から。機内持込手荷物の制限重量を、現在の10kgから7kgに変更します。荷物の個数制限に変更はなく、ハンドバック・カメラ・傘などの身の回りの品が1個と、手荷物1個の合計2個までです。
受託手荷物料金は国内線均一に
受託手荷物の料金体系も改定します。国内線はこれまでZone1、Zone2と2種類の料金体系を設けていましたが、今後は国内線全線で同じ価格となります。
インターネットで予約した場合、手荷物1つにつき1,600円です。出発当日に、空港カウンターで手荷物料金を支払う場合は、1つにつき2,680円となります。いずれも、Zone1からみると400円の値上げ、Zone2からみると200円の値下げです。
1つの手荷物は20kgまで、3辺の和が203cmまでという制限で変更はありません。重量超過の場合は1,500円が加算されますが、これはZone1からは610円の値下げ、Zone2からは1,230円の大幅値下げとなっています。
スポーツ用品については、スキー、ゴルフが2,100円、自転車が3,800円、サーフボードが5,000円です。Zone2のこれまでの価格の十円単位を切り上げた程度で、Zone1からは600円程度の値上げ、Zone2からは端数分の値上げです。
国際線は韓国路線だけ分離
一方、国際線では短距離(Zone3)と長距離(Zone4)の2つの料金ゾーンがありましたが、これを韓国路線(ZoneA)とその他の国際線(ZoneB)に再編します。
韓国路線用のZoneAでは、受託手荷物料金がインターネット予約で1つにつき1,900円、空港カウンター手続きで2,980円となり、これまでのZone3に比べるとそれぞれ100円の値下げです。
韓国路線以外用のZoneBでは、受託手荷物料金がインターネット予約で一つにつき3,200円、空港カウンター手続きで4,280円となり、これまでのZone4に比べると、いずれも400円の値上げです。
今回の料金改定で、関西・ソウル線や羽田・ソウル線では受託手荷物料金は値下げとなります。一方、関西・台北線や香港線などは値上げとなります。ゾーンが「格上げ」される那覇・台北路線では大幅な値上げとなります。
LCC他社と比較すると
LCCの機内持込手荷物の重量制限については、ジェットスター・ジャパン、バニラエア、エアアジアジャパンが7kg、春秋航空日本が5kgです。ピーチだけが10kgと基準が甘かったのですが、これからは他社と同水準になります。
受託手荷物料金を他社と比較することは難しいのですが、ジェットスター・ジャパンの場合、区間と時期、重量により変動します。950円(短距離、通常期、15kg)から、3,900円(長距離、繁忙期、40kg)と幅があり、相場がわかりにくくなっています。
通常期20kgで比較すると、ジェットスターの受託手荷物料金は1,000円~1,750円です。ピーチの1,600円を上回るのは、成田・中部・関西~那覇・新千歳の1,750円のみです。それ以外は、ジェットスターのほうが安いです。
15~20kg程度の手荷物を預ける旅客には、ジェットスターのほうが多少安いといえます。ただし、利用者の立場では、ピーチの均一価格1,600円のほうがわかりやすいかもしれません。
国際線の価格も「韓国線」と「それ以外」というのはわかりやすいです。ピーチの今回の手荷物料金の改定は、実質的に値上げ傾向と表現できますが、わかりやすさは改善しそうです。(鎌倉淳)