東京~札幌を格安旅行する方法まとめ【2023年版】。飛行機、新幹線、高速バス、フェリーの最安値は?

やっぱりLCC?

東京〜札幌を格安で旅行する方法について、2023年の最新情報をまとめてみました。飛行機、新幹線・特急、高速バス・フェリーなど、多彩な交通機関の最安値を調査しました。

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東京・札幌価格比較

最初に、東京駅~札幌駅間を旅行する際の価格表を掲載しておきます。確認できる範囲の最安値と普通運賃の表示です。内容の詳細な説明は、表の下の解説をご覧ください。

東京駅~札幌駅の価格・最安値比較
会社名
サービス名
移動手段 経路 価格
ピーチ 飛行機(LCC) 成田、新千歳 8,850円~38,990円
ジェットスター 飛行機(LCC) 成田、新千歳 8,780円~38,690円
スプリング 飛行機(LCC) 成田、新千歳 8,740円~
スカイマーク 飛行機 羽田、新千歳 8,960円~34,720円
エアドゥ 飛行機 羽田、新千歳 9,260円~31,960円
JAL 飛行機 羽田、新千歳 9,360円~43,610円
ANA 飛行機 羽田、新千歳 10,260円~46,320円
シリウス号+
シルバーフェリー
高速バス+
フェリー
八戸、苫小牧 15,150円~17,550円
パシフィック・ストーリー 高速バス+
フェリー
大洗、苫小牧 9,900円~18,000円
JR 新幹線・特急 新函館北斗 24,000円~28,160円
JR青春18きっぷ 普通列車 津軽二股、木古内 7,310円*
JR北海道&東日本パス 普通列車 新青森、新函館北斗 7,237円*

*青春18きっぷ、北海道&東日本パスは2日分使用の参考価格。

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多彩な交通機関

東京~札幌間の主力交通機関は飛行機。格安なのはピーチ、ジェットスター、スプリングといったLCCです。羽田発着ならスカイマークやエアドゥといった中堅航空会社がお手頃です。JALやANAといった大手航空会社にも格安チケットがあります。

JRは時間がかかりますが、新幹線と特急を乗り継げば1日で着けます。安さを求めるなら青春18きっぷですが、東京~札幌では利用しづらいです。北海道&東日本パスという、津軽海峡を越えやすい普通列車専用のチケットもあります。

東京~札幌間に高速バスは運行されていませんが、フェリーと組み合わせれば旅行は可能です。

これら多彩な交通機関について、ウェブサイトなどを検索して見つかった「1ヶ月以内」の最安値を比較していきます。価格は検索時のもので、時期により変動します。期間限定のバーゲンチケットや特別運賃は原則として対象外ですが、設定期間の長いものは掲載しています。

札幌時計台
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ピーチ

東京〜札幌間を格安で旅行する場合、筆頭候補に挙がる移動手段がLCCです。成田空港~新千歳空港間に就航しているのはピーチ、ジェットスター・ジャパン、スプリング・ジャパンの3社です。

LCC最大手・ピーチの場合、成田~新千歳間の最低運賃は4,990円。これに空港施設使用料820円(成田450円、千歳370円)がかかります。クレジットカード支払いの場合、さらに支払手数料640円が加算され、合計6,450円です。

成田空港へのアクセス費用も別途かかります。東京駅~成田空港は格安バスで1,300円、新千歳空港~札幌駅はJRで1,150円、バス1,100円です。徹底的に節約してバスに乗るとして、東京駅~札幌駅間の最低価格は合計8,850円となりました。

なお、ピーチで手荷物を預けたり、座席指定をする場合は別途料金がかかります。受託手荷物や座席指定がセットになった「基本パッケージ(バリューピーチ)」にすると3,000円高くなり、合計11,850円となります。

最高運賃は31,390円で、「バリューピーチ」に諸費用と空港アクセス費用を加えると、38,990円となります。

ジェットスター

ジェットスター・ジャパンの成田空港~新千歳空港間の最低運賃は4,980円。それに空港施設使用料760円(成田390円、新千歳370円)がかかります。ジェットスターは成田空港第3ターミナルを使用するので、ピーチより空港使用料が60円安いです。さらにクレジットカード支払いの場合の支払手数料が640円で、合計6,380円となりました。

さらに東京駅~成田空港の格安バス1,300円と新千歳空港~札幌駅のバス1,100円を加えると、東京駅~札幌駅間の最低価格は8,780円です。

ジェットスターで受託手荷物と座席指定などがセットになった「ちゃっかりplus」は3,000円増です。加えると合計11,780円となります。

最高運賃は31,890円で、「ちゃっかりPlus」に諸費用と空港アクセス費用を加えると38,690円となります。

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スプリング

スプリング(春秋航空日本)の成田空港~新千歳空港間の最低運賃(ラッキースプリング)は4,980円。そのほか、空港施設使用料760円と、クレジットカード支払手数料600円がかかります。合計6,340円となります。

さらに東京駅~成田空港の格安バス1,300円と新千歳空港~札幌駅のバス1,100円を加えると、東京駅~札幌駅間の最低価格は8,740円です。

受託手荷物がセットになった「スプリング」運賃は2,000円増しで、合計10,740円となります。

スプリングは最高運賃をウェブ上で確認できませんでした。

LCC3社の東京~札幌間の最低価格は11,000円前後で、ほぼ横並びです。運賃水準が最も低いのはスプリングですが、空席状況により価格は変動しますので、購入前に3社の当日価格を確認することをおすすめします。

スカイマーク

羽田空港発着便を利用したいなら、まずはスカイマークをチェックしておきたいところ。受託手荷物や座席指定は無料ですし、支払手数料といった謎の手数料もありません。

スカイマークの羽田空港~新千歳空港間の最低運賃は「いま得」の5,600円。3日前まで予約可能な運賃です。この金額ならLCCより安いのですが、ネットで検索したところ、1ヶ月以内で予約できる価格は7,340円が最低水準なので、この金額を基準として考えます。

東京駅~羽田空港の運賃(JR・京急)が470円、新千歳空港~札幌間も時間の節約になるJRを利用して1,150円。東京駅~札幌駅の最低価格は合計8,960円となりました。受託手荷物、座席指定込みの価格です。

ただ、この価格で予約できる便は非常に限られます。搭乗2~3週間前で実際に予約できるのは、11,000円前後が最低価格です。東京駅~札幌駅で考えれば13,000円前後です。スカイマークは全体の価格水準が大手よりも安く、LCCより若干高い程度なので、羽田発着の路線としては手軽です。

スカイマークの普通運賃は33,100円(繁忙期)です。空港アクセス費用を含めると34,720円となります。

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エアドゥ

エア・ドゥの羽田空港~新千歳空港間の1ヶ月以内の最低運賃は「AIRDOスペシャル28」の7,640円。東京駅~羽田空港の運賃(JR・京急)が470円、新千歳空港~札幌間も時間の節約になるJRを利用して1,150円。東京駅~札幌駅の最低価格は合計9,260円となりました。

ただ、この価格は早期割引なので、直近で予約できる「DOバリュー」では、11,000円前後が最低価格です。東京駅~札幌駅で考えれば13,000円前後です。AIRDOは大手よりも安いですが、スカイマークやLCCより価格水準が若干高い傾向があります。羽田発着の路線としては手軽です。

エアドゥの普通運賃(片道運賃)は30,340円です。空港アクセス費用を加えると31,960円となります。

JAL

東京〜札幌は、航空会社間の競合が激しいのでJALやANAといった大手航空会社も割引率の高い格安航空券を販売しています。

JALの「ウルトラ先得(55日前)」の最低運賃は6,900円。1ヶ月以内の出発で見つかった最安値は「先得割引タイプA」の7,740円です。これを基準として、東京駅~羽田空港、新千歳空港~札幌駅の鉄道運賃を加えると、東京駅~札幌駅の最低価格は9,360円となりました。

JALの普通運賃は41,990円です。空港アクセス費用を含めると43,610円となります。

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ANA

ANAの「スーパーバリュー55」の最低運賃は7,200円。検索時に確認できた1ヶ月以内の最安値は「スーパーバリュー28」の8,640円でした。これを基準として、東京駅~羽田空港、新千歳空港~札幌駅の鉄道運賃を加えると、東京駅~札幌駅の最低価格は10,260円となります。

ANAの最高運賃は「フレックスA」です。44,700円です。空港アクセス費用を加えると、46,320円となります。

大手航空会社の注意点

JAL、ANAとも、最低価格だけをみれば、LCCと大差ありません。ただ、最低価格で買える座席は限られますし、時間帯の良い便では、低価格のチケットを予約するのはかなり難しいです。

安いチケットを買うには、早めの予約が大切です。ただ、ここが難しいのですが、早く買えば必ずしも安いとは限りません。チケット価格は空席予測数に連動するので、数ヶ月先よりも、1か月先のほうが安いこともあります。

また、「ウルトラ先得」や「スーパーバリュー」系の28日前までの早期購入運賃が終了すると、「特便割引」や「バリュー」といった直前割引運賃が下がります。

全体的には早期購入割引運賃が安いのは間違いないのですが、28日前を境に急激に上がるとは限りません。3日前をすぎると非常に高額になる場合があるので、遅くとも3日前までに済ませたほうがいいでしょう。

飛行機に関してまとめると、直前でも安いのは成田発着のLCC。受託手荷物と座席指定をセットにすれば、飛行機代だけなら1万円以下で予約するのは難しくありません。

羽田発着では、最低価格では大手2社が安いですが、スカイマークは1万円台半ばで購入できる座席が多いので、両方チェックするといいでしょう。

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JR新幹線+特急

つづいて、JRです。東京~新函館北斗を北海道新幹線「はやぶさ」、新函館北斗~札幌間を特急「北斗」で乗り継ぎます。所要時間は約8時間、正規運賃・料金(普通車指定席)は27,560円(通常期)で、繁忙期は28,160円です。

「えきねっとトクだ値」を使うと、「はやぶさ」の「お先にトクだ値」が17,410円、「北斗」の「トクだ値30」が6,590円です。あわせて東京駅~札幌駅が24,000円となります。約14%の割引率となります。

青春18きっぷ

「青春18きっぷ」は期間限定ですし、5回分セット12,050円でしか発売しませんが、注目度の高いきっぷなので、参考情報として扱っておきます。

普通列車を乗り継いだ場合、東京~札幌間は、途中青森に宿泊して丸2日間で移動可能です(東京4時45分発、札幌翌19時59分着)。このとき、奥津軽いまべつ~木古内間で新幹線を利用できる「北海道新幹線オプション券」2,490円を使用します。なお、津軽線蟹田~津軽二股間はバス代行です。

青春18きっぷ2回分4,820円を加えると、合計7,310円となります。青森に宿泊するためホテル代も必要になります。それでは割に合わない、という方は青函フェリーを使うといいでしょう。青森~函館間が2,100円です。駅から各フェリーターミナルまでは歩くとして(各2~3km)、東京駅~札幌駅が合計6,920円となります。

なお、上記は青春18きっぷ2回分を4,820円と仮定した計算です。青春18きっぷを5回分12,050円として計算するなら、北海道新幹線オプション券使用で14,540円、フェリー利用で14,150円となります。

青春18きっぷのルール詳細はこちらをご覧ください。
青春18きっぷ研究所

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北海道&東日本パス

同じく期間限定ですが、北海道&東日本パスという手もあります。価格は11,330円です。北海道&東日本パスの場合は、盛岡~青森間で第三セクター鉄道を利用できますし、新青森~新函館北斗間は特定特急券4,000円を買えば新幹線に乗車できますので、青春18きっぷよりはスムーズに進めます。

北海道&東日本パスと新幹線特定特急券を組み合わせた場合の価格は15,330円です。北海道&東日本パス2日分と考えると、3,237円(2日分)+4,000円(特急券)=7,237円が、東京駅~札幌駅の価格となります。あくまで計算上の価格なので、この金額ぽっきりで旅行できるわけではありません。

北海道&東日本パスの詳細なルールはこちらをご覧ください。
北海道&東日本パス(青春18きっぷ研究所)

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高速バス+シルバーフェリー

高速バスだけで東京~札幌間を旅することはできませんが、高速バスとフェリーを組み合わせることができます。例として高速バスと八苫航路(シルバーフェリー)を組み合わせてみましょう。

シルバーフェリーの2等運賃は5,600円です。

高速バスは価格変動が大きく、最低価格がわかりにくいのですが、バスタ新宿~八戸バスターミナルを結ぶ高速バスMEX三沢の早割プランで、4,300円の価格が確認できました。ただ、シルバーフェリーとの接続がうまくいきません。

シルバーフェリーとの接続がいいのは「シリウス号」で、東京駅21:30→07:00八戸中心街ターミナル07:25→07:50八戸港08:45→16:00苫小牧港16:46→18:38札幌駅と乗り継げます。シリウス号の最低価格は7,800円(D運賃)で、八戸港へのバス運賃300円、苫小牧港~札幌駅間の高速バスが1,450円。東京駅~札幌駅間の最低価格の合計は15,150円です。

シリウス号の最高値は10,200円(S運賃)で、その場合は東京駅~札幌駅間は17,550円となります。

高速バス+商船三井フェリー

高速バスとフェリーの組み合わせとしては、大洗~苫小牧航路のほうがポピュラーかもしれません。商船三井フェリーは「パシフィック・ストーリー」と題する高速バス・フェリーのセット券を発売しています。「高速みと号」、商船三井フェリー、「高速とまこまい号」を乗り継ぐもので、東京駅~札幌駅の価格は9,900円~18,000円です。

標準的な乗り継ぎでは、東京駅14:30→16:23水戸駅17:25→17:55大洗港19:45→13:30苫小牧港13:56→15:48札幌駅前となります。

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まとめてみると

冒頭の表は、検索時点の「1ヶ月以内の購入」という条件での最低価格によるランキングです。飛行機や高速バスの価格は、時期や便、購入タイミングにより大きく異なります。また、LCCは受託手荷物が別料金など、項目により条件が異なる場合もあります。

その前提に立ってのことですが、やはりLCCは安く、身体一つで旅する場合は、ジェットスターやピーチは第1選択肢になるでしょう。羽田発着では、スカイマークが手頃なチケットを探しやすいでしょう。

高速バス+フェリーは、最安値という観点ではそれほどお得感はないように見えますが、価格の季節変動幅が小さく、繁忙期でも1万円台で東京~札幌間を移動できるのが強みです。

大手航空会社は、早期割引運賃を使えばLCCと遜色ない価格になることもあります。逆に、出発間際や繁忙期になると価格が高止まりして、3万円以上することも珍しくありません

結果として、最安値が最も高いのは、JRの新幹線+特急乗り継ぎです。定価では大手航空会社よりも安いのですが、格安航空券を相手に回すと、価格的にも時間的にも飛行機の後塵を拝します。それでも、「お先にトクだ値」や「トクだ値30」を使えば、24,000円程度で旅行できますし、定価が安いのも魅力。JRは繁忙期の定価でも28,000円程度なので、飛行機の安いチケットが見つからない場合は選択肢になるかもしれません。

昔に比べれば、東京~札幌間の格安旅行の選択肢は増えました。インターネットによるメタサーチが進化して、格安チケットを探すのも容易になりました。ただ、一括検索では、必ずしも自分にとって適切な最安値が表示されるとは限りません。いろんな交通機関やチケットを比較して、最も自分に適した格安プランを探すといいでしょう。(鎌倉淳)

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